僕は中学・高校と野球部だった。

まさに、甲子園を目指していた球児であった。

 

先日、新型コロナの影響で、今年の夏の甲子園大会を中止する

ことが発表された。

 

そのことについて、僕なりに思ったことを書こうと思う。

 

まず、もし僕が高校3年のときにそうなったら、と考えてみた。

 

僕の高校は特別強豪ではなかった。

それでも、毎日毎日土曜も日曜も練習した。

「甲子園を目指していたのか?」と訊かれれば、

「そこまでは・・・」と答えていただろう。

でも逆に、

「甲子園を目指してなかったのか?」と問われたら、

「目指していないわけではない」というのが本音。

 

夏の大会は春の大会と異なる。

春は「推薦」だけど、夏の大会は地区予選で負けなければ、

どこの高校でも甲子園に出れる可能性がある。

なので、強豪校ではない高校はまず予選の一回戦に勝つことを

目的にし、それに勝てば次に二回戦、また勝てば三回戦・・と考える。

なので、はじめから甲子園を目指すとは言えないけど、

勝つことで甲子園につながるので、「目指していない」とも言えないのだ。

 

つまり、夏の大会は予選から甲子園までつながっている。

強豪であろうが弱小であろうが甲子園への道が「ある」というのが

重要だと思う。

 

その道がなくなった、ということが決定された。

「どうせ甲子園になんか行けなかったんだから、同じだ」

とは考えなかったと思う。

 

目標がなくなった。

なんのために今まで練習していたのか?

もうこれ以上練習しても意味ない

 

と僕なら思う。

 

さらに、今の時代はわからないが、僕らの時代は、

けっこう野球部というのは、「ワル」が多かった。

野球をやっているからおさえていた(おさえられていた?)。

そういう連中がこうなった場合、当然もとに戻る(つまりワルになる)、

ことになるだろう。

僕なんかもある意味気づいたら野球をやるために高校に行っていたような

気がするので、そうなったら高校自体辞めてしまう可能性が高い。

(実際、僕は最後の夏の大会が終わった後、つまり2学期から半分しか

学校に行かなかった。ま、これは言い訳できないけど)。

 

負けてさっぱり辞める

ことさえ難しいのに、

負けずにさっぱり辞める

なんて、僕には想像できない。

 

もちろん野球だけを特別扱いできないけど、

この甲子園大会中止はそれほど現役の高校球児(特に3年)にとっては

大きなことであり、人生を左右されかねないものだ

 

と思った。

 

つづく