理系弁護士(理系であることのメリット) | 弁護士松岡邦佳のブログ

理系弁護士(理系であることのメリット)

私は、現在弁護士をしていますが、法学部出身ではありません。

出身大学が東京理科大学であることを言うとなぜ弁護士をしているのと必ずと言っていいほど聞かれます。

20年以上前に修習をしたとき(53期)、理系の出身の集まりがありましたが、その時修習生約800名中理系は約20名くらいだったと記憶しています。

 

これまで理系出身として弁護士をしていて理系であったことの良いところ悪いところを考えてみます

理系であったことの良いところは数字に強い統計に強い点です。

数字に強いというのは単に計算が速いとか正確である点ではありません。(当然計算機のほうが速く正確)おそらく会計などに顕著に表れると思うのですが、数字のごまかしに気づきやすいとか統計のからくりに気づきやすいと思います。関連した数字があれば一つ数字をごまかすとすべてに影響を与えるため数字のごまかしに気づきやすいのです。

例えば 3+5+7+9=24という数式があります。

7を11に入れ替えると 3+5+11+9=24になって左辺と右辺が釣り合いません。これを正確にごまかすには24も28に入れ替える必要があります)。

これはあくまで簡単な例なので7も24も置き換えるのは当たり前のように感じますが、現実には7だけ置き換える人が多く、またもっと複雑な計算式になるといくつも置き換える必要があり困難を伴います。(この理屈はうそを明らかにすることにも応用できます)

 

また、物理の法則や化学の法則のある程度知っているため、(すべてわかるわけではありませんが)交通事故などの衝突に関しどのような状況で事故が起こったのか想像しやすいこともメリットだと感じています。

 

逆に理系で苦労した点は、私立理系であったこともあるのですが文章作成能力や漢字には受験時代には相当苦労しました。(受験自体は他の受験生よりも論文を書きまくっていたと思います)

とはいえ、法律の文章も数式も同じ論理であり、数学の証明をいくつも行ってきたことからすると、数式から文章に変わったに過ぎないと今は思っています。

論理の飛躍をせずに一つ一つ論理を積み上げていくという意味では法律も数学も変わらないと思います。