松原委員 私、地元が品川区、大田区ということであります。大田区の都議会議員を今から三十年ぐらい前にやっておりまして、その意味では、本当に中小企業の町でありました。当時に比べて、中小企業も激減をいたしております。
 私、実は、政治家としてのスタートをするときに、ちょっと個人的なことになりますが、私の応援団長はメッキの方でして、当時、東京都のメッキの中心の方でした。したがって、メッキ業というのは私の政治の原点であり、その課題というのは私にとって極めて重要であるというふうに認識をしてきたわけであります。
 メッキに関していえば、東京都のメッキは、二十年前は千二百社ぐらいあった。今は三百五十。半分どころじゃないんですね。三分の一に激減している。事業承継が極めて中小企業において必要であると言われたのは、我々が都議会議員でやっているときには、工場制限法とか立地法といったいわゆる工場三法、それから事業承継、この二つを何とかせいという話が、大きく商工会議所を含む支援団体から寄せられてきたわけであります。
 この二つに関しては、やはり大分変化をしてきたというふうに、私はそのことは評価をいたしますが、やはり幾つかの課題があるというふうに思っております。
 俗に、メッキに関して言えば、後出しじゃんけんと言われておりますが、刑法の世界では罪刑法定主義というので後のものは遡及しない。刑法でもそうであるように、ほかの分野でも基本的に法律は遡及はしないのであります。時々間違って遡及しているのはありますが。
 私は、その意味では、特にメッキは、最初は土間でやっていいよと。別に、これをするにはこうだああだという規制がなかった。後で、第二部の、冒頭十分間しか質問時間がありませんから、そこで環境省を含めて徹底的に質疑をしていきたいというふうに思っております。
 メッキ業に関しては、土壌汚染防止法で大分がんじがらめになっていて、私の知り合いのあるメッキ会社に行って、それは、お父さんの代に、三十年近い前に私は支援を受けて、この間行ったら息子さんがいて、いや、松原先生、やめるにやめられないと。これをうちがやめたら、行くも地獄、引くも地獄と。やめたら、ずっと汚染が下へ入っていって、遮蔽板を打ってやったらどれだけ金がかかるかわからないと。こういうふうな悩みを聞きました。
 環境省にも後で聞きますが、私は、それはそれで、理屈があるのはわかる。理屈があるのはわかるけれども、しかし、全部それを個人企業に対して責めを負わせると後で決めて、それが妥当かどうかということもまた考えなければいけない。どこをもってその中間点とするかということは、極めて重要なことだと思っております。これは後で聞きます。
 今、中根委員から質問がありましたが、個人保証に関して言えば、私は、これは極めて前時代的なものだと思っております。個人保証というものに関して、もうやはり基本的にはこういったものはなくした方がいいと思っておりますが、これは一般論ですから、大臣の御所見をお伺いしたい。

宮沢国務大臣 個人保証につきましては、先ほど中根委員に申し上げたように、少なくする方向で今いろいろ政策をしているわけですけれども、一方で、個人保証があるからやっと借りられるということもあるわけでありまして、また、これを全部なくすというのはなかなか難しいんだろうなという気がいたします。

松原委員 重要なのは見解だと思っているんですね。
 個人保証があるのが当然であって、例えば三つの条件がそろえばこれはなくしましょうというのではなくて、ないのが前提だ。しかし、中には生命保険を掛けるから金を貸してくれという人がいるかもしれない。そういう個人保証で勝負をしたいという人も百人に二、三人いるかもしれない。そこはそういう仕組みもあっていいでしょう。ベースはなくすべきだという発想は、私は、どちらがメーンか。今おっしゃったようなところで、人によっては個人保証を使う人もいるんだ、個人保証に頼る人もいるんだ、しかし、自分からあえてそうしたいという人は別だけれども、基本は個人保証はなくすべきだと思っています。
 もう一回、御所見をお伺いします。

宮沢国務大臣 今、これは私の立場というよりは恐らく金融庁の方から答弁されるべきだと思いますけれども、個人的に申し上げれば、おっしゃるように基本は個人保証なしということが私は筋だろうというふうに思っております。

松原委員 非常におっしゃるとおりだと思います。世界的に見て、極めてこれはまれな現象であります。
 そこで、金融庁にお伺いいたします。
 今、どんなふうに個人保証に対するさまざまな施策が打たれてなっているか、何件どうなのか、お伺いしたい。

西田政府参考人 お答えいたします。
 金融庁といたしましては、経営者保証に関するガイドライン、これが融資慣行としてやはり浸透、定着していくということが重要であると考えております。
 このため、金融庁では、まずは金融機関に対しまして、中小企業や小規模事業者の方々に積極的にこのガイドラインを周知するということを求めております。
 また、中小企業庁と連携いたしまして、全国各地で金融機関あるいは中小企業関係者の方々に対する説明会を実施したり、あるいはインターネットによるガイドラインの政府広報というものに今取り組んでいるところです。
 さらに、ガイドラインだけではなかなか浸透はしませんので、金融機関等により広く実践されることが望ましいような取り組みというものを具体的に参考事例集という形で取りまとめて、今公表をしているところであります。
 事業者の方々がガイドラインをどの程度認知されているかというところについては、まだまだ確たることは申し上げられないわけですけれども、今申し上げたような取り組みによって、事業者の方々への周知は一定程度進捗はしていると思います。
 ただ、金融庁としては、やはりこのガイドラインというのが融資慣行としてしっかりと定着していくということが重要ですし、そのためにはやはり事業者の方々への周知というものが重要であると考えておりまして、今後とも引き続きこのガイドラインの周知、広報というものに努めるとともに、金融機関による積極的な活用を促してまいりたいと考えているところでございます。

松原委員 私が聞いたところでは、中小企業家同友会の、全組織ではなくて一部の組織のデータでありますが、民間の事業者、民間の金融機関に対して確認したんですよ。新規ですか、継続されているものに対してリクエストしたんですかと。後者でした。継続したものに対してリクエストしたところ、その達成率、成功率は四から七%。先ほど大臣がおっしゃったように、いわゆる公的な金融機関、こういったところはかなり数字が高いというふうに彼は言っていました。
 金融庁にお伺いいたします。数字はどうなっていますか。

西田政府参考人 お答えいたします。
 金融庁におきましては、地域銀行、信金、信組等を含めた民間金融機関におけるガイドラインの活用件数につきまして、半期ごとに金融機関から報告を求めることによって把握しているところでございます。
 ガイドラインの適用が開始されたのが昨年二月ですので、二月から昨年九月までの八カ月間で、無保証での新規融資あるいは既存の保証契約の解除といったものを行った件数というのは、約八万五千件というふうになっているところでございます。

松原委員 これからぎりぎりと金融庁と議論をしたいところでありますが、とりあえず十分間の質問時間が終わったので、次は三十分あるから、きっちりと答えてもらいたい。
 以上で終わります。


>Part2へと続きます。