消滅時効の援用 | 弁護士松岡邦佳のブログ

消滅時効の援用

こんにちは。

 

弁護士をしていると、消費者金融から昔借金をしていたが、貸し借りがないままに長期間経過していた。最近になって訴訟を提起された。どうしたらよいかという相談があります。

相談者としては長い期間何の音沙汰もないのに突然訴訟が提起されたとのことで、慌てて弁護士に相談するというケースです。

元本が50万円であっても、遅延損害金(支払いが遅れたことによって付加される損害金の割合)が年20%であるとすると10年経過すると

50万円×20%=10万円(1年間の遅延損害金)

10万円×10年分=100万円

100万円の遅延損害金がついていますので、合計150万円の支払いを求められることになります。

 

50万円の借金が150万円になっているということは300万円の借金は900万円になっているということになっており、皆様「そんなにお金を借りていない」とおっしゃられますが、そもそも借りるときの契約でそのように計算すると決まっております。

 

こんなんとき、弁護士はまず借金が消滅時効の援用により支払わなくてよい状況にならないか検討することになります。

 

消滅時効の援用により借金がなくなるか否かについてはその要件を満たすかどうかの判断が必要となります。

また、消滅時効を完成させるためにはただ黙っていればよいのではなく援用という手続きが必要です(通常内容証明郵便で相手に通知することになります)。

いずれにしても、長期間にわたり借金を支払っていないケースで消滅時効の援用をお考えであれば専門家に相談することをお勧めします。

 

なお、訴訟を提起されて消滅時効だからとほおっておくと消滅時効が認められず支払い義務が残ることになりますので注意してください。