人は誰でも、他人よりも何らかの点で優れていると考えていることを忘れてはならない。-デール・カーネギー(米国の実業家)

 

 

 

私のつたない経験がベースではありますが、

悪口は絶対にバレるので言わないほうが良いと思います。絶対に。

 

 

社会人にもなって何言ってんだと思われるかもしれないのですが、

ごめんなさい。この年になっても、「チームメンバーの悪口を言わないこと」が本当に大切だと思うのです。

 

今では、わたくしマチダは悪口のことを、周囲に蔓延する毒素を吐く魔物のようなものとして考えています。

 

悪口を言う結果、自分が変わって、周囲が変わって、相手が気づいて、

相手の態度も悪化してしまう。。。

 

 

 

 

「いやいや、俺はいつもうまくやってる。本人にバレるようなヘマはしないよ」という方もたくさんいらっしゃると思います。

そのとおり。言った本人はそれなりの場所を考えて発言しているので、たいていの人はうまくやっていると思います。

でも、言った本人はうまくやっても、聞いた人の行動が少しずつ変化を起こして、その場の空気がそういう風に教えてしまうと思うのです。

 

ということで、今回は、チーム内で悪口を言うと、どうなっていってしまうかというお話を、経験に基づいて書きたいと思います。

 

 

在籍の長いAさんが、他部門から来たタナカさん(仮)の受け答えの言葉づかいがあまり好きではなく、同じチームのBさんにタナカさんの悪口を言ったのです。

 

「タナカさんの応対ってあたし好きじゃないんだよねー」

「タナカさんの言葉遣いってなんかおかしくない?」

 

言葉自体は何でもいいです。チームのタナカさんが聞いたらショックを受けそうな言葉を想像してください。

 

Aさんは、Bさんや他の人に話す場所を、

日ごろから考えて、タイミングを計りながら愚痴るので、

この時点では本人にはバレません。

 

問題は、Bさん等、その話を周囲の人が聞いた後だと思っていまして、

Bさん達が、聞いた話をもとに、チーム内のコミュニケーションを見るようになるので、

それ以降タナカさんとAさんの会話が職場で注目されるようになります。

 

「おっ!Aさんこの前タナカさんの悪口言ってたけど、今話してるじゃん。Aさん、どんなリアクションするのかなー」

「あぁ~Aさんが言ってたのはこの言葉遣いのことかー。確かにちょっと嫌かも」

 

もちろんまじまじと見たり、体をそっちに向けたりはしないですが、

PCをたたきながら、言葉には出さずとも心の中でこう考えているだろうと思います。

ひどい人たちは、お互いに目配せをしながらニヤニヤするかもしれませんね。

 

 

 

おそらくですが、悪口を言われた人って、この空気や雰囲気を感じるのだと思うのです。

「ん?何か周りの様子が変だな」「やたら静かになったな」と感じて、

その空気の正体を探った結果、自分の悪口を言われていることに気づくというような。。

 

また、日ごろから悪口を言われている人ほど敏感だったりするんですよね

 

私自身、悪口を言われた経験がたくさんありますので、実体験として言えますが、

それが判明した時のタナカさんのショックはとても大きいものになります。

他人を経由する分、いろいろな妄想が膨らみ、本来Aさんが意図していたところの2倍のショックというイメージでしょうか。

「普段自分には優しい顔を見せておきながら、陰でそんなこと言ってたのか」と感じたときの怒りは、直接言われるよりも大きく、憎悪に満ちています。

 

 

その後どうなるかといいますと、

人間、悪口を言われるために頑張ることなんてできませんので、

当然タナカさんも、そんな相手に敬意を表することが日に日にバカバカしくなり、

自然とAさんへの態度が悪化していきます。

 

今までは頑張ってハキハキと答えていたものも、「どうせ悪く言われる」ということが頭をよぎり、以前より雑な対応で割り切るようになったり、ヘタに関わらないように、聞こえないフリをするようになったり。

自分でも良くない態度であるとはわかっているものの、悪口を言われたタナカさんにとっては、その手段が自分を守る防衛本能だったりするのでしょう。

 

そして、その姿を見たAさんは「なにあの態度」と、さらにタナカさんのことが嫌になっていく、、、

 

という風に

Aさんがチーム内で悪口を言ったことにより、職場でそういう空気が醸成され、

二人の間に大きな距離ができ、いつしかお互いの会話もなくなり、「共演NG」の二人となっていく。。

こんな構図を職場でたくさん見てきました。

 

その全部に共通することですが、そのきっかけって、関係者に悪口を言ってしまうことなんですよね。

 

また、悪口を一度周囲に発してしまうと、Aさん自身も「タナカさん嫌い」という認識が根付いて後戻りできなくなるような、負の毒素に飲み込まれてしまうような気がします。

 

 

冒頭で、”悪口は絶対に絶対にバレる”というニュアンスを込めて「200%相手に伝わる」という表現を使っておりますが、

この”200%”という表現は、絶対にバレるという確率のイメージだけの話ではなく、

100%のつもりで発したものが200%の大きさに膨れ上がってしまうという意味合いも含んだつもりです。

 

他の人がおもしろおかしく言って伝播する結果、話が大きくなって、相手に伝わる頃には変なニュアンスを含んでしまう、こういう話がビジネス上よくあるのだと思っています。

 

じゃあ、どうするべきなのか。

 

Aさん自身がストレスをコントロールするためには、悪口とか愚痴を発する行動は必要だと思います。悪口を言わないのが理想ではありますが、それは現実的には難しいでしょう。そこで、私の出した答えは「関係者には絶対に悪口を言わない」という手段でした。

この文章のタナカさんの悪口を言いたいのであれば、タナカさんのことを知らない人(自分の地元の友達や、奥さんや旦那さんなど)に吐き出すようにすれば、職場が変な雰囲気になってしまうことを防げると思います。

Aさん自身も、職場から離れた場所で愚痴を言うことで、仕事のオンとオフを切り替えることができるでしょう。

 

また、余談ではありますが、

私は、この”2倍の威力になって本人に絶対に伝わってしまう魔物”の力を利用したら面白いのかなとも思って、人材のマネジメントにいつも利用しています。

 

魔物の特徴が、

・本人に絶対に伝わる

・自分が意図したことより話が大きくなって伝わる

 

というものであるならば、

陰で言うときほど、その人の良い点を言ってあげるといいんじゃないかなと思います。

 

 

「Aさんって、タナカさんの仕事のきめ細やかさに憧れてるらしいよ」

「Aさんが言ってたんだけど、タナカさんのバイタリティはどこから来るのか興味があるんだって」

 

等々、

自分のことを陰で誉めてくれていることがわかれば、

逆に「この人って僕のことをそんな風に見てくれていたんだ」という風に、お互いが一歩近づくきっかけになるような気がしています。

 

 

勝手に悪口を言われれば「あいつは、わかったような口をきいて、、、」

陰で誉めてくれていれば「あの人はわかってくれている」

 

 

人間関係はほんの少しのボタンの掛け違いで取り返しのつかないことになると思います。

 

そんな風に、どんなにストレスをかかえても、相手へのリスペクトを保ちながら職場運営に貢献していきたいと思うマチダでした。