🎭 芥川龍之介 × 三島由紀夫

――「20年党」をめぐる対話――

芥川「未来を語る政党、ですか。なるほど、制度に詩を与える試みとしては興味深い。だが、20年後の社会像など、果たして人間の理性で描けるものですかね。未来は常に、狂気と偶然の影に潜んでいる。」

三島「だが芥川さん、制度とは偶然に抗うための美学です。20年先を語るとは、国家に対して“死なぬ覚悟”を問うこと。刹那の人気に流される政治ではなく、未来に殉ずる政治――それが“20年党”の精神ではないか。」

芥川「殉ずる、ね。あなたはいつも死を制度に組み込もうとする。だが私は、制度の裂け目にこそ人間の真実があると思うのです。20年党が制度を詩にするなら、その詩には“破綻の予感”も織り込まれていなければならない。」

三島「むしろ私は、制度を“美”として完成させたい。20年党は、未来を構想することで、国家に形式美を与える。5年ごとのレビューは、まるで能の間狂言のように、構想と現実の緊張を調律する。」

芥川「形式美は、しばしば空虚を隠す仮面にもなりますよ。制度が詩であるなら、その詩は“未完”であるべきです。20年党が本当に未来を語るなら、“語りきれなさ”を制度に刻むべきでしょう。」

三島「未完であることを恐れぬ制度――それは確かに、強い。だが私は、未完を美とするには、まず“構想の完成”を目指さねばならぬと思う。20年党は、制度の“跳躍”を国民に見せるべきだ。」

芥川「跳躍の前には、沈黙がある。制度の沈黙を聴ける政党であってほしいですね。」