これは私の友人U子が彼女の孫に体験させられた話である。
彼女は海外のアンティーク食器や陶器を集めるのが趣味だ。
そのため彼女の部屋には、多くの作品が飾られている。
特別霊感が強いわけではないが、彼女は感覚的にそういう目に見えないものが存在すると信じているので、様々な人の手を渡って自分のところにたどりついたアンティーク作品たちを、そういう意味でも丁重に扱っていた。
飾る前に塩で清め、飾るところにも気を付けている。
ある日のこと。近くに住む孫娘のN子が泊まりにきた。
まだ幼いN子は彼女にとても懐いているため、よく泊まりにくる。
その日もいつものようにN子を寝かしつけた後、キッチンでかたずけをしていた。
すると「うわーん」とN子の泣く声が聞こえてきた。
一旦寝るとめったなことでは起きない子なのに、どうしたことかとあわてて部屋に向かうと、布団の上でN子が泣きじゃくっている。
目が覚めて誰もいなかったことが怖かったのかと思い、抱き上げて「どうしたの?大丈夫?」と声をかけた。
すると、部屋の一点を指差し、こう言った。
「おかおがいっぱい。」
彼女の指さした方には、U子の集めたアンティーク作品が、何点も飾られている。U子は、N子が指さした方を見ないようにして、そっと部屋を出た。
「悪いものではないと思うのよね。」と彼女は私に少し困り顔で言った。