ピルエット第三弾は『腰』です。

腰は身体の要(かなめ)と書きます。<

実際にバレエにおいても重要なポイントです。

腰というとガシッとしているイメージです。

バレリーナの腰はガシッとしてはいけません。

むしろ頼りない感じで、ヘナッとしてゆらゆらしている感じです。でもスッとしていて、一本筋が通っているような・・・。

筋が通っているというより、マリオネットのようなもので、糸で吊られているイメージです。

・・・余談ですが、「吊」という漢字はよく見ると、人に見えます。

顔と手と足が揃っていて6番ポジションのイメージですね。

足は鳩尾(みぞおち)から生えているというイメージです。

実際に構造的にも腸腰筋で大腿骨を吊っており、腸腰筋と横隔膜が連動していることを考えると、実際に足がみぞおちから生えている(吊られている)と考えても不都合はありません。


ここでのポイントは、足の付け根が鳩尾(みぞおち)になるということは
腰は膝関節や足首の関節と同じ足の途中の関節に降格するということです


肘や手首と同じです。

途中にある関節でしかないということです。

それくらいの軽い扱いにします。

高岡英夫先生は「ヘラヘラ腰」という言い方をします。

腰がヘラヘラしているそうです。これは重要な感覚です。

腰に限らず、ガシッと固めて良い部位は全身のどこにもありません

その軽さを維持しつつ、ピルエットでは腰を回転させます。

男性にサポートされて腰を回されているような感覚です。モノを回しているように腰を回します。


バレエでは「吊られているように」とか「引っ張られるように」という表現は多いです。

私はこれが躓(つまず)きの石でした。筋肉としてはどういうことなんだろうという、長年の疑問。

頭を吊られるようにイメージすると、動きが高度になるのは事実です。

実際は吊られてはいませんが、体感は吊られています。そして見た目もマリオネットのように吊られています。


このような気功的な不思議なことはバレエ界では多いです。

カラクリは多少複雑ですが、脱力と構造ということを考えれば、シンプルです。


ただそこに疑問を持たないのであれば、あまり追求せずに、シンプルに「吊られ」たり「引っ張れ」ばいいと思います。

腰についても、どうやって外力が加わっているように腰が回りうるのか?
・・解剖学的には不思議ですが、そこは考えなく、『イメージ』を持ってみてください。

たとえば…

あなたと憧れの男性ダンサーがパ•ドゥ•ドゥを踊ることになりました。

あなたの後ろに彼は立ち、サポートしてくれます。

ピルエットのプレパレーションをすると、彼があなたの腰に手を添えました。

そして、あなたがピルエットを始めた瞬間、彼が腰をクルクル回しました。

あなたは、5回転ピルエットをし、アームスを開いてポーズをしました。

理想のパートナーがあなたの腰を回しているイメージが強ければ強いほど、あなたの腰は軽く回ります♪♪

是非、このようなイメージで軽い腰を回してもらってください。