数日の間ガネーシャとも会うことは無かった。
正確に言えば会わなくてもいつでも会える間隔だった。
思えば目の前に現れる声が聞こえる。
その光景を目の当たりにしていた妻は心配そうに言う。

「パパ病院行こうか?」

「大丈夫なんだよ。なんともないからね」

でも妻にしたら、やはり不安であろう。
なんせ、誰もいるはずの無い部屋で会話を普通にしているのだから
心配するのも無理はない。
そう思って僕は病院に行って妻が安心できるならいいかなと思い

「やっぱそんな心配するなら病院いこうか(笑)」

「ありがとう。」

次の日僕は、病院に向かった。
人生初めての精神病院だ。(笑)
でももうすでに今日がどうなるかっていうのが、僕には分かっていた。
医者が困った顔してこちらを見て

「とりあえず薬で様子みましょうか?」

そして妻が病院に来てくれたことに感謝するってこと。
帰りにモスバーガーに寄ろうかと妻が行ってくること。
今日一日何がおきるのかが、すでに分かっていた。

病院ではさまざまな患者さんがいた、その心の訴えがもろに自分の心にはいってくる。
僕はその感謝さんの感情で泣きそうになった。
ここの医者には心ある人が少ないと感じた。
知りたくなくてもどんどん心に響く。
人の本音が聞きたくても聞こえるって怖いなぁと感じた。
ドラマの世にも奇妙な物語の主人公にでもなった気分だった。

受付を済ませ、待合室で程なく待ち診察室へ入った。

「はじめまして~宜しくお願いします~」

挨拶をすませ椅子に腰をかける。
妻はとても不安そうにあとに続く。
妻があらかじめ僕に気を使いここ数日間の行動記録をメモして医者に渡してあったが
もちろん知ってたが、妻なりの心配でしたことなんだと知らないふりをしてた。

それなのに、医者は僕にこう言った。

「奥さんに貴方の行動記録も見せてもらったのですが、御自分で記憶ありますか?」

そのとき妻があせった顔をしてたのが面白かった。

「へ~そうだったんですか~全部記憶にありますよ。ただそれを説明しろと言われても
信じがたいことになってしまうので説明しにくいですけどね。」

医者は僕をほとんど見ることなく妻ばかりに目がいっていた。
そして困った顔して言った。

「しばらく薬で様子みてみましょうか?」

「はーい」

その後僕は診察室を出て会計を済ませ処方箋をいただいた。
もらった薬は精神安定剤だった。