春の下北。
皆幸せそうだ。
誰も平凡が嫌とか、特別になりたいなんて一切考えず、今日一日を堅実に幸せに生きている。

自分の年齢や能力を考えたら、特別になれないってことは覆らない事実なのに。

でもどうしようもないのだ。鬱の人や統合失調の人が居るように、わたしは自己愛性人格障害なのだから。

一生特別な自分の幻想を求め、現実とのあまりのギャップに苦しみ抜いて、身体も心もぼろぼろになってしまうんだろう。

肉体が死ぬまで、一生付き合っていかなければならない。

この病気を抱えたまま、自分なりに足掻いて、少しでも“マシ”にしていかないといけない。

家族を背負えるような、家族が他人にわたしのことを自慢できるような、特別で選ばれた輝いた人間になりたかった。