ビッドシステムとコンベンションは、ブリッジ初心者が最も混乱しやすい部分です。
実は、
ルール
↓
ビッド
↓
ビッドシステム
↓
コンベンション
という階層になっています。
全体像
まず通常のトランプゲームとの違いを図にすると
手札
↓
何を宣言するか
↓
パートナーに情報を伝える
↓
最適契約を見つける
ブリッジでは、
ビッドは契約を決めるだけでなく、情報伝達手段でもある
ことが重要です。
ビッドシステムとは
一言で言うと
ビッドの意味を事前に決めた辞書
です。
例えば
1♥
というビッド。
ルール上は
「ハート契約を希望」
という意味しかありません。
しかし実戦では
ハート5枚以上
12〜21HCP
などの意味を持たせます。
この約束の集合が
ビッドシステム
です。
なぜ必要なのか
例えば
自分
♠AKQJ3
♥KJ5
♦A42
♣Q94
という手札があるとします。
パートナーには見えません。
そこで
1♠
と宣言して
私は強めです
スペードが長いです
``
と伝えます。
つまり
ビッド
=
暗号化された会話
です。
システムの目的
最終目的は
最適契約の発見
です。
具体的には
部分点
ゲーム
スラム
のどこに行くべきかを判断します。
主なビッドシステム
世界ではいくつかの大流派があります。
Standard American
アメリカ系
5枚メジャー
が特徴。
現代の最も標準的なシステム。
例
1♥
→
ハート5枚以上
2/1 Game Force
現在の競技ブリッジの主流。
Standard Americanを発展させたもの。
特徴
ゲーム到達を重視
競技会では非常に多い。
Acol
イギリス系
特徴
4枚メジャー
日本では昔はこちらの影響も強かった。
Precision
強クラブシステム
1♣
↓
非常に強い手
を意味する。
自然なビッドではなく
人工的なビッドが多い。
自然システムと人工システム
大分類
Natural
Artificial
になります。
Natural
自然な意味
例
1♠
スペードが長い
Artificial
人工的意味
例
2♣
クラブとは無関係
強い手です
このタイプを
コンベンション
と呼びます。
コンベンションとは
定義としては
人工的な意味を持つビッド
です。
通常
1♠
=スペード
ですが
コンベンションでは
2♣
=強い手
2♦
=特定の分布
4NT
=エース問い合わせ
のようになります。
有名コンベンション一覧
競技者ならまず知っておくべきもの。
Stayman
最重要。
例
1NT
↓
2♣
意味
4枚メジャーありますか?
という質問。
実際には
♣の長さ
とは関係ありません。
Jacoby Transfer
1NTに対して使う。
1NT
↓
2♦
意味
ハートを持っています
実際には
2♦
↓
2♥を要求
になります。
特徴
弱い手
強い手
どちらでも使える
世界中で標準。
Blackwood
超有名。
4NT
で
エース何枚?
と尋ねる。
回答
5♣
5♦
5♥
5♠
で枚数を伝える。
主用途
スラム調査
Roman Key Card Blackwood (RKCB)
現代標準。
Blackwoodの発展版。
確認対象
4エース
+
切り札K
スラムの精度が高い。
Gerber
4♣
でエース問い合わせ。
主に
NT契約
で使用。
システムとコンベンションの関係
よくある誤解。
コンベンション単体ではシステムになりません。
構造として
ビッドシステム
├── オープニング
├── レスポンス
├── リビッド
├── スラム探査
└── コンベンション
``
です。
例えば
2/1 Game Force
というシステムの中に
Stayman
Jacoby Transfer
RKCB
Splinter
Cue Bid
などのコンベンションが組み込まれています。
実戦でよく使われるコンベンションの位置づけ
初心者
Stayman
Transfer
↓
中級者
Blackwood
Gerber
↓
上級者
RKCB
Splinter
Cue Bid
Lebensohl
Drury
Michaels
Unusual NT
一枚でまとめると
ブリッジ
│
├─ ルール
│
├─ ビッド
│
├─ ビッドシステム
│ │
│ ├─ Standard American
│ ├─ 2/1 GF
│ ├─ Acol
│ └─ Precision
│
└─ コンベンション
│
├─ Stayman
├─ Jacoby Transfer
├─ Blackwood
├─ RKCB
└─ Gerber
競技ブリッジの観点では、
ビッドシステムは「言語そのもの」、 コンベンションは「その言語で使う専門用語や定型文」
と考えると非常に理解しやすいです。