松原委員 おはようございます。
 まず最初に、島のことをお伺いしたいと思っておりますが、平成二十五年に、西表島の東端に近いウ離島で土地の売り出しがあり、中国企業からの買収の打診があったということであります。現在は、その中国企業からの買収に対して、土地を売ろうとしていた方が、ちょっとこれは、特に国境離島周辺ということで、待てよということで頑張っているわけであります。
 これは枕言葉で申し上げているわけで、要するに、世界で六番目の排他的経済水域を持っている日本、これからの海洋国家時代の離島というのは大変な財産であることは言をまたないわけでありまして、そういったことから、この離島というものは格別の要素があるんだ、都市と同じぐらい、先にネタを言ってしまえば、都市再生制度で取り組むぐらいの、同じぐらいの重みが離島振興というのはあるんだということを、既に大臣は御承知だと思いますが、御認識をいただいた上で質問したいと思います。
 冒頭、大臣に、都市再生制度でさまざまな税制優遇や金融支援等々は大都市に対してあるわけでありますが、こういったものも離島に関して検討するべきだという議論があるわけです。その議論は後でいたしますが、離島の重みというのはこの都市再生と同じぐらい重みがあるということについて、大臣から御所見を伺いたい。

太田国務大臣 日本は三十八万平方キロの国でありますけれども、四百四十七万平方キロという大変広大な、今御指摘のような重要性を持っています。
 その中で、特に離島、そして国境離島、こうしたところは極めて大事なことだというふうに思っておりますので、定住を促進するためにも産業の振興や雇用の創出が重要だと考えておりまして、さまざまな支援策をとっていくということが大事だ、このように認識をしています。

松原委員 今大臣から、離島の振興というのは、まさに都市再生のさまざまな特区が今あるわけでありますが、都市再生緊急整備地域とか、特定都市再生緊急整備地域とかあるわけでありますが、負けず劣らず離島というものは意味が深いという趣旨の御発言があって、非常に歓迎をするところであります。
 それでは、質問に入りますが、島について企業進出を促すための税制措置が必要と考えるわけでありますが、離島に関してはこういったものはどうなっているか、実務的なことであります。お伺いします。

本東政府参考人 離島振興に当たりましては、産業を振興し、雇用機会の確保を図ることが大変重要でございます。離島における事業者の方々による投資を促進するということが必要であるというふうに考えております。
 このため、離島地域におきましては、製造業ですとかあるいは旅館業といった事業者の方が、機械、装置、こういった設備投資をされた場合におきまして、所得税、法人税につきまして五年間の割り増し償却が適用できる、こういう措置を講じているところでございます。
 さらに、地方自治体が、事業税ですとかあるいは不動産取得税、固定資産税、こういった地方税の課税免除あるいは不均一課税を行われた場合にも減収補填措置が講じられているというところでございます。
 今後とも、こういった措置が活用されますように周知に努めるなど、離島における投資の促進を通じた産業振興、雇用の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。

松原委員 先般の離島振興協議会通常総会の決議にも、離島の実情に配慮した特別区域制度創設をというのが項目としてあったわけでございまして、こういった意味で、特区制度の検討というものは、先ほど大臣も、離島というのはまさに都市のさまざまな特区制度があるのと同じぐらいに日本の国土から見て大事なものであるという御指摘、御示唆をいただいたわけでありまして、こういった特区制度の検討が必要だと考えるが、国土交通省の所管の御認識をお願いしたい。

本東政府参考人 平成二十五年から施行されました改正離島振興法におきまして、地域における創意工夫を生かした離島の振興を図るために、規制の特例措置等に係る離島特別区域制度、こういったものの整備について規定が置かれたところでございます。
 このため、国土交通省といたしましては、地元地方公共団体からの御提案ですとか、あるいは関係省庁の御意見を踏まえつつ、こういった離島特別区域制度の創設の可能性につきまして、検討、分析に努めているところでございます。
 引き続き、地元地方公共団体からの御提案ですとか御要望を伺いながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

松原委員 今、御答弁の中に、地元地方公共団体からの要望、提案を聞きながら検討していきたいと、また前向きな御答弁をいただきました。
 冒頭、太田大臣からお話がありましたように、離島という部分の戦略的な意図というのは極めて大きいわけでありまして、その意味において、離島に企業を誘致し、先ほどのウ離島のようなことが、売却をしたいなんという話になって、中国企業が手を挙げる。結局、それは今まだ売られてはいないわけでありますが、そうなるのではなくて、そこで雇用が拡大し、そしてそこに定住が進む、そのためには、法人税の大幅引き下げを含むような、特区制度におけるさまざまな、都市における都市再生制度、都市再生のためのさまざまなものがありますが、これと同じぐらいの大胆な特区制度を創設するべきではないかというふうに思っております。
 大臣の力強い御所見をお伺いいたします。

太田国務大臣 離島振興に当たりましては、定住を促進するためにも、産業の振興、そして雇用の創出、ひいては国境離島を初めとする重要性ということをよく認識する必要があると思っています。
 このため、離島活性化交付金で特産物の開発等を支援するとともに、設備投資に関しまして割り増し償却制度を設けているところでありますが、今御指摘のありました法人税等に係る特区制度につきましては、そうした制度のあり方や、離島で実施する妥当性、効果等について、ここは慎重に検討する必要があるというふうに考えております。
 離島振興を推進するためには、いずれにしましても、産業振興、定住促進、観光交流等に総合的に取り組んでいくという姿勢は強めていきたい、このように思っています。

松原委員 まさに慎重に、これは全て検討を行政がするのは当たり前でありますが、特にこの離島の振興というものに関しては、排他的経済水域等を考えると、戦略的に極めて重要な資源の領域である。その地域が繁栄するということは極めて重要であります。
 かつて、フランスのコルシカ島やまたマン島といった島で、消費税率を内地よりも少し下げることによって産業の誘致に成功したという事例が海外では報告されております。日本の場合は、主税当局が非常にかたいものですから話がなかなか進まないわけでありますが、かたい、かたいと言っているうちに日本の島がほかの国に買収されるようなことがあってはいけないわけであります。
 ぜひとも、その辺は、太田大臣のリーダーシップのもとに、こういった、都市においてさまざまな特区制度があるように、離島においても特区制度を実現したいとお願いをしたいと思っております。
 もう一回御答弁をお願いします。

太田国務大臣 難しいことと、できることというのはあると思います。最大限、私としては、国境離島を初めとするところへの支援ということについて検討をするということを目指したい、このように思っています。

松原委員 国境離島だけではなくて島全体が極めて重要ですので、大臣のお言葉として、国境離島を含む全ての島ということで、もう一回御発言をいただきたいと思います。

太田国務大臣 国境離島も含む離島、島について支援をするという方向性は変わっていないということでございます。

松原委員 次に、小笠原の振興策についてということの中で、今、そこに遊歩道というのがあるわけでありますが、林野庁所管の管理ルートといいますか、これがあるわけであります。現状どのようになっているか、ちょっと時間の都合もあるので、簡単にお答えいただきます。

黒川政府参考人 お答えいたします。
 小笠原諸島の貴重な自然環境、動植物を保護するために、林野庁関東森林管理局では、平成十八年に、小笠原諸島の国有林を小笠原諸島森林生態系保護地域に指定したところでございます。
 ここでは、その生態系保護地域を適切に管理していくために、学識経験者そして地元関係者等で構成する保全管理委員会の意見を踏まえて保全管理計画を策定いたしまして、生態系の保全と利用の調整ルールを導入しているところでございます。
 具体的には、生態系保護地域への立ち入りは、原則として、希少な動植物の生育、生息に影響を及ぼさないよう指定されたルートに限定する、立ち入りに当たっては、希少な動植物の生息・生育環境の保全と利用に関する講習を受講したガイド等の同行を条件とする、そのようなルールを定めているところでございます。

松原委員 この指定ルートでありますが、指定ルートはいろいろな制限を設けて入るというのは当然でありますが、世界遺産になった小笠原としては、世界から人が来たときに、ああ、これはすばらしいというふうに思わせるところまでやはり持っていかなければいかぬ。その意味において、この指定ルートが今、修繕がなされないまま、率直に言えば大変に荒れてきているという報告も地元のさまざまなガイドから聞いているところであります。
 問題は、もともとここは村民が使っていたという歴史的な経緯も含めて、なっているわけであります。私は、新しい開拓をしろとか新しいものをということではなく、現状の指定ルートを維持するための最低限の補修をすることが結果として自然を保護することになるというふうに思っておりまして、その意味において、こういった最低限の現状維持のための補修、このことについての御見解をお伺いします。

黒川政府参考人 指定ルートの指定ですとか、また修繕につきましては、先ほども申しましたように、希少な動植物の生息、生育に影響を与えないようにということで、学識経験者、地元関係者等で構成する保全管理委員会の意見、こういったものも踏まえながら実施しているところでございます。
 農林水産省といたしましては、今の先生の御指摘も踏まえまして、改めて現状を確認した上で適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。

松原委員 次は、国際的な都市間競争についてお伺いしたいと思っております。
 現在、科学技術の進歩があり、地球は狭くなり、そして交通の利便性の拡大、情報網の発展、国境がかつてのように高いものではなくなってきているというふうに思っております。
 そうした中で、都市の位置づけというのが、従来は国家というのは国境がありますから国家の単位で動いていたものが、都市レベルで極めて動き始めてきている。言葉はちょっと極端かもしれませんが、かつてアテナイやスパルタが言っていたような都市国家の時代にある意味では入ってきているのかな、このように思っております。
 そうした中で、国際的な都市間競争が激化をしていて、これは、地球が一回転するのは二十四時間でありまして、一人の人間の活動時間が例えば八時間とすると三つ、地球の回転軸に伴って、地球が経緯によって三つ、四つの地域に分かれる。そうすると、東京のライバル都市というのは東アジアの諸都市になるわけでありますが、そういった都市間競争といいながら、その都市を国家が大きく支えていかなければ、その都市は国際社会における都市間競争に負けてしまう、このように思っておりまして、やはり東京というのは、その意味で日本を牽引していく使命も帯びているというふうに思っております。
 こういったことについて、東京を、さらに都市間競争に勝ち抜き、一定の東アジアにおける第一位の都市のポジションが確定的になるまで国として大いに応援をしていくべきだというふうに思っておりますが、大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

太田国務大臣 国土のグランドデザインを昨年の七月四日に出しましたときも、都市間競争の激化する中で、東京というのは極めて今よりもステージアップしたものが大事であろうと。また、舛添知事も世界一ということを言っておりますが、これから激しい都市間競争という中で、東京がそれを推進するというようなところに押し上げていくということは私は極めて重要である、こういうふうに考えています。

松原委員 国土交通大臣の大変に力強い、東京のパワーアップのための、これは国策というか、国家の他の都市のためにも波及することでありますから、ぜひとも進めていただきたいと思っております。
 なお、多国籍企業は、かつてはアジア統括拠点は東京にありました。今から三十年ぐらい前、私が東京都議会議員をやっていたころには、東京に多国籍企業の全てのアジア拠点が集まっていて、将来どうなるんだと言ったら、それは東京でしょうと言っていたら、いつの間にか東京からいなくなってしまった、そういった大変残念な状況であります。
 こういった競合するアジアの諸都市との間の比較優位をつくるために、規制緩和や特区が今求められているし、行われていると思いますが、そのことをさらに強くしていくというマインドが必要だと思っておりまして、このことについてお伺いいたします。

富屋政府参考人 内閣府よりお答えを申し上げます。
 まず、外資系企業のアジア、オセアニア地域の統括拠点数などを見ますと、日本が例えばシンガポールとか香港等におくれをとっているのは事実でございます。
 こうした中で、東京都が策定をいたしましたアジアヘッドクォーター構想というのがございます。これは、アジア地域の業務統括、研究開発拠点の誘致をふやしていくというのを目指していくものでございますけれども、国におきましても、総合特区制度の活用によりまして、これまで高度外国人材に係る要件緩和あるいは入国審査の迅速化の特例措置などを講じまして、積極的に支援を行ってきているところでございます。
 さらに、最近では、国家戦略特区制度で、昨年五月に東京圏を国家戦略特区に指定しておりますけれども、外資系企業等の開業手続を一元化した開業ワンストップセンターを設置することを初めといたしまして、都市再生、医療、雇用等の分野で規制改革を活用した十八件の具体的な事業を推進しているところでございます。
 今後とも、こうした特区制度の活用等によりまして、規制改革を積極的に進め、産業の国際力の強化あるいは国際的な経済活動の拠点の形成に努めてまいりたいと考えております。

松原委員 次に、インバウンドというのは、東京が都市間競争に大きく名乗りを上げる大きなチャンスを提供する。そのためには、二〇二〇年の東京オリンピック、また二〇二七年のリニアというものもあるわけでありますが、インバウンドをふやす上でビザ緩和の効果は極めて大きいと思っております。三千万人を目指して、インバウンドが実は来るんじゃないかと私は思っておりまして、既に四割増しの昨年度に比較しても、数字を上げているということになっております。
 こういったインバウンド、そしてビザ緩和効果、さらにはオリパラ効果というものについて、観光庁長官ですか、あわせてお伺いしたいと思います。

久保政府参考人 インバウンドの状況でございますが、委員御指摘いただきましたように、日本を訪れる外国人旅行者数は、昨年は年合計で、その前から比べて二九・四%増の千三百四十一万人でございました。ことしは、二〇一五年は、一月から五月までで、前年の一月から五月まで、同期比と比べて四四・九%増の七百五十三・八万人となっており、大変好調な状況が続いています。
 私どもとすれば、まずは、その二千万人時代の早期実現に向けて、五日に決定いたしました観光立国実現に向けたアクション・プログラム二〇一五に基づいて、しっかりと取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 その訪日外国人旅行者数の増加に与えるビザの影響でございますけれども、例えば二〇一三年七月以来、戦略的に実施してきているんですけれども、七月にビザ免除措置をタイ、マレーシアについて行いました。このビザ免除前の一年間と比べますと、タイについては七六%増、マレーシアについても五八%増と、非常に訪日数が増加しております。その意味で、ビザ緩和というのは訪日外国人旅行者数の増加を図る上で極めて重要な手段であるというふうに認識をしております。
 オリンピック・パラリンピック、二〇二〇年でございますけれども、私どもとすれば、これはインバウンド増加につなげていく絶好の機会であるというふうに考えております。
 先ほど申し上げましたアクション・プログラム二〇一五でも、まずはリオデジャネイロ大会後、そして二〇二〇年オリンピック・パラリンピック、そしてその後、三段階を考えて、それを観光振興の加速につなげていきたいということで、重要な柱として位置づけております。
 具体的には、二〇一六年のリオデジャネイロ大会直後から、世界じゅうで、二〇二〇年オリパラ開催国日本、こういう大変国際的注目を集める段階に入ると思いますので、その国際的注目度を生かして、戦略的な訪日プロモーション等を実施してまいりたいと思います。
 一方で、先ほども申し上げましたけれども、二千万時代に備えた受け入れ環境の整備も早急に実施をしていく必要があるというふうに考えています。
 いずれにせよ、絶好の機会でございますので、政府だけではなくて、民間の多くの方々と一体となって、オール・ジャパン体制で観光施策に全力で取り組んでいきたいと思います。
 二〇二〇年、その先、リニア開業、東京―名古屋の開業でございますけれども、これは、内外からの観光客の移動を活発にする、当然のことでございますが、さらには沿線地域に旅行者を呼び込むという観点からも意義があるものと考えています。
 また、そもそも最先端技術を結集したリニア開業そのものが、それ自体が内外からの観光客を引きつける、世界に誇る強力かつ魅力的な観光コンテンツになるというふうにも考えております。
 それぞれの観点から、そもそもリニア中央新幹線が、その超高速性によって国土構造に変革がもたらされる、これは国土のグランドデザイン二〇五〇にも書かれているところでありますけれども、そういった考え方も踏まえながら、リニア開業と今後の観光戦略の連動を図ってまいりたいというふうに考えております。

松原委員 こうした中で、インバウンドの要素として、日本食やショッピングなどがアンケートで出ておりますが、エコツーリズムのみならず、ビューティーツーリズムなどがリピーター獲得に不可欠な要素だと考えております。こうしたものについて、どのように国土交通省は捉えているのか、お伺いします。

久保政府参考人 委員から今、ビューティーツーリズムについてのお話をいただきました。
 このような新たな観光資源を活用して、体験型、交流型の、ニューツーリズムと言っていますけれども、ニューツーリズムを振興することは、観光旅行者の多様なニーズに応えるとともに、新たな観光需要をつくっていくという観点から重要な課題であるというふうに考えています。
 観光庁においては、例えばエコツーリズムだとかロケーションツーリズムだとか、これはドラマだとか映画の舞台になってもらうという意味ですが、あるいは最近では酒蔵ツーリズムだとか、こういったテーマ別にいろいろなツーリズムがございますが、関係の方々と一体となった協議会を設置して、その支援に努めておるところであります。
 先ほどのビューティーツーリズムでございますけれども、非常に興味深い話だと私どもも考えております。ただ、現下ではさまざまな課題も一方であるというふうに認識しています。安全上の問題だとか、例えば無資格者によって施術がなされているという実態もあるようでございますので、海外からの観光客が適正な事業者を選択する、その意味では困難さもあろうかと思います。
 私ども観光庁といたしましては、関係法令、さまざまな法令がございますが、所管する厚生労働省さん等を中心に、安全、安心なマーケットをまずつくっていただくことが何よりも肝要ではないかというふうに考えておる次第であります。

松原委員 航空局長にお伺いします。
 飛行場は極めて重要な要素であります。航空局長におかれては、二〇二〇年に向かって、これは八十数万、成田、羽田でとなっておりますが、将来的には百万回を超える空港というのを日本は目指すべきだと思っております。心意気をお伺いします。

田村政府参考人 首都圏空港の機能強化、これは、増加する訪日外国人旅行者の受け入れ、それから我が国の国際競争力の向上、そして二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックへの対応等の観点から必要不可欠であるというふうに考えております。
 首都圏空港の発着枠につきましては、昨年度に年間七十五万回化を達成いたしました。現在は、羽田空港の飛行経路の見直し等によりまして、二〇二〇年までに約八万回増枠とすることを目指し、関係自治体等との協議を進めているところでございます。
 しかしながら、諸外国の主要空港と比較しますと、現在はパリと同程度でございますけれども、ロンドン、ニューヨークなど、年間百万回を超えている都市もございまして、中長期的にはさらなる発着枠拡大が課題となっております。
 このため、先般、学者、専門家で構成する首都圏空港機能強化技術検討小委員会で取りまとめられました二〇二〇年以降の技術的方策についても検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、我が国の将来を見据えて、今後とも首都圏空港機能強化に全力で取り組んでまいりたいと思います。

松原委員 次に、スーパーメガリージョン効果ということで、将来的に、二〇四五年ですか、大阪までリニアが行くと、一時間で行ける圏内に、五千万、六千万というそれなりの富裕層がいる日本で人が束ねられる、これはもう世界で初めての出来事で、どういうことがそこで生じるのか、今は想像できないぐらいだろうと言われております。
 これに向かっての気宇壮大な構想、夢を大臣に語っていただきたいと思います。

太田国務大臣 余り夢を語らない、そうした人生観に私は立っていますが、ここは想像することが十分できないような、世界で初めてスーパーメガリージョンというのがやってくる、ですから、朝起きてすぐ東京に出勤するということすらできる、こういうような時代がやってくるということだと思います。かなり劇的な日本の変化と、日本の魅力というものを出していけるという時代が来るんだというふうに思います。
 私は、そのスタートということについて、しっかり頑張っていきたいというふうに思っているところですが、航空の関係の話もありましたが、意気込みというのはあるんですけれども、意気込みを現実に、着実にというこの踏み込みの力強さというのが今私は大事なことだと思っておりまして、踏み込むことについては得意の方でありますから、第一歩の踏み込みをしっかりしたい、このように思っております。

松原委員 何かやはり人間は大風呂敷を広げるところからエネルギーが出てくる、これは私の哲学でありますから、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。
 都市局長は何かありますか。よろしいですか。
 それでは次に、拉致問題に入ります。
 この拉致問題に関して時間が余りなくなってしまったんですが、今回の延長に際して、なぜストックホルム合意において制裁緩和した人道支援目的の船は緩和されたままなのか、簡単にお答えください。

伊原政府参考人 御指摘の緩和措置につきましては、北朝鮮が拉致被害者を含む全ての日本人に関する調査を包括的、全面的に実施すると約束をして特別調査委員会を立ち上げたのに合わせてとられたわけでございますが、三月三十一日に、この大もとの入港禁止措置が二年間の期限を迎えたときにこの例外措置についてもあわせて延長するということにいたしました。
 しかし、こういった措置を含めて北朝鮮に対する措置につきましては、拉致問題を初めとする諸懸案の包括的解決に向けた北朝鮮による具体的行動の有無を踏まえて不断に見直しを行っていきたいと考えております。

松原委員 伊原さんをここで詰問してもしようがないわけでありますが、ちょっとこれは大分認識が違う。
 人道支援のものに関して一言言えば、これは我々も脱北者と会って話したときに、人道支援物資はそれを必要とする人に行っていないということの証言を明確に得ておりまして、もちろん、だからといって一〇〇%そうかというわけではありませんが、実際に人道支援物資が行っていない可能性が高いというところは認識をしております。そのことも最初に申し上げておきます。
 時間が残ったときに、この辺をもう一回、拉致対も含めて詰問していきたいというふうに思っております。
 まず最初に、三月に日本に入域した北朝鮮船舶の問題をお伺いしますが、これがかつて国連安保理北朝鮮制裁委員会によって制裁対象とされた会社の船であったということは認識していたのかどうか、お伺いします。

伊原政府参考人 まず、御指摘の件につきましては、海上荒天のための緊急入域でございまして、船舶が入港したものではございません。
 それから、政府としては、この船舶が国連安保理決議に基づく制裁対象の関連船舶であるということを踏まえた上で、関係省庁間で緊密に連絡をとりつつ、国内法令に基づいて立入検査等の適切な対応を行いました。その際、特異事象は確認されなかったというふうに承知をしております。
 また、本件を含めまして、国連安保理決議に基づく措置を日本は着実、適切に実施してきておりまして、この観点からも、今回についても関連する情報を関係国、国連に遅滞なく共有して、引き続き関係国、国連と緊密に連携協力して適切に対処していきたいと考えております。

松原委員 海上保安庁長官にお伺いしますが、海上保安庁は最初にそれを発見したとき、そのことを認識していたのか、さらには、その船に関して徹底的な検査を行ったのか、お伺いいたします。

佐藤(雄)政府参考人 同船につきましては、事前に外務省から国連安保理決議に基づく制裁対象の関連船舶であるとの情報提供があり、内閣官房や外務省等の関係省庁と情報共有を図るなど緊密に連携し、対応策の検討を行いました。その検討結果を踏まえ、これまで以上に厳正かつ綿密な立入検査を行っております。

松原委員 余り枝葉末節を聞きたくないんですが、どのぐらいの時間、何人ぐらいでやりましたか。

佐藤(雄)政府参考人 海上保安庁では、二〇〇六年十月十四日の北朝鮮制裁措置を開始して以来、北朝鮮の船舶が我が国の周辺海域に緊急入域した隻数というのは五十六隻に上っておりますが、今回はこれまで以上に多数の人員と長時間をかけて厳しい検査を行っております。

松原委員 ここはちょっと、今はいいですよ、今ここで問い詰めるのではなく、具体的な数字を後で教えてください。
 僕はどうも、さっきの伊原さんの話も本当かなと思う節があるんですよ。
 今回、米国に山谷大臣が行って、向こうでそのとき、関係者も行ったときに、アメリカ側から何で日本はこういう船に関して安直な扱いをしたんだというニュアンスの批判、指摘があったということを私は聞いておりまして、それはそれを発言した米側の認識不足だ、こういうことでいいんですか、伊原さん。

伊原政府参考人 今回の事案のような緊急の事案、これについて国連安保理決議上どういう義務を各国が負っているかということについては、必ずしも明確に定まっていないところがございます。
 今後、関係国等とも意見交換を行って、より効果的な安保理決議の実施に向けて努力をしていきたいというふうに考えております。

松原委員 何かそういう教科書みたいなことを言ってちゃだめなんだよ。日本が当該国なんだから、国連の安保理決議ではこういう義務がありませんとかありますとかを聞いているんじゃないんです。本気でやる気が北朝鮮に伝わっていないから、伊原さん、日本はストックホルム合意の履行においても非常に安直な扱いを受けているんじゃないですか。それを今みたいなことを言ってちゃ、これをまた聞いたら、北朝鮮がこれをどこかで見たら、ああ、これは大丈夫だ、何もやらなくて日本は大丈夫だと思いますよ。
 伊原さん、僕は余り言いたくはないんだけれども、もう少し気合いを入れてやってもらわないと。少なくともこの場では気合いを入れて発言してもらわないと。義務的にこれでいけますよみたいな話ではしようがないと思うので、もう一回。

伊原政府参考人 委員御指摘の、アメリカ側が今回の日本の対応をどう評価しているかということに関しては、今申し上げましたように、安保理決議の解釈の中で十分定まっていないところがある、したがって、こういった問題については安保理においてよく検討して、各国が共通した強い立場で臨むようにしないといけない、そういう姿勢で日本としても対応しております。

松原委員 各国が協調しては大事だけれども、日本は特出ししてやらなきゃいかぬのですよ。
 だから、この行動に関して、米側に行った人から直接聞いた話では、日本は本気で北朝鮮の制裁をし、この問題が解決しているように見えないというふうなコメントがあったと聞いているから、では、そのコメントは向こうの認識違いなんですねと聞いたんですよ。認識違いだったら認識違いと言ってくださいよ。

伊原政府参考人 日本は北朝鮮の船舶の入港禁止措置をとっておりますけれども、アメリカはそういう措置をとっていない。したがって、日本は極めて厳格に、北朝鮮との関係で、その関係を律している、そのことは米国にも常に明確にしてきております。

松原委員 時間が来たので終わりますけれども、ちょっとおかしいよね。認識違いだったら認識違いと言えばいいんだよ。言えないでしょう。きちっと伝わっていないんですよ。
 先ほど、外務省と保安庁はきちっと連携したと言うけれども、それは連携はしたんだと思うけれども、本当にそうだったのか、どの程度の連携だったのか。こういったことを米側も見ているし、それが日本の拉致に対する真剣さなんですよ。ストックホルム合意だって、それから何も進んでいない。このことに関して、本当はもっと掘り下げて、きょうは拉致対からも来ているので質問したかったが申しわけない、時間がなくて。
 これは、もうちょっときちっとした、例えば民主党が出した申し入れは、向こうに対して、期限を設定しろ、ストックホルム合意の破棄も含めて検討しろと。これぐらいの勢いでやらなかったら、北朝鮮は日本に対して、こういう表現を使いたくないけれども、極めてなめた態度でやってくる。
 ストックホルム合意の破棄も含めて、一定の何か申し入れを期限をつけてして、そして検討するぐらいのことをここで答弁できますか。

今村委員長 外務省伊原アジア大洋州局長、時間が来ていますので、端的に言ってください。

伊原政府参考人 拉致被害者の一刻も早い安全な帰国に向けて、どのような対応をするのが最も適切かということを考えて対応していきたいと思います。

松原委員 終わりますが、この部分はエモーショナルな感情が入らなければ解決できませんよ。一言言っておきます。
 終わります。


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