松原国務大臣 初めに、東日本大震災により亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表し、被災された方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、消費者担当大臣として所信の一端を申し述べます。
 消費者庁、消費者委員会が平成二十一年に設置されてから、二年六カ月となりました。現在も多くの課題に直面しており、しっかりと消費者の立場に立って対応できるよう、消費者行政の基盤づくりを加速させてまいります。
 具体的には、第一に、消費者行政における新たな仕組みづくりを推進します。消費者安全法の一部を改正する法律案、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案について、今国会に提出しており、消費者被害の発生、拡大の防止に取り組んでまいります。さらに、集団的消費者被害回復に係る新たな訴訟制度についても、法案の提出を目指して取り組んでまいります。また、食品表示をわかりやすく一元化する法律について、来年の法案提出を目指して本格的な検討を進めてまいります。
 第二に、事故情報の収集、分析を強化するとともに、迅速かつ的確に、消費者への注意喚起、各省庁への措置要求、事業者への勧告等を行います。
 また、悪質商法、偽装表示等を行う事業者に対する法執行力を強化し、消費者安全法、特定商取引法、景品表示法、JAS法、食品衛生法等について、消費者の利益を守るため厳正な法執行を着実に実施してまいります。
 第三に、現場を担う地方消費者行政のさらなる充実に向け、地方自治体との連携と支援を強めてまいります。特に、地域で活動している多様な主体による消費者問題に関する取り組みを一層支援してまいります。同時に、現場を支えていただいている消費生活相談員について、資格の法的位置づけの明確化に向けて検討を行い、地方自治体における消費生活相談などの一層の質の向上と体制の整備につなげてまいります。
 また、消費者の安全、安心を実現するためには、だまされない賢い消費者、社会の発展と改善に積極的に参加する自立した消費者を育てることが大切です。このため、消費者庁は文部科学省等と連携して、消費者教育を体系的、総合的に推進してまいります。
 第四に、東日本大震災への対応として、食品と放射能の問題について消費者の目線でわかりやすい情報提供に努めてまいります。消費者団体や地方自治体の皆様と協力してリスクコミュニケーションを推進するため、シンポジウム、セミナー等の開催や講師の派遣、冊子「食品と放射能Q&A」の提供等を積極的に行います。また、国民生活センターと共同で放射性物質検査機器を地方自治体に貸与し、消費者サイドからも食品等の安全を確かめる取り組みを、地方自治体の意向を踏まえつつ迅速に進めてまいります。
 さらに、被災された方々の生活再建に向け、引き続き、地方自治体などの窓口へ弁護士、司法書士、建築士等の専門家を派遣いたします。
 消費者委員会においては、消費者行政全般に対する監視機能を有する機関として、これからも消費者のため建議等を行うなど、その機能を発揮していただきたいと考えております。そして、消費者庁と消費者委員会が適切に協力をし、それぞれの役割を果たしていけるよう取り組んでまいります。
 国民生活センターのあり方の見直しについては、消費者行政全体の機能を効率的に強化し、国民の安全、安心に向けた取り組みを推進するため、必要な定員、予算を確保した上で、平成二十五年度を目途に法人の機能を国に移管することといたしております。このため、国民生活センターの機能を担う国における組織の具体的なあり方について、消費者庁及び消費者委員会を含めた消費者行政に係る体制のあり方とあわせて検討を行い、ことしの夏までに結論を得ます。
 青木委員長を初め、理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
 終わります。


松原仁の活動に関する詳細は、こちらからもご覧になれます。