少し前、イギリスのキャサリン妃が入院した病院で、情報漏洩未遂があったとの報道があった。
あちらの国はパパラッチがなりふり構わず情報収集しているのだろう。
うちのように田舎の病院にVIPが入院するなんて事は、まずない。
しかし、今日、正面玄関に病院局長、院長、副院長、総務課長が勢揃いして一台の車をお見送りしている場面に遭遇した。
このVIP、入院前の隠密受診は徹底されていた。
受診日には医事課長が付きっきりで采配。
入院前支援センターの説明も副師長が最上階にある迎賓室に出向いて実施した。
カルテは鍵がかけられており、許可された人物しかアクセス出来ない。
そこまでして隠密治療をしたのに、退院は正面玄関から盛大に…
治療が成功したんだな、と悟る。
実際のところ、隠密受診や隠密治療は難しい。
どこからか、意図しなくても必ず情報は漏れる。
うちの副師長は堂々と診療パスの準備をしていたので、末端職員の私は電子カルテにアクセスせずともVIPの治療内容を知るに至った。
キャサリン妃の病名や治療内容は現段階でもマスメディアに漏れていない様子。
VIPの受け入れに慣れている病院の隠密ぶりは流石としか言いようがない。