相続対策⑥(遺言を書く) | 弁護士松岡邦佳のブログ

相続対策⑥(遺言を書く)

相続対策⑥です。財産の分け方の希望がはっきりしたら次はその希望通り分けるためにどうすればよいかということになります。

基本的には生前贈与をするか遺言を作るかということになります。

 

遺言には基本的に①自筆証書遺言と②公正証書遺言があります。

自筆証書遺言とは、自ら手書きで作成する遺言で、公正証書遺言は公証人役場で公正証書で作成する遺言を言います。

どちらの遺言も効力に違いはありません

①自筆証書遺言は自分で手書きすることにより作成できますので手軽で費用もほとんどかかりません(紙と筆記具と印鑑くらい)デメリットとしては遺言の形式がきちんと守られていなければ無効とされてしまうことや偽造や未発見のリスクが高まるということでしょうか。

②公正証書遺言は公証人役場で作るため公証人に費用がかかりますが、遺言者の希望通りの遺言を公証人が作りますので無効とされる可能性が低いこと、偽造等の恐れがないことがあげられます。

 

弁護士の意見としてはこれまでに様々なトラブルを見てきていますので、費用はかかりますが公正証書遺言を作成することをおすすめします。

 

希望の通り財産を分割する方法として生前贈与の活用があります。

ただし、この場合は生前贈与は原則として特別受益の対象になることから、特別受益とならないように持ち戻し免除の意思表示を行う必要があることと、贈与税がかかる場合があることから贈与税対策も併せて行う必要があると思います(相続時精算課税の制度の適用の有無)。

 

相続対策においては、単に希望の通りに遺言を作るのではなく、いろいろな関係法令を考えながら、より問題のない方法をとる必要があります。