週末なので、少し息抜き。
アメリカでのお仕事を通して貴重な経験をさせて貰った経験として一番に思い出すのが、
ある大手製造会社で社内通訳者として働いていた際の経験。
この会社では、日本出張や取引先監査という形で州外やメキシコへの出張に同行させて貰う事が多々あった。どれも思い出深いものであったが、日本出張とメキシコ出張は、日本国内各地をはじめ、東京への旅行さえ限られていた回数しか行った事のない地方出身の私にとってはとてもありがたい貴重な経験であった。
日本出張には合計6回程行かせて頂いた。それが年末の12月にあると年末休暇と合わせて日本帰国・帰省を楽しむ事も出来た。それよりも、何よりも私が一番嬉しかった、ワクワクしたのは飛行機での旅そのものだったかも知れない。当時、業績順調な当会社では、長時間に渡る飛行機での移動だとビジネスクラス利用が許されていた。私も便乗?ではないが、出張メンバーの一人としてビジネスクラスに搭乗する。
私の幼い頃の夢は国際線のフライト・アテンダントになる事だった。最終的に私は大学を卒業するのと同時に結婚が決まってしまっていたので、(それを口実に?苦笑)諦めてしまったけれど。高校の同級生がJALのそれに合格した際には同級生皆が浮足立ち、”あっぱれ~!”とお祝いした位すごい事だったのを思い出す。
さて、ビジネスクラスに乗るとそういう才色兼備、憧れ、雲の上のような女性が片膝ついて、飲み物を提供して下さるのだ。内心私は、
”ああ、めっそうもない。そこまでなさるのは、おやめください。”
と思いながら、毎回深く頭を下げ、恐縮し、丁寧にお礼を言う。因みに’毎回’というのは、シャンパンに始まり、オレンジ・ジュース、お水そして大好きなアルコール・ドリンクを何度かお願いするから。。。それでも、貧乏人根性をあからさまに出さないように重々注意はしていましたが・・・恐らく簡単に見透かされていたと思うと今でもお恥ずかしい。
出張先へ着くと、まずかなり特別扱いされる。つまり’英語を話す’米国人部下と一緒なのだから、引率?の駐在員等は’(古巣へ)錦を飾る’ではないが、エリート風にして恰好がつくのだ。会議や現場での仕事が終わると、毎晩立派なレストラン等で会食。
週末は、アメリカ人メンバーを連れだち観光地を巡ったり、当時外国人に人気のあった何とかパブ(名前忘れてしまいました)やロボット喫茶、ご当地ハードロック・カフェに繰り出すのが常であった。今思えば40歳過ぎたおばさん(私の事)が、一番盛り上がっていたような気がしないでもない。当時は若かったし、仕事もバリバリ(実際にどれほど仕事内容が良かったかどうかは別にして)、お酒も沢山頂いたりした。
メキシコへは、半年で5回”チワワ”という町の工場へ出張させて頂いた事もあった。そう、犬の一種”チワワ”はこの町がその起源であると言う。特殊プロジェクトである最重要部品を製造する取引先工場での立ち上げ品質の構築・保証というのがその目的だった。
日本と違い?広い米国、メキシコでは製造工場は郊外に所在する事が多く、朝夕の通勤は現地メンバーとの調整、ホテルや車の手配等が大変だったが、それでも私にはあまり苦にならなかった。
ところで、当時量産立ち上げ支援メンバーとして、多くのアメリカ人が定期的に、また時に中・長期でメキシコ出張に出ていたが、彼等はガード付きホテルに詰め込み状態だったと聞いている。現在でもそうだが、当時メキシコではアメリカ人を狙った犯罪が多く発生していたからだと聞いた。
それに比較すると、日本人メンバーや私は少しのんびり構えていて、仕事が終わると現地人メンバーに誘われるがまま地元グルメや地ビールを楽しむ毎日だったのを覚えている。
やはり現地で食べるステーキやタコスは逸品、それも安価なのが素晴らしい。
ここで(ついでに?)仕事の話を少し書いて置くと、日本人技術者は凄い事を目の当たりにするという経験をさせて頂いた。
まず個人的な知識・技術レベルの違いが日本人と現地人では雲泥の差があった。これは言わずもがな。それに比べて・・・残念ながら現地メンバーは何度説明しても、忘れるまたは身につかない。彼等には’ものづくり’の概念や基礎が全く教育されていないのが一番のネックだったのだろうが、これが更にその上を行く、品質保証能力のレベル合わせ業務となるともう大変だ。私も通訳として必死に、時に内容を(自分勝手に)砕いて説明するのだが、とにかく困難を極める。
そして、もっとも顕著だったのが職業倫理感の違い。この大事なプロジェクトの担当である現地人マネージャーがまたのんびりされた方だった。例えば、朝ー会議の開始が8時半と決まっていても、その時間に姿を現さないのだ。そして、更に悪い事に誰もそういう彼のスケジュールを把握していなかったということ。振り回される事幾度となく。。。とにかく忍耐のいる仕事であったのは間違いない。
話しは飛びますが、こうした製造会社での特に現場での経験を通して私が一番に学んだ事はと言えば、月並みだけれども、日本人メンバーの方々の技術力の高さと、忍耐力の強さ、そして時に熱意。勿論、会社によって扱う製品が違い、企業文化が違い、適用される法律・規則や基準類にも違いがあるが、一貫して言えるのは仕事に対する”規律性の高さや倫理観の完成度”といっていいのかも知れない。とにかく立派!!
改めて、現場で働く皆さん、大変お疲れ様です。
全く頭があがりません。
日本人で本当に良かったと思わされる経験のひとつであります。
(勿論、特にセクハラ・パワハラをするような無知で卑劣な方々は問題外!)