初心者向けを超えて、競技ブリッジのスコアリングを網羅的に理解するための体系図を示します。
実はブリッジの得点は、
最終得点
= 契約点
+ ボーナス
+ オーバートリック
または
= ダウンペナルティ
という構造になっています。
全体構造
コントラクト成立
│
▼
┌──────────────────┐
│ 契約達成したか? │
└──────────────────┘
│ │
YES │ │ NO
▼ ▼
契約点を計算 ダウンペナルティ
│
▼
オーバートリック加算
│
▼
ボーナス加算
│
▼
最終得点
① 契約点(Trick Score)
契約レベルだけ計算対象です。
たとえば
4♠
なら
4レベル分
``
だけ数えます。
超過分は後で計算します。
各スートの価値
♣ = 20点
♦ = 20点
♥ = 30点
♠ = 30点
NT
最初の1トリック = 40点
以後 = 30点
例
2♦
20 × 2
= 40
4♠
30 × 4
=120
3NT
40 + 30 + 30
=100
② パートスコアとゲーム
契約点だけ見ます。
ボーナスはまだ見ません。
パートスコア
契約点 < 100
例
1NT = 40
2♥ = 60
3♦ = 60
ボーナス
+50
ゲーム
契約点 ≥ 100
例
3NT = 100
4♥ = 120
4♠ = 120
5♣ = 100
5♦ = 100
ボーナス
非バル
+300
バル
+500
③ バルネラブル(Vulnerable)
略して
バル
または
Vul
役割
成功時
→ ボーナス増加
失敗時
→ ペナルティ増加
イメージ
非バル
低リスク低リターン
バル
高リスク高リターン
④ スラムボーナス
スモールスラム
6レベル
12トリック契約
例
6♥
6NT
追加ボーナス
非バル
+500
バル
+750
グランドスラム
7レベル
13トリック契約
追加ボーナス
非バル
+1000
バル
+1500
⑤ オーバートリック
契約以上に取ったトリック
例
4♠契約
11トリック獲得
1オーバー
通常契約
♣♦ = 20点/枚
♥♠NT = 30点/枚
例
4♠+1
120
+
30
=
150
その後ゲームボーナス加算。
⑥ ダブル
相手の契約達成に疑問を持った時
X
を宣言。
効果
契約点2倍
例
4♠ → 120
4♠X → 240
ただし失敗時のペナルティも増加。
⑦ リダブル
さらに
XX
を宣言。
効果
契約点4倍
例
4♠ → 120
4♠X → 240
4♠XX → 480
⑧ インサルトボーナス
ダブル契約成功
+50
リダブル成功
+100
俗に
Insult Bonus
と呼ばれる。
⑨ ダウンのペナルティ
ここが最も複雑。
非バル・ダブルなし
1ダウン = 50
2ダウン = 100
3ダウン = 150
つまり
50 × 不足数
バル・ダブルなし
100 × 不足数
例
4♠
2ダウン
↓
200点
相手へ。
ダブルされた場合
非バル
1ダウン = 100
2ダウン = 300
3ダウン = 500
4ダウン = 800
以後 +300
バル
1ダウン = 200
2ダウン = 500
3ダウン = 800
以後 +300
競技では
3NT
4♥
4♠
へダブルを掛けるかどうかが大きな勝負になります。
実戦で頻出する得点
覚えておくと役立つ代表例です。
| 契約 | 非バル | バル |
|---|---|---|
| 1NT | 90 | 90 |
| 2NT | 120 | 120 |
| 3NT | 400 | 600 |
| 4♥ | 420 | 620 |
| 4♠ | 420 | 620 |
| 5♣ | 400 | 600 |
| 5♦ | 400 | 600 |
| 6NT | 990 | 1440 |
| 6♥ | 980 | 1430 |
| 7NT | 1520 | 2220 |
| 7♠ | 1510 | 2210 |
最終まとめ
競技ブリッジの得点体系は本質的に
契約点
↓
ゲーム判定
↓
ゲームボーナス
さらに
スラムボーナス
さらに
オーバートリック
または
ダウンペナルティ
という階層構造です。
契約
├─ 達成
│ ├─ 契約点
│ ├─ オーバートリック
│ ├─ ゲームボーナス
│ ├─ スモールスラム
│ └─ グランドスラム
│
└─ 失敗
└─ ダウンペナルティ
競技者目線では、細かな計算を暗記するよりも、
「3NT・4♥・4♠・5m がゲーム」「6レベルはスラム」「バルかどうかで期待値が大きく変わる」
という構造を理解することが得点戦略の核心になります。