limおバカ→∞ -12ページ目

「あいつらのせいで集中できません。」






今日はこの間登場した小学校6年生の男の子、直史について書こうと思う。




今から書くのはひと月ほど前の出来事である。




毎週木曜だけ小学生の算数の授業に入っている俺。


この日も6年生に立体の体積の授業をし、5年生に分数の足し算の計算の仕方を教えた後だった。




ハイジ  『はぁ・・・疲れた・・・。 アンジが全然理解してくれなくて・・・。』




林先生  『他の二人(トミケンカジケン)が頭良すぎっていうのもありますけどね。』




アンジはホントにあふぉだが、確かにトミケンカジケンは頭がよかった。


確実に中学生よりも飲み込みが早かった。




特にカジケンはやべぇ。




こないだ割合の授業をしたときも、




全校生徒560人のうち、75%が自転車通学で、そのうち65%が男子生徒であるとき、自転車通学をしている男子生徒は何人か?




という問題を、


5秒くらいで暗算で解いていた。  ←マジで5秒よ!?


こいつ答え見てんじゃないだろうな?と疑う俺の目の前で、カジケンは類題も全て暗算で解いて見せ、そのページを20秒程度で終わらせた。




・・・確実に俺なんかよりも暗算は速い。





ハイジ  『いやーしかしホントアンジ以外の二人は問題無いんですけどねぇww』




俺と林先生が談笑していると、




直史  『・・・先生。』





さっきから何度も何度も、本当に何度も何度も入口を出たり入ったりしていた直史が俺達のもとへやってきてこう言った。





直史  『先生、自転車の鍵がありません。なくなりました。』




林先生  『え? チャリンコの鍵失くしたと??』




ハイジ  『カバンとかポケットに入ってないか確認したんか?』




直史  『ありません。 絶対あいつらがどこかに隠したんですよ!』




ハイジ
 &    (またそれシリーズかよ・・・)
林先生




・・・俺らはそう思った。






直史は何度も何度もトミケンカジケンアンジの三人に絡まれて、相当5年生を嫌っていた。


とはいえ5年生もはじめは全く悪気はなく、


自分たちより後に入塾してまだ塾に慣れていない直史を、野球やかくれんぼにさそって一緒に遊ぼうとしたのだが、


直史の方がうまく対応出来ず文句ばかり言うので、最終的にバカにされるようになってしまったわけだ。





直史  『あいつらのせいでいつも僕はこんな目に合うんですよ。


       あいつらは退塾させるべきだと僕は前から塾長に言っているのに。』




これが直史の口癖だった。




林先生  『もっとよく探してみーよ?


       これでもし普通にカバンの中とかから見つかったら、疑われた5年生が可哀想やろ?』




直史  『絶対にカバンとかポケットにはありません。 きっとあいつらがどこかに隠したんです。』




ハイジ  『よし、分かった。 じゃぁトミケンたちの家に電話して聞いてみよう。



      もうあいつらも家に着いてる頃だと思うし。』




すると直史はこう答えた。




直史  『あ、いや、もっと教室とかも探した方がいいと思うんで僕探してきます。』




ハイジ  『・・・・・・。』




林先生  『・・・・・。』








ハイジ  『・・・・おかしいですね。』




林先生  『・・・ええ。 自分で隠してるって可能性もありますね。』








そして俺らも一緒になって直史の鍵を探すことに。




林先生  『机の中とかに・・・はないな。』




ハイジ  『こっちの方は・・・無いか。』




すると突然直史が、




直史  『あった! ありましたよ先生! カーテンの裏にありました!



       こんなところにあるってことは、絶対あいつらが隠したんですよ!


                     あんなやつら退塾にすべきですよ!!』





林先生  『・・・その話はまた塾長としよう。 とにかく鍵が見つかってよかった。


                                ・・・今日は遅いけんもう帰り。』






こいつ確実に自分で隠してたな・・・5年生を辞めさせるために。    ・・・俺はそう確信した。





カーテンの裏は、さっき俺が調べたのだから。











そして今日。




小学生は月に一度の実力テスト




5、6年生ともに同じ教室でテストを受けさせることに。




俺が教室の外から中の様子をのぞいてみると、




ハイジ  『・・・www!  林先生、ちょっと来てのぞいて見てくださいww』




林先生  『どうしました?』




ハイジ  『直史ですよw 開始5分でもうシャーペン置いてよそ見してますwww』





静かな教室の中。 全員がテスト問題に取り組む中で、完全に壁の方を向いている直史





林先生  『出たーw あいつテストのときホントに何も書かないですからね。』




ハイジ  『こないだのテストも表の半分から後全部白紙だったでしょ? んで俺らが保護者に怒られるっていう・・・。』





直史は結局最後まで何も書かずに試験を終えた。





試験終了5分前に5年生の集中力が切れ、アンジたちがしゃべりだしたので、林先生が注意しに教室に入り、そのまま試験終了の合図を出した。




そして当然だが直史を呼び出し。





林先生  『何でこれ何も書いてないとや? お前テストが何かわかっとーと?』




すると直史はこう答えた。






直史  『5年生がずっとしゃべっててうるさくて集中できませんでした。』




俺がふと直史のテスト用紙を見ると、解答欄は白紙だが、名前の横にシャーペンでなぐり書きでこう書いてあった。







 "あいつらのせいでうるさくて集中できませんでした"






開始5分で

これだけ書いてシャーペン置いてるーwww!!!





・・・吹き出しそうになったが頑張って止めた。




カジケン  『は!? 僕たちしゃべってないし! テスト時間終わる5分くらい前まではずっと黙って問題解きよったし!』





それは俺も林先生も分かっていた。 交代で監視していたからだ。





直史  『いや、ずっとしゃべってましたよ。 テスト中うるさくて全然集中できませんでした。』







直史が文句言うことを想定して、あらかじめ直史の試験の座席を一番後ろの一番右端


5年生の座席をに詰めておいたのだ。




相当大きな声で話さないかぎり、うるさくて集中出来ないほどの邪魔にはならない。





カジケン  『直史なんかテスト始まってすぐシャーペン置いて壁の張り紙見よったやんか!!






明らかに食い違うカジケン直史の意見




そしてびっくりするくらいホントのことしか言わないカジケンに思わず笑ってしまいそうになったw






カジケン  『そうやって僕らを悪者にして塾辞めさそうとしたって無駄やけん!


                            直史は嘘しか言ってないんやけん!』








カジケン・・・・・









正解っ!!  とか言いたかったけどやめた。




やっぱこいつ頭いいな・・・。









その場はなんとか林先生がおさめ、小学生を帰らせた後で塾長が言った。




塾長  『直史んとこの親がさ、ものすごい過保護っていうか、直史の言うこと全て信じるんよ。



      塾にも何度もクレームの電話かかってくるもんね、


      「5年生のうちの息子への扱いはいったい何なんですか!?」って。』




やっぱり親が親として子どもを守ってやることは当然だと思うけど、子どもがホントに間違った子に育ってほしくないなら、


「ホントにあなたは悪くないの?」


「相手の子たちがどんな悪いことをしたの? あなたはどうすればよかったの?」


とかって、ちゃんと自分自身の行動とか相手の行動とかを客観視できるように、子どものうちは親が仕向けてやらないとダメだと思うな、俺は。


自分の子の言うことが正しいって丸ごと鵜呑みにするのはやっぱよくないしね。




読者の皆さん、お互いモンスターペアレンツにはならないように頑張りましょww









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