焙煎理論4

 

焙煎の原理原則

焙煎の原理・原則、これを把握していないとまともな焙煎はできません。

焙煎の原理原則は

1.熱は高いほうから低いほうにしか伝わらない。

2.豆の間に熱風(熱量)を通すこと

この2点になります。

 

1.熱は高いほうから低いほうにしか伝わらない。

 

焙煎機で焙煎する際、予熱を加えて焙煎機に熱量を蓄熱します。

これはなぜかというと、焙煎機が冷えているで焙煎を開始すると、バーナーから発生する熱量の一部が焙煎機に吸われるからです。

バーナーから発生した熱量は、バーナー→ドラム→豆という風に伝わります。

この際に予熱を加えていなかった場合、バーナー→ドラムの部分にて一定量の熱量が吸収されるため、豆に到達するまでには熱量が減少しています。

こうなった場合は焙煎時間が長くなってします。

焙煎時間が長くなると豆が熱風にあたる時間が長くなるため、味が抜けやすくなります。

これを解消するために最初から火力を強めた場合、今度は豆の表面温度が高くなってしまいます。

 

(例)豆表面温度が高くなった場合

 

    バーナー熱量(300℃) 豆表面温度(300℃) 豆内部温度(100℃)

    バーナー熱量と豆表面温度が同じため、バーナー熱量が豆に移動することはありません。

    そのため、豆内部温度はほぼ上がらなくなり芯残り(生焼け)が発生します。

 

予熱を加えて蓄熱した場合にはバーナー熱量が焙煎機に吸収される比率が少なくなり、また焙煎機に蓄熱した熱量を焙煎に利用することが可能となります。

 

 

2.豆の間に熱風(熱量)を通すこと

 

 焙煎機製作の基本となります。

 

バーナーから横に1mほど離れた場所で焙煎機を回しても、豆を焙煎することはできません。

これは豆の間に熱風(熱量)が通っていないからです。

 

バーナーから発生した熱風はバーナーの構造にもよりますが、基本的に真上に上がります。

真上に上がった熱風はドラムを通って排気口を通って外へ排出されます。

この発生した熱風は通りやすいところを通るという特性を持っています。

焙煎機に生豆を入れたとき、豆が熱風の通り道の抵抗となります。この際にドラムと焙煎機の外装に隙間が大きく開いていた場合、熱風の大半はこの隙間を通ることとなります。

熱風の大半がドラムとの隙間を通った場合でも焙煎をすることはできますが、豆に加わる熱量が弱まるため、弱い味(抜けた味)となります。

これを防ぐためにドラムと外装の間はできる限り隙間が狭い構造となっています。

 

業務用焙煎機ではこの点は考慮されて制作されていますが、自作品やどこかのコーヒー屋が適当に制作した焙煎機ではこの点が考慮されていないことがあります。