バレエをやっていく上で、ケガをしたり身体に不具合がでたりはよくあるかと思います。

そんな時、お医者さんから「もうバレエをあきらめたほうがいい」と言われたら・・

その意見は無視して構いません。

医師は医療の専門家であって、バレエの専門家ではありません

魚屋さんにバレエのポアントワークのアドバイスを受けないのと同様です。専門家以外が何を言ったとしても、それを真に受ける必要はありません。

余談ですが、実際は専門家が言ったとしても、それを採用するかどうかは本人の問題です。

実際に多くの才能を開花させたダンサーが、かつてバレエ教師から「あなたは才能がない」「ダンサーに向いていない」と言われています。

むしろ成功しているダンサーでそう言われていない人のほうが稀かもしれません。

真面目な生徒はそれを真に受けてバレエを辞めてしまいます。

それは非常に残念なことです。

逆にエフィカシー(自己評価)の高い生徒はドリームキラーの言うことは聞きません。

バレエ教師のドリームキラーな発言も問題ですが、医師のような権威ある専門家からの発言もかなり深刻です。

魚屋さんから魚以外のアドバイスは受けないと肝にめいじて、医師の発言は流しましょう。

診断はともかくとして、予後についても、一般的な統計的なデータはダンサーにはあまり適用できません。

むしろダンサーやアスリートは医師が驚く回復力を示します。

一般的な傾向からすると予想外な回復をします。

十字靭帯が無いまま活躍しているスポーツ選手やバレエダンサー、武道家は存在します。

アキレス腱を切ってもダンサーとして復帰しています。

多少複雑な捻挫や骨折程度でダンサーとしての死亡宣告をする医師の意見は聞き流しましょう

そして一緒に課題を解決してくれるパートナーを見つけて、一日も早い復帰を目指しましょう。
筋肉トレーニング(以下、筋トレ)をどうしてもしたい場合はイメージトレーニング(以下、イメトレ)ですることをオススメします。

筋トレが様々な効果があることは事実です。一方で様々な弊害もあります。

効果だけ手に入れて、害を外すために筋トレをイメトレにするというのは一つの方法です。

当施術所では基本的に筋トレに対しては否定的です。

筋トレの良い点は筋肉を鍛えるというより、その筋肉を意識することができることです。

それまで無意識にあった筋肉を意識にあげることで、操作可能になります。
これは苫米地理論で言う「Rゆらぎ」ですね。
無意識の部分を意識にあげると、意識でコントロールしやすくなります。

気功は端的に言えばRゆらぎそのものです。
自律神経の支配下にありほとんど不随意の部位を強制的に無意識から意識に上げ、操作可能にしてしまうというのが気功です。


(少なくともここ「まといのば」で実践している気功です)

筋トレは筋肉に負荷をかけることで、無意識に沈んでいた筋肉の意識を、強制的に意識に上げます。

その意味で効果はあるのです。

そして本気の筋トレは相当にドーパミンが出ます。端的に言えば、相当に気持ち良いのです。

ボディビルダーによれば、食欲や性欲をはるかに凌駕する気持ち良さだそうです。そして気持ち良いだけでなく、肉体改造という結果が出るともっと楽しくなります。達成感が得られますし、改造された肉体は、運動不足の身体よりははるかに快適です。

そして少しずつ筋トレ中毒になります。

初めは健康のためにやっていた筋トレが、次第に身体を壊しても続けたいものになります。
筋肉は一週間も鍛えないと落ちてしまいます。
手のかかるペットと同じで、日々世話をしないといけません。そしてペットと同じで、その手のかかるところがまた良かったりします。

筋トレ中毒者たちは故障という名の怪我と痛みを抱えながら、日々トレーニングを続けます。なぜならそれが中毒ということだからです。

これはランナーズハイ中毒になるランナー達でもそうですし、運動一般の陥る罠です。
もちろんバレエも例外ではありません。
ちなみにヒーリングもそうです。
多くのヒーラーは自分の身体をとことん壊していながら、仕事を続けています。

その弊害を防ぐためにも、筋トレに生活と人生を支配されないためにも、筋トレはイメトレでやることをオススメします。

筋トレとは相当な負荷をかけて行うトレーニングです。もし一度も体感していなければ、実際にやってみて体感しましょう。
かつて筋トレを経験していたら、それをリアルに思い出しながら、イメージでトレーニングしてみましょう。

実際に身体は劇的に変わります。

そして上手に筋トレのメニューを選べれば、身体意識も鍛えられます。
アウターマッスルを鍛えるような脳みそも筋肉にしてしまいそうな筋トレではなく、体幹部を鍛えるような筋トレを選択してください。

そして上手に筋トレをイメトレですれば、筋トレの副作用無しで、良いとこ取りができます。

この手法は決して新しいことでも僕のオリジナルでもなく、昔の本気だったころのヨガの先生たちにとっては常識です。

是非活用してください!


X脚はバレエを踊る上ではとても綺麗なラインが出て、良いとされます。

ただ膝を中心に痛めやすく、結果としてケガのトラブルが多いのも事実です。

X脚でありながら、ケガをしないという夢のような方法はあるのでしょうか?

X脚は膝の関節の過伸展であり、反張膝と呼ばれる状態です。

そのために負荷がかかりやすいというのが従来の説明です。

ただ観察してみると、膝の関節の過伸展であり、反張膝であるのはもちろんそうなのですが、足を揃えた6番ポジションで立つと、重心が相当に前にあることがわかります。

踵から斜め上に伸びるように骨盤が上がっています。

足から骨盤までがピサの斜塔のように前傾しています。

すなわちX脚のケガの問題は重心の問題に還元されるということです

ということは重心がちゃんと踵に乗れば、X脚による膝の痛みやケガはほとんど解決するということです(「踵重心ではいけないのでは?」と思った方は過去記事を是非読んでみてください)。

重心の変え方はこれまで見てきたとおり、腸腰筋であったり、深い脱力によって実現します。

ただ単に重心を動かすだけでは意味はありません。

重心はとても重要です。

膝が完全に伸びきっていない通常の足でも前傾姿勢はとても足に負担がかかります。

伸びきっているX脚では、膝の遊びがない分なおさらです。

ところが、X脚の人の6番ポジションでの重心を直すとほとんどの人は膝が伸びていない感じがして、「気持ち悪い!」・・と言います。

すなわち膝に負荷がかかる前傾姿勢が気持ち良くて、正しい重心で脱力できて、膝もすっきり伸びる姿勢だと物足りなく、気持ち悪いのです。

これがホメオスタシスのフィードバックと呼ばれる現象です。

身体は元の状態に戻りたがるのです。

新しい良い状態を無意識は拒否するのです。

この場合は鏡を見せて、両方の膝の状態と重心の状態を確認してもらいます。

そして感覚と実際の状態が違うことを繰り返し認識してもらうことで、新しい状態に慣れてもらいます。

X脚でケガのリスクを下げるコツは 重心 です。