小笠原空港問題を国土交通委員会にて質す

 

 

 

 

 

 

○松原委員 
 次に、小笠原空港問題をお伺いします。

 小笠原諸島は、本土から約一千キロメートル以上離れ、本土への交通手段は六日に一便、一週間に一回ですね。大臣はいらっしゃったことがあるかどうかわかりませんが、船で二十四時間。ブラジルよりも大変に遠いという話があるぐらいでありまして、その上、やはり命にかかわる問題ですから、さまざまな課題がある。

 例えば、産科の場合、産科医の確保もできていない。また、出産するためには出産前後に長い期間離島を余儀なくされるとか、さまざまな緊急の病気に対しても十分に対応できない場合もあるということも含め、この小笠原に対して空港をつくりたいという意欲は多くの島民の方から寄せられているわけであります。

 この小笠原新空港の可能性、十月八日に小池東京都知事が小笠原村を視察した際、急患が出たときの搬送など、命を守る観点から考えることは重要と発言をしたという報道がされております。

 小笠原空港の問題について国土交通省としてどう取り組むか、悲願である空港建設についてどう取り組むのか、国土交通大臣にお伺いしたい。

 

国土交通委員会での松原仁(平成28年11月16日)

 


石井国務大臣

 小笠原諸島におけます交通アクセスの改善は、国土交通省といたしましても、島民生活の安定や離島振興の観点から重要な課題であると認識をしております。

 小笠原空港につきましては、現在、東京都が設置、管理する空港といたしまして、東京都において検討中でございます。

 三案検討が行われておりまして、一つは、父島の洲崎地区に飛行場を整備する案、二つ目には、水上航空機で父島の二見湾に離発着する案、三つ目には、父島から硫黄島へはヘリコプターで、硫黄島からは航空機の案、この三案について検討が行われているものと承知をしております。

 国土交通省といたしましては、東京都が進める検討につきまして、滑走路の配置、航空機の運航の安全に必要な空間の範囲、海域の埋め立ての範囲など、技術面に関する助言を行ってまいりました。委員からの御指摘も踏まえまして、東京都と連携をいたしまして、早期に一定の方向性が出せるよう真摯に取り組んでまいりたいと存じます。

松原委員

 これは、小笠原もある意味で人権問題と言っても差し支えないような課題だと思っております。したがって、国土交通大臣においては、今機運が高まっているというふうに承知をしておりますので、小笠原に空港をつくるということは半世紀の夢でありますから、もっと長い間の夢ですね、ぜひとも力をかしてもらいたい、航空局長も強い決意でもって頑張ってもらいたいというふうにあえて申し上げておきたいと思います。

 終わります。