🎭 芥川龍之介 × 三島由紀夫
場所: 架空の書斎「虚構庵」 時: 未来提示の会、設立前夜
芥川龍之介: 未来を提示する、とは妙な言葉ですね。未来とは常に不確かで、我々の想像力の彼方にあるものだと思っていましたが。
三島由紀夫: 不確かだからこそ、提示するのです。未来を「予言」するのではなく、「構想」として差し出す。これは政治というより、演劇に近い。舞台装置としての国家、脚本としての制度。
芥川: なるほど。つまり「未来提示の会」は、制度を詩のように書き、時に書き換える劇団のようなものか。だが、観客は誰です?国民ですか、それとも歴史ですか?
三島: 両方です。だが、歴史に媚びるのではない。歴史に殉じるのでもない。未来に責任を持つという、極めて倫理的な態度です。私はそれを「制度の美学」と呼びたい。
芥川: 制度に美学を?それは危うい。制度は本来、冷たいものです。詩情を持ち込めば、制度は歪む。
三島: 逆です。制度に詩情がなければ、人は制度に従わない。詩とは、制度の魂です。未来提示の会は、制度に魂を吹き込むための装置なのです。
芥川: ……詩が制度の魂であるならば、制度は詩の器であるべきですね。ならば、5年ごとのレビューは、詩の朗読会のようなものか。
三島: その通り。制度詩の朗読会。国民がその詩を聞き、書き換える。制度は完成しない詩であるべきだ。
芥川: 未完の詩としての国家。……それは、私の「河童」たちが夢見たものかもしれませんね。