抗がん剤治療中の父。
私は17年の看護師生活の中で、抗がん剤治療に携わったことがありません。
※正確には1年目の時に2回ありますが、無いに等しいのです。
抗がん剤治療の院内研修を受講していましたが、臨床経験がないので知識、経験ともに乏しく、Google先生に教えてもらいながら父のケアをしています。
講義の資料は引越しのバタバタで行方不明なんです今こそ使うべきなのに💦
抗がん剤の副作用といってすぐに思いつくのは、吐き気、便秘、脱毛、手足症候群、骨髄抑制ぐらい。
父は吐き気がなく、食事も普通に食べられています。その他の症状もあまり酷くはありません。
抗がん剤の種類にもよるのでしょうが、骨髄抑制はかなり強くでています。
先週、Hb(貧血の数値)が8.8mg/dlでした。
診察後に検査データの紙を見て、おったまげましたこの数値で抗がん剤投与のGOサインが出ていたので、看護師さんに質問しました。
主治医に確認してくれましたが、OKだそう。
この数値で抗がん剤を投与したら、さらに貧血になって心不全とかになりませんの⁉︎
循環器内科や消化器内科の感覚だったら即輸血です
活動性の出血じゃないからいいのか⁉︎とか頭の中がグルグル🌀グルグル🌀(©️西園寺さんは家事をしない)
これが抗がん剤治療の世界なのか…とビビりたおしながら外来治療室へ行きました。
先週の抗がん剤投与後、案の定、貧血によるものだと思われる倦怠感でグッタリしています。
抗がん剤治療による骨髄抑制で好中球が減少するのは救急病棟で経験しているので、好中球の数値には驚かないんですけどね。
抗がん剤→造血剤2回皮下注射→抗がん剤が1クールなのですが、今回は造血剤を投与してもグロッキーです。
8クールのうち、まだ3クール目でこの状態はかなり厳しいように思います。詳しく知らんけど
タイトルにした細かい事が気になるというのは、初回の抗がん剤治療で入院した際の入院診療計画書と、とある日の外来看護師の対応です。
入院診療計画書は診療報酬に関わるので、必ず作成し、患者に説明してサインをもらう必要があります。
感染対策のため病棟に家族は入れないので、父がサインをしました。
先日、貧血の経過を調べるために過去の書類を見返していたら、入院診療計画書のミスを発見。
抗がん剤の種類が違うーーー💦💦💦
入院直前の検査で抗がん剤の種類を変更しましたが、それにしたって印刷して説明する前に看護師が確認するはずです。クリニカルパスだろし、レジメンだってPCですぐに見られるので、看護師は気づくべきです。
緊急入院の場合、入院後に治療方針が変わることがありますが、予約入院ですからね。
インシデントレポート案件。
外来看護師の対応は、前回の抗がん剤投与後に腰痛を訴えたので、抗がん剤治療中の相談窓口に電話した時から始まります。
電話で症状を伝えると、「抗がん剤の副作用に腰痛はありません。ご高齢者ですから腰痛くらいはあるでしょう。近くの整形外科を受診して下さい。」と言われました。しかも半笑いで。
わたくし、知識薄並びに経験薄ですけど腰痛を副作用だと思っていませんの。
なぜ、近所の整形外科を受診せずに電話したのかというと、
・今まで腰痛なし
・高齢者でステロイド投与中→骨が脆い
・転倒などの外傷なし
・間欠性は行なし→脊柱管狭窄とかではない
・発熱なし→化膿性脊髄炎、腸腰筋膿瘍などの炎症性疾患の可能性は低い
ですが、免疫力が低下しているので、万が一でも腸腰筋膿瘍とかだったら一大事です。
外傷ではない腰痛で近所の整形外科を受診した場合、とりあえず湿布とNSAIsを処方して経過観察と言われる確率が高いと思います。
NSAIsで腎機能が悪化してがん治療に影響したら困ります。まずは状態がわかっている主治医に相談し、異常がなければ近くのクリニックに行くほうが安全だと思ったのです。
造血剤投与の日に予約外受診を希望しました。
その時の外来看護師は、“うち、3次救急病院なんですけど。年寄りの腰痛ごときで診察とかありえません”と態度に現れまくりでした。父が「すみません」と謝り出したため、娘が出動🙋♀️。
上記のアセスメントを感情的にならず淡々と伝えまして、無事に医師の診察を受けることが出来ました。
医師は検査をしてくれ、やはり骨がステロイドによってスカスカ(骨折の手前)になっているとの診断でした。アセトアミノフェンと湿布が処方になり、転んだら確実に骨折するので、その時は救急車で搬送して良いというお墨付きまでもらい帰宅しました。満足。
診察後、当該看護師に「本当に骨だった。腰が痛いのに最後にしちゃってごめんね。」と笑顔で言われ、私の神経を逆撫でました。
許さないっっっ(©️菊池風磨)
私が勤めていた病院では、がん治療をしている場合、他の症状が出たら院内の専門診療科にコンサルトしていました。状態のわからないクリニックに行ってがん治療に影響が出ないようにするためです。
父の電子カルテの掲示板には、『娘、対応注意』と書かれたでしょう。
カスハラはダメ!絶対!(©️田村淳)
でも、患者も命がかかっているのです。
医療者と患者の双方が信頼を築いていきながら治療していけたらいいですね。
医療従事者のちょっとした言動で信頼関係が崩れてしまう事があると改めて思います。
患者側になって学ぶことが多いです。