　「あまりのあるわり算」の単元最後は，活用授業として「毒キノコを食べるなゲーム」をします。ルールは左のようなものです。２１個のキノコを１列に並べまず。左から順に食べていきますが，最後の１個が「毒キノコ」になっています。
　ゲームは２人で勝負します。交互に食べていきますが，１回に食べられるのは３個までです。この条件で食べ合い，最後の毒キノコを食べてしまった方が負けになります。
　ゲームは先生対代表児童でやっていきます。何度かゲームをするのですが，毎回私が勝ちます。勝敗に対する一喜一憂の言葉の中から，少しずつゲームのしくみについての言葉が出てきます。最初は，残り５個，になった時点で，
「もう負けだ。」
という言葉です。その意味を確認していきます。
「１個とれば先生が３個，２個とれば先生が２個，３個とれば先生が１個とってしまう。」
など，どうやっても勝てないことを表現してきます。ということは，この「残り５個」の状況にしなければいいので，もっと工夫してゲームをするように促します。
　しかし，残り９個になった時にまた同じ言葉が出てきました。子どもからは，
「前と同じ状況になった。」
という言葉で出てきました。その意味は，毒キノコを除いた普通のキノコが４個ずつになっていることです。ということは，この「残り１３個」にしなければよいのです。
　ところがさらにやっていくと，また同じ状況になり，子どもたちは，
「先生が先にやらないとダメ。」
と言い始めました。
　さらに，
「先生の取り方に規則があるように思う。」
という意見が出て，その規則として，
「合計４個になるようにとっている。」
という意見でまとまっていきました。そこで，
「この状況を式に表すとどうなりますか。」
と，直接的発問をしてみました。子どもたちから出てきたのは，
「４×５+１=２１」
という式でした。これに対し，別の児童から，
「わり算の確かめ算みたいだ。」
と反応が返ってきました。そこでもとに式はどうだったのかをたずねると，
「２１÷４=５あまり１」
という本時のねらい通りの式が出てきました。これでねらい達成です。すると子どもたちから，
「ちがう数字でやりたい。」
という意見が出たので，１回に食べられる個数を４個にしてみたのですが，やはり私が勝ちます。この状況は「２１÷５=４あまり１」なので，また負けてしまいます。そこで今度は私が先手でやると，ようやく子どもたちが勝ちました。大逆転と「花丸」をかいて授業は終了しました。

　

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「毒キノコを食べるな」