こんにちは。

今年ももう年末ですね。



スケオタのクリスマスといえば、な全日本選手権を観に行きました。

今年は3日目(土曜日)と4日目(日曜日)を観に行きました。


備忘録として、感想の掃き溜め場として、ここを使わせてください()




【ペアフリー】

リザルトはこちら↓


1. 長岡柚奈/森口澄士組

現地一発目の演技にして度肝を抜かれた演技でした。
現地で見たのは東日本ぶりで、約1か月半前。

あの時の構成は
2Tw、3Lo、5ALi、2LoTh、BoDs、3Lz、5RLi、ChSq、2STh、3Li、PCoSp

そこから今回の構成が
2Tw、3Lo2A2A、5ALi、3LoTh、BoDs、3Lz、5RLi、ChSq、3STh、3Li、PCoSp

3Loの後に2A2Aの大砲を引っさげ、スローが全部3回転にバージョンアップ、デススパイラルが前回のノーバリューからレベルベース(B)へレベルアップ、5ALiのレベルが3→4、3Liのレベルが1→4にアップ

TESが34から65(+31点)に、という脅威の伸び幅だった、正に神演技でした。


何よりスピード感があって、ふたりの息が合っているのが伝わってすごく嬉しかったです。

長岡さんと森口くんはシングルの時代に何度か演技を見たことがありますが、特に長岡さんは今季森口くんと組んでペアをやったことで身体のキレがすごいことになったなあ…という感想です。


座っていた席的に3Lzがこちら側に向かってくる感じだったんですが、その助走の短さと、跳び上がりのムダのなさ、アウトエッジぶり、ジャンプとしてのバランスが過去一のものに見えました…!

長岡さんひとりでは見られない景色、見られない点数が、森口くんと一緒なら見られるんだろうな~としみじみするフリーでした。


このふたりはどこまでいくのかな、長くこのふたりでペアする姿がみたいな、と切に願う、そんなフリーでした。


ちなみにフリーの技術点65.31って今年の世界選手権だと8位相当の点数なんですね。こわ。
はるすみの時と同様、サイドバイサイドの破壊力がとんでもないこと(3Lo2A2A+SEQと3Lz)と、リフトのレベルがこの時点で取れているのがその大きな要因になっていそうですね。

森口くんのペアとしての安定感もすごいし、長岡さんが「上げ慣れている」こともすごい。
あんな高いところで手で上げられてあんなポジション取れるなんて…想像しただけでガクブルものですが……
NHK杯の時に言っていたように森口くんに対する安心感があるからこそなんでしょうね。

バヴァリアンでのミニマム獲得、そしてワールド出場が叶うといいなあ…!!!

今後がすごくすごく楽しみなペアでしたし、確かにりくりゅうに続く存在だなと感じたフリーでした!!




【男子フリー】


1. 蛯原大弥

3A、3Lz3T、3F!、CCSp3、3Lo、3Lz2A2T+SEQ、2A3T<、3S、FSSp4、ChSq1、StSq3、CCoSp4

今大会男子シングルで新人賞を獲得した選手。
大弥くんはなんと言っても「技術的な癖のなさ」が個人的にとても好きで、全てとてもプレーン。

ショートは緊張もあってか、3Aが上手く上がっていなかったところ、フリーでしっかり入ったことで勢いがついていった印象でした。

男子選手は3Loが苦手な選手が多いような気がするけど、最近のジュニア選手って皆3Loうまいよね。
大弥くんの3Loも高さがあってすごく好きな3Lo。

スピンのレベルも全て予定したレベルが取れていたし、難しいことをしても安定しているのがすごい。
そしてステップも3が取れていて(ジュニア推薦で取れたのは田内くん、蛯原くん、珀琉くんの3人)、この全日本のために作った、普段はないエレメンツでちゃんと点数が取れていて素晴らしいですね😃


2. 田内誠悟

3Aq(F)、3F、3Lze、FCCoSp4、3Lo2A+SEQ、FSSp4、3F2T、3S、2A1Eu3S、ChSq1、StSq3、CCoSp2

3Aを全日本でも投入しましたね…!
すごくいいジャンプだったので、着氷が堪えられたら加点がかなりもらえそうなジャンプになりそう!

その後、+3Tがダブルになってしまった以外はほぼノーミスの演技でした。
2番目で見ていいとは到底思えないスケーティングの伸びやかな選手だと思っていて、それがPCSにも現れていました(全項目平均して高いけど、その中でもSKが一番高い)。

田内くんもクセがない上にスピンが上手い選手。
というよりもしかして今どきの若者ってクセ、ない……??

3Lzのエッジも響いて点数が伸びきらなかったけれど、3Aがすぐそこにきているし、今後どれだけ伸びていくのかすごく楽しみな選手のひとりですね…!!


3. 木科雄登

3A<<(F)、3Lz!、2A3T、3S2A2T+SEQ、FCSp4、StSq3、3Fq、3Loq2T、3Lo、ChSq1、CSSp3、CCoSp3

木科くんのプリマヴェーラ、すごく好きなんですよね…
静寂の中に一本の線のように筋がピンと張ったようなプログラム、そこに木科くんの「スピードのある中から減速せずに跳べるジャンプ」が上手くハマっていて(減速してジャンプを跳ぶタイプはこの曲に置いていかれそうなイメージが勝手ながらあります)、いいなと思いながら見ています。

というより、爆走の中から3Loが跳べる人がこのプログラムの最適解なのか??????(ex:爆速でイーグルをしながらタンバリンをシャンシャンするお嬢様)

あと、中盤3Fの着氷とともに曲調が変わるところもジャンプの表現としてすごく好きです!!

大学院になっても続けてくれるとのことで、これからの木科雄登くんがすごく楽しみですね😆😆
現役続行、スケオタにとってこれを超える四字熟語はないんや。


4. 垣内珀琉

4Tq、3Lo、3Lz3T2T、FCSp4、3F2A+SEQ、3S<、2A、StSq3、3Lz2T、ChSq1、CSSp4、CCoSp4

代名詞にもなりつつあるWake me up。
4Tを入れても大崩れしなかった、それが世界ジュニア代表を掴みましたね😆

今季はスケーティングの伸びか、スピンの成長か、何が良い要因なのかは分かりませんが、著しい体力切れを起こしているイメージがあまりないですね🤔

3Aは入っていないにしても、4Tはあるし、5種7トリプル構成を最後までやるのはかなりのスタミナが必要なはずだし、ジュニアとは違いStSqがあるプログラムですが、最後まで大きく疲れを見せませんでした。

逆にですが、これだけの演技内容にして演技構成点が64だったので、来年はもっと密度の濃いプログラムができそうな気がしてきますね!

年明け以降試合が多いけれどケガなく突き進んでいってほしいですね!!


5. 大島★光翔✩

2Lze、3A、3A2T、FCCoSp3V、1Lo、CSSp4、3Lz!q3T、3Fq1Eu3S<、3Lzeq、StSq2、ChSq1、CCoSp2

じいじに捧げる4回転、惜しくもダブルになってしまったけれど全日本で挑戦する姿は(少なくとも)
ファンにはめちゃめちゃ伝わった…!!!

現地で見ていて「上の点があんまりでていないな?」と思ったのですが、3Lzが悲しい結果になっていたんですね。

でも数年前だったらこの着氷で+3Tは付けてないな、+1Eu3Sは付けていないな、というところを攻めきったところ、後半全部締め切ったところにガッツを感じました。

このプログラムは魅せるプログラムだけど、スケーティングの伸びとか、スピンの構成が上がっていることとか、立派にシニア男子をしているなとしみじみ感じるプログラムだと思います。

ちゃんと毎年毎年上手くなっているって、本当にすごいことだと思うから。
全日本での悔しさを年明け以降晴らしてほしい!
インカレ国体(かな?)と光翔くんの大好きな団体戦が続くから、アツく盛り上げていってほしい!


6. 高橋星名

3A2T、3Lze2T2A+SEQ、3Aq(F)、3Lo、FSSp4、3Sq3T、ChSq1、CCSp3、3Lze、3F、StSq2、CCoSp3V

全ジュニでも思ったんですが、シーズンを通して3Aを完成させてきましたね…!
夏の大会の頃に比べると高さが出て、回りきって降りてくるジャンプが増えてきたと思います。

星名くんは現時点でできることはMAXでやっている(できている)のが本当にすごくて、丁寧に演じる、ここはこうやる、この時はこうする、をちゃんと考えて演技しているのが伝わるのがすごい。
ジュニア1年目でその落ち着きは何なんや。ある意味スケート界の芦田愛菜さんでしょう。

これから身体が大きくなってジャンプの制御が難しくなるかもしれないけど、それと引き換えに大きなスケート、ダイナミックさを手に入れるだろうから、それがきっと星名くんにとって大事な大事なピースになるはず、これからどう開花していくのがめちゃめちゃ楽しみです…!!!

てか、お辞儀の時のリンクカバーが大きい、いやお辞儀にリンクカバーの概念持ち込むなやって話なんですが、絶対歴代最高を更新しています。サブリンク以上はカバーしてるはず。おめでとうございます(かわいい)。


7. 片伊勢🌹✨武🌹✨アミン🌹✨

3A、3Lz!2A+SEQ、3Lo、CCoSp4、StSq2、3A<2T、3S3T、3Lzq、3F<、SSp4、ChSq1、FCCoSp4

片伊勢くんにTree of lifeは混ぜたらサイコーだし、片伊勢くんに鈴木明子さん振り付けは混ぜたらお歳暮なんですよね。

冒頭が3A単独だったので、手堅く3Aは1本でいくのかなと思いきや、後半にコンビネーションでもう一本。
雅でふわふわな印象とは裏腹にアスリート精神がすごくて最高。

あと男子で単独シットはかなり珍しいですね(2.3級くらいのカテゴリーではよく見ますが7級男子様の単独シットは初めて見たかも?大体皆さん足を換えます。)。
基礎点がCSSp4に比べて0.5下がってしまうのが惜しいポイントですが、時間的に足換えはできなさそう。

プログラムとしては、なんと言ってもリンクカバー。
恐ろしくリンクカバーが大きい。直線で滑る箇所が見当たらないくらい、常にカーブを描きながら滑ってる。
端から端も円を描きながら。片伊勢くんは3階席で見るとその魅力がすごく伝わるのかもしれないです(近くから見ると香りを振り撒いているような素敵な滑りが堪能できます)(どちらも良いですね)。

今後片伊勢くんを見る時はリンクカバーを気にしてみてくださいって宣伝したくなるくらいでした!!


8. 佐々木晴也

3A1T、3Aq、3Lo<、3F、CCoSp4、ChSq1、3Lz1Eu3S、3Lz2A+SEQ、CCSp4、StSq3、3Tq、FCCoSp3V

晴也くんのロミジュリ、まあエモーショナルですよね。
ここ最近の晴也くんは、「演技への没入度」がすごく高い気がします。緊張とも違う、すごくピンと集中の糸を張ったいい顔をしながら滑っているのを、近くで見て感じました。

(きっとセンター試験(歳がバレる発言)や二次試験もこんな集中の表情だったんでしょうねなどと思ってしまう😇)

晴也くんといえば3Lzガチ勢、3Fに情報がつきがちな印象でしたが、今回は3Fノーマークでした。こうなると敵無しですね。

3Lzよし、3Lo得意、スピン得意
多くの男子が苦手とするものが晴也くんの強みだと思っています。まだまだ進化していきそう、そしてどんな表現を見せてくれるのか、今後も楽しみな選手です(あと晴也くんは京大みがある演技をするから好き)。


9. 中田璃士

2T、3A2T、FCSp4、2A、3Lo、3F1Eu3S、3Lo2A+SEQ、CSSp4、StSq2、ChSq1、3T、CCoSp3V

この流れで璃士くん、とてもフレッシュに感じられました。
3Aが抜けたところくらいまでは乱れが続いていて、大丈夫かな…と思ったところで完璧な3Loと3F1Eu3Sが決まりました。そこからは通常運転。

たまに抜けがあったり、スピンがハマらなかったりはありますが、この年齢にして「大暴れ」することがない、技術的にもメンタル的にもものすごいポテンシャルを秘めているなと感じています。

そりゃあ大激戦のJGPFを勝ち切るだけありますよね。どんな時も200近い点数を確保できる安定感を持っているのが強い。だからこそ難しいことにもチャレンジしていけるんだなと思っています。

スケーティングも綺麗で粗がないし、エレメンツの時の姿勢がすごく綺麗、基礎が本当にしっかりしていて、見ていて気持ちのいい選手ですよね☺️


 10. 杉山匠海

1A、3F2T、3Lo、2A、FCCoSp4、ChSq1、3F!1Eu3S、3Lz3T、3Lz、FSSp4、StSq1、CCoSp3

G線上のアリアからのMechanism。個人的には今季Mechanismがとてもキテいます。
冒頭の3Aは助走からタイミングが合っていないというか、足元がふわふわな感じだったので、こりゃ抜けてもしゃーなしやわ、みたいな感じでした。

そこからはタケノコをすることでうまく高さを出した匠海くんらしさ溢れるジャンプと、広くリンクを使いながらの気持ち良い滑り。

「らしさ溢れる」と言いましたが、あれ、動画を見て研究して自分のものにしたのかな。どう考えても趣味全開で、誰かに教えられたようにはみえないんですが、かといって「見る」ことでコピーができる代物とも思えないんですよね…コピー能力が恐ろしく高いんだろうか……

フリップは一本はロングサイド側へ、もう一本はショートサイド側へ。
ルッツも、一本はロングサイド側へ、もう一本はリンク中央で。
ジャンプの助走が単調にならないのも強みだと思うし、そういう所もPCSの高評価に繋がっているのかな、と思ったり。

タクーシャバナー、国公立とかで振りたいんですが、公式から出たりしないかな~岡大でもよいですが😇


11. 本田ルーカス剛史

3A、4T<<、3F、3Lo2A2T+SEQ、FSSp4、FCCoSp4、ChSq1、3Lz3T、3S、CCoSp4、3Lz2T、StSq4

今大会の個人的MVPです。
シングル最後と決めたシーズンの全日本でこれだけの演技ができたんだもの。

区切りのシーズンのエクソジェネシス、別の選手がチラチラしてしまうのは、信仰上の理由もあるのですが、MHK、あんたのせいや。

ChSqとStSqを入れ替えたら思い浮かぶのは代々木の全日本だし、バックのスライドをしながらジャッジから離れてステップに入る瞬間は正座をしてスパイラルに入る瞬間だし、盛り上がるところで3Lz3Tはあるし、3Loが肝のジャンプだし。

と、他の選手をチラつかせてしまうのはこの辺にして。

身体のコンディションやペアとの二刀流もあって、ここ最近は難しいシーズンだったと思うけれど、万全の状態に仕上がったこと、4回転も含めてこれだけまとまった演技ができたこと、ジャンプだけではなくスピンステップオールレベル4が取れたこと、正に史上最高の本田ルーカス剛史が出た4分だったと思います。

初めて見たときはサマーカップか西日本のラプソディーインブルーだったかなぁ。踊り心があって個性のある素敵な選手だったなという印象だったのが、そこにスケーティングもジャンプも重ねて、超オールラウンダーな選手になられたなぁという感想でした。

個人的な思いとしては、シングルのルーカスくんをもっともっと見ていたい思いはありますが、ペアを全力投球するルーカスくんも楽しみにしています。

ですが、その前にインカレ!
まだシングルは少し続くので、これからの演技も噛み締めながら見届けたいです🥲🥲


12. 周藤集(WD)

一日でも早く足の状態が良くなって、復帰できることを心から願っています。お大事にね…集くんの素敵な演技、首を長くして待っています…待ってる…!!!



13. 櫛田一樹

4T、3A+SEQ+1S*、3Lz、3Feq(F)、CCSp4、StSq3、3A、3Lzq3Tq、1Lo+SEQ+2A*、ChSq1、FSSp3、CCoSp4

後半グループ一番滑走はくっしーでした。
くっしーも姿勢が綺麗で、技術的にクセやアクがない(クセのなさは日本でも随一だと思っていますしめちゃめちゃ好き。)選手で、どタイプのスケートをする選手でした。

元々の持つ「クリーンさ」に、吉野晃平さんの振付によって激しい動きや速い動きが付加され更にエモーショナルさが加わって、唯一無二の、「これぞくっしーの演技」という、すごくSUTEKIな選手になられたなというのが印象です。

個人的にはまだまだ見ていたいし、完璧に揃えたときにどんな演技になるのか見てみたい、という気持ちはなくはないですが、ミスはあっても立ち上がって力強く演技をしていく、ちょっと泥臭さや根性の感じられるのも良さのひとつで、これもまたフィギュアスケートだよな、と思っています。

自分が現地で見られるのは最後だったのかなあ。
素敵な演技をありがとうございました!と素直に言いたいところですが、正直かなり寂しいです。

この時点で「整氷をくれ」と感じていた人は自分だけではないはず


14. 島田高志郎

S、4T、3Aq3T、3F、CCoSp4、StSq3、3Aq1Eu3Sq、3Lz2A+SEQ、ChSq1、3Lo、FCCoSp4、FSSp3

冒頭の4S、引っかかってしまったような形で回転できませんでした。
超私事ですが、出場した試合で、1本目のサルコウ(私の場合1Sです)で同じようなミスをしたことがあります。
(高志郎くんとは天と地の差がありますが)動揺する気持ちも0.2mmくらいわかります、あれ、頭が真っ白になるんですよね。なんで自分の体こんな方向向いてるんや…?????ってなるやつ。

そのミスもあってジャンプが上手くいかなかったのが、めちゃめちゃ悔やまれました…
高志郎くんの死の舞踏、個人的には高志郎くんのマスターピースになり得るプログラムだと思っていて、衣装も完璧、無機質な感じ、魂なきものを演じるパフォーマンス力、どれをとってもすごくクオリティが高いと思っています。

だからこそジャンプをはめていくのがすごく難しい(ミスをすればするほど曲から遅れるだろうし追いつこうとすればするほど焦ってしまいそう)と思うんですが、いつか全てのピースが揃った演技が見てみたい...!そう感じたフリーでした。
そりゃこれだけミスをしてもPCS76出るわけですよ。


15. 三宅星南さん
4S、3A2T、3A1Eu2S、FCSp4、3Lo、ChSq1、3Lz!2T、3Lz、CSSp3、StSq2、3F、CCoSp2

3人連続で岡山。この辺、中四国九州の香りがすごかった。
星南くんも苦しいシーズンだったと思うけれど、ここ大一番で出来ることを全て詰め込めた、いい気合い・気迫・根性の感じる演技でした!

ここ数年スケーティングの覚醒が著しく、一歩一歩をガツガツ押すわけでもなく、スルスルと進んでいくスケーティングが、後半の体力切れを上手く回避して、疲れによるジャンプやスピンの乱れが特に終盤にみられなくなった印象です。そりゃPCS出ますわ、高志郎くんよりも高いですしね。

個人的に星南くんの推せるポイントはFCSpのバトンキャメルのポジション。あんなに綺麗なバトンキャメルのポジションが取れる男子選手、いなくないですか??????
キャメルフォワードのポジションも綺麗だし、FCSpを回転数の速さではなくポジションの美しさでGOEが稼げる稀有な選手だなと思います。


16. 中村俊介

4T、3A(F)、3Lz!1Eu3S、CSSp3、3Lo、3F、FCCoSp3V、ChSq1、3A+REP(F)、3Lz!3Tq、StSq2、CCoSp4V

しゅんしゅんのナザレの子は星南くんのナザレの子がきっかけだったんですね〜
巡り巡っている感じが好き。いつかこのしゅんしゅんのナザレの子を見て、ナザレの子を選びました!っていうジュニア選手が出てくるんだろうな〜

ショートがめちゃめちゃ良くて9位発進。
フリーはいこういこうとする気持ちがかなり前に出ている感じで、その影響か3Aが上手くハマりませんでした。

個人的意見で話半分に聞いていただければなのですが、個人的には、4Tを2本にして3Aを1本にするか、4Sが投入できる状態にあれば、4Tと4S、3Aをそれぞれ1本にするのはアリ...?などと思いました。

後半に3Aを入れる、特に前半の3Aをミスした状態で3Aが決まることの現実性が果たしてどこまであるのだろうか...?という感想です。2本の転倒によって体力も削られて後半かなりしんどそうでした。
ですが、きっと、「入れなければ当然決めることはできない」ということだと思うので、ここがバシッと決まる日を楽しみにしています...!!!
世界ジュニア、がんばってほしい...!!!!


17. 吉岡希

4T3T、4T、3A、FSSp3、3Lo、ChSq1、3A1Eu2S、3F2A+SEQ、StSq4、3Lz、CCSp4、CCoSp4


ことある事に希くんの話を出している気がするので、私が隠れ希くんファンなことがバレているとは思うのですが、個人的に希くんの好きなところは、「どんな課題も着々と改善させる継続性があること」、「真摯にスケートに向き合っている姿が嫌というくらい伝わるところ」、「常に逃げずに+0.x点をもぎ取ることに貪欲なところ」です。

その0.x点をもぎ取る姿勢で、大事な場面で順位を上げているからこそ、全ジュニの優勝があり、世界ジュニアの表彰台があり、GPSの経験があり、いまの躍進があると思っています。

今回も、平然と+3Tをつけ、やめかけたところで確実に1Eu2Sをつけていたし、去年の全ジュニでは体力切れでかなりすごい転倒をしていた後半を揃えた、FSSpのビハインド姿勢が少し足りなくてレベルを落とした以外は「全部」レベルを取ったこと!

勝ち取ろうとする気持ちが伝わってきて、目に見える形で進化が感じられて、個人的にはそういうところがめっっっちゃ好きです。

もうジャンプが先行する男ではない(だって2019全ジュニは4Tも3A2本も決めたのに、TES70でPCS52とか、CCSp1VにStSq1だったんやで)、スピンでマイナスを食らう男でも、スタミナ切れを起こす男でもない、ひと皮もふた皮もむけた吉岡くんが今後どこまでいくのか、個人的にはめちゃめちゃ楽しみです(ここから8人連続でスタオベをして、めちゃめちゃエコノミー症候群回避ムーブをしていました)。


18. 壷井達也
4Sq、4S2T、3A1Eu3S、FSSp4、StSq3、3Lo、3A、3F、3Lz!3T、CCoSp4、ChSq1、FCCoSp4V

今大会のベストオブキレ
壷井くん、ここに本気でかけている...!!
というのがビシバシと伝わる、漢気溢れる演技でした。
冒頭4Sも、キレがありすぎて助走のスピードがとんでもなく速くて、それで上手くハマらなかったのかな、というくらい。

元々ジャンプに癖がなくて、スケーティングも無駄のないタイプだったけれど、そこに今回は先に言ったとおり「シャープさ」が加わって、これまで課題だったPCSをそれでねじ伏せたな、という印象でした。

この演技ができたこと、250に乗せられたことは本人にとっても大きな自信になるんじゃないかな、なるといいな、と思うなどした演技でした。

あと暫定順位第1位のアナウンスがあったときに中野先生とグレアム先生がめちゃめちゃ喜んでいて微笑ましかった、よかったよねぇ...しみじみ


19. 友野一希

4T2T、4T、4S、3Lo、FCSp4、3A1Eu3S、3F2A+SEQ、3A、StSq4、CSSp4、ChSq1、CCoSp4

自分が見てきた、

マハラジャ、パリのアメリカ人、WSS、リバーダンス、ロクサーヌのタンゴ、ララランド、こうもり

どれも「踊ること」「盛り上がりの部分で曲に負けず寧ろ引っ張って盛り上げること」を主軸にしてきた友野くんが、一気に方向転換をして、ピアノ曲オンリーの、音を紡いでいくプログラムで勝負をしていること、寧ろ「こっちが本来の友野一希では」と思わせるほどの完成度の高さでした。

友野くんの演技に「息を呑んでステップする姿を見つめる」瞬間が来るとは思わなかったし、ノーミスをして盛り上がるはずのところで観客が一切音を立てずにステップに見入っていた、それがプログラムの完成度の高さの「証明」、「答え」になっていたと思います。

他の方が仰っていましたが、最後のスピンで拍手が雨のように降り注ぐところも、すごく素敵だった。

ここが正念場、ここで下手な演技をしたら次の5人に置いていかれる、そんな場面で完璧な演技ができる。

最終グループの神演技続出の雰囲気を作り出したのは友野くんだと思っています。かっこよかった。

派遣に対する不満ではなく、この演技をしてチャンピオンシップに選ばれない日本ってまじでなんなん????という怒りはあります。ふざけんなや。

...という思いと、先でも言ったとおり、「この演技をしても届かない」結果になったのは「友野くんのこの演技があったから」とも思っています。複雑。

プログラム、これまでの演技の中でも1.2を争うレベルで好きなんですが、ステップとコレオが+3水準で、+4や+5には届いていなくて、個人的に、ステップもコレオも、あと10秒長くて、10秒分の密度があったら+4+5になるんじゃないかな?と勝手に思っています。
少ない時間で+4や+5を獲得するのはジャンプで+5をとる以上に難しいと思っているので、もうプログラムの構成の話にはなってしまうのですが...(当然ながら全部素人考えです...要はもっと長く見ていたいだけや)

個人的には超ブラボーの演技でした。友野くん大好きなんで。これからも応援しています!!本当に。


20. 佐藤駿

4Lz、3A1Eu3S、4T3T、FCSp3、4T、3A、3Lo2T、3Lz、CSSp4、StSq4、ChSq1、CCoSp3

ギョーム振り付けの四季、ここでほぼ完成系に近い演技をしてきたのではないか...!!!

冒頭目の醒めるような4Lzから、「絶対に決める」という強さを感じる演技でした。

優真くん、佳生くん、駿くんって三者三葉だけど、共通していて3人とも負けん気の強さかものすごいよね。
絶対に勝つ、勝つことに対して本当に貪欲。

3Aのあといつもだったら1Eu2Sにしそうなところ、友野くんの点数を聞いて1Eu3Sに意地でもっていったのかな(※推測)とか。あれがサードダブルだったら、サードトリプルで転倒していたら6位だったわけだし。

昨季まではどちらかというとジャンプ先行のイメージで、ジャンプを決めるためにプログラムが組まれているような感じだったのが、今季はそれが一新、プログラムの密度が高まったような印象です。

ChSqのイーグルのポジションとか、無機質感がすごくゾクゾクする、ジャンプだけではない駿くんの「個性」がここにきて開花してきている...!と感じるフリーでした。
でも、まだまだ成長途上にも見えるので、どこまで伸びていくのかポテンシャルモンスター...!!!



21. 三浦佳生

3A1Eu3S、4T、4S、FCSp4、3A、StSq4、4T3T、3Lo2A+SEQ、3F、CSSp4、ChSq1、CCoSp4


佳生くんがオールレベル4を揃える時代がやってきました。
心·技·体、体は不調そうに見えましたが、心と技が助けてくれた、そんな全日本だったように見えました。

4Tは軸が左にブレましたが、きちんと着氷。
まるで2021全日本のポエタを見ているようでしたし、「絶対に後半に4T3Tが決まる流れだ」と勝手ながら確信していました。佳生くんってそういう男だし。

友野くんと駿くんがいい演技をして、もしその結果を知っていたならば、4回転が3本の佳生くんはひとつでもミスをしたら終わり、でもミスをしなければ勝てる、という状況がわかっていたと思いますし、それを実行するかっこよさよ。

佳生くんのいい所は、疲れていても、それがモロに顔に出ていても、足元には大きく出さないところ、どんなに疲れていてもガンガン滑ってプログラムの印象を悪くさせないところだと思っていて、「ジャンプがハマらなくて点数が出なくてもPCSをある一定の水準よりも落とすことは無い」稀有な選手だと思っています。

これまでは大爆死して4回転を入れても点数に結びつかなかった時期もあったけれど、それを乗り越える強さがあって本当にすごいな、と思いました。
あと4回転3本の構成が「おーけーおーけー安定の構成ね」って考えられてるの控えめに言ってクレイジーだよね、レッツゴークレイジーだわ。ホープアンドレガシーだわ

佳生くんは世界選手権選出、心からめでてえよ...
世界のトップレベルの選手たちとバッチバチに戦って、三浦佳生ここにあり、を証明してきてほしいし、世界の三浦佳生になってきてほしい...!

後はお腹を崩さない程度に沢山お肉食べてほしい。超私事ですが、私は280gのお肉を美味しく食べた翌日のお腹が大乱調スマッシュブラザーズになっています。許せん。


22. 鍵山優真

4S、4T1Eu3S、3Lo、FCSSp4、3A2A+SEQ、3A、3Lz3T、ChSq1、3F、StSq4、CCoSp4、FCCoSp4

キューテスト膝。普通はそれ左足着いちゃうんやでみたいな着氷を上手く吸収してちゃんと右足片足で降りられる天使の足首。
それでいて4回転2本でTES105.51をたたき出すGOEお化け。
GOEお化けを支えているのはスピンのGOE、島田麻央さまもびっくり。

ステップを細かく力強く踏んでいる姿は、さすがコストナーコーチがついてるだけある...!というくらい、息をするのを忘れるほどのクオリティ(スタンブルがあって+1.06なの本当にバグ(褒))。

3Lz3Tのところ、3Lzの着氷が若干ブレたのに力で+3Tにいって決めたところ、本気で勝ちに行ったんだろうな、というのが伝わるエレメンツでした。

そしてそして、優真くんの成長曲線も本当にすごい、この演技に4回転が3本4本と増えていった時にどうなっていくのか。本人198って出たあとに「まだまだ伸びしろはある」と言っていたし、まだまだここからなんだろうな。

次はインカレかな?
もしかしてグンマーにコストナー先生降臨しちゃう???インカレにコストナーさんエントリーしちゃう?????(激アツ)インカレでショート100点フリー200点総合300点出しちゃう???????



23. 山本草太
4S、4T3T、4T、3A1Eu3S、FCSp4、3A、ChSq1、3F2A+SEQ、3Lz、CSSp4、StSq4、CCoSp4

この演技見て号泣しないやつおるんか?????
おん????
というくらいの神演技が、この、緊張のショート2位、表彰台もかかる、今後の大会派遣もかかわる、この舞台でついに、という、観客誰もがこの瞬間を待っていた...というような演技でした。

最後の3Lzを降りて、CSSpに向かって拍手がどんどんどんどん大きくなっていく、観客のボルテージがマックスに上がったのがCSSpだったという、なんとも草太くんらしい演技でしたね笑

鼻水垂らして涙流して草太くんの演技を見たのは2017全日本以来でした。この瞬間に立ち会えてよかった。

ここまでの4人があれだけの神演技、今季のフリーから言ったら草太くんが一番厳しいところにいたはずで、その中でのこの演技。

ジャンプを全部決めたことでプログラムの余裕が出た、ノーミスをしたことによる流れの良さがPCSにも出たかな、と思いました。

4回転3本でTES107、もう限界までTESは取りきったと思います。
ここから先、4回転を増やすもアリですが、寧ろ減らしてプログラムを濃くしていくのもアリかなと思っています。
流れの良さが一番の武器ですが、それを活かしつつNEW草太も見てみたい、という願望です。

年明けは四大陸。
一旦ゆっくり休んで、また最高の草太くんが見られたら嬉しいです。


24. 宇野昌磨

4Loq、4F、3A2A+SEQ、3A、StSq4、4T2T、4Tq、3S、FCSp4、CSSp4、ChSq1、CCoSp4


演技が終わったあと「セーフ」を2回していましたね笑
恐らく、「ここまでやれば勝てるだろう」という計算をし尽くした、そういう意味で「限界まで攻めた演技」だったと思います。
+1Eu3Fはない、+3Tも+2Tになっている、
ほかの選手であれば1点でも点数を稼ぐために回転数を上げていく(足し算)と思いますが、昌磨くんはその逆で、「ここまでやれば勝てる」という引き算をしていった、ということですね。

1点でも多く取りたいなら3A1Eu3Fか、3S1Eu3F、若しくは3S3Tにしているはずのところ、それをいずれもやっていないので、ギリギリを攻めた演技だったと思います。

本人の実力的にももっとできるところだけど、勝つために必要なことを必要なだけ実行した、すごい選手だなと思いました.....

あと、動きの少ないChSqで+2.07を稼いでいて、ChSqの加点は全体のトップ。
「ここまでのレベルにならないと動きの少ないChSqで+4+5は取れない」というのを実感しました。それができる昌磨くんはやはり別格ですね。

昌磨くんも、段々「あと何回この演技が見られるかな」という領域に差し掛かっていると思います。
一回一回の演技を、見る側も大切にしたいなと思いました。



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ペア1組、男子24人分の感想をつらつら書いていたら、こんなことになっていました。

おかしいなあ!!!こんな長くなるはずでは!!なかった!!!
ごめんなさい!!!


女子はもう少し簡潔に書けるようがんばります😇


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!