EUROも準決勝を前に小休止中。日本列島では、あーだこーだ優勝希望飛び交ってますな
ドイツvs. スペイン決勝では当然過ぎるから、どっちも準決勝で負けて、イタリアvs. ポルトガルで
他、まぁ欧州選手権なんて、極東の日本人大半には野次馬的観戦でしょ
それはそれで構わず、好きなチーム応援すりゃいい話ですけど
ただね
「○○のサッカーは魅力的。●●はダサイ」
そういう基準での優勝希望の場合、少々引っかかる
同じ基準で、青いフナ侍を応援出来るのかいなと。つまらん内容での勝利でも大喜びの面々は特に
自国代表と外国代表では違う?
だったら、外国代表と取り巻く環境の是非は関係無く、韓国叩きみたいなのはお止しなさい
第三者的視点で見たら、挙国一致大応援団の日本も韓国とそう大差無いですよ
今大会EUROB組、ドイツとの第3戦に勝ってりゃ、準々決勝に行けたはずのデンマーク
デンマークは鉤十字ドイツに占領された欧州諸国の中で唯一、ほぼ全員のユダヤ人が助かっている
デンマークは昔からユダヤ人に寛容で、社会に受け入れ、尊敬し、平等な扱いを与えていて
国王は公然とユダヤ人移送の反対を表明、ユダヤ人との連帯を示すなど
デンマーク人は、ユダヤ人問題を孤立した少数民族の問題でなく、デンマーク国民全体の問題として考えていた
各強制収容所が解放され、最初に国に戻れたのは、デンマーク国籍のユダヤ人であり
移送された464人のうち、死亡したのは51人だけだった(移送者、生存者、死亡者いずれも奇蹟的数字)
漁師から政府高官に至るまでデンマーク人全体が、あの手でこの手でユダヤ人救出を行い
自力で行動出来ない障害者や老人たち、自分を守る財力持たない貧しい人々以外
実に90%以上のデンマーク・ユダヤ人が強制収容所移送を逃れた
ユダヤ人に避難場所を与えたのは、中立国スウェーデン政府
ドイツの敗北は時間の問題だと見て、ドイツ政府を怒らせるを熟知した上での判断だった
EURO1992年大会の時
本大会出場が決定していたユーゴスラビアが内戦による国際試合参加禁止の制裁により出場権を剥奪され
予選同組2位の、休暇先でボーッとしていたデンマークが呼び出され
夢見心地のままプレーしたのかは知らんが、よりによって極悪ドイツに勝っちゃって欧州制覇
統一後初のタイトル逃がしてガックリの反対側では、開催国スウェーデンの皆様も沸き上がる北欧勢
何でもスタンドからはドイツに対して、「Auf Wiedersehen!(さよ~なら~。再見)」
一方ドイツでは、一部のアナーキー集団とはいえ、デンマークの優勝を祝ったといいます
当時商業主義へと向かうブンデスに疑問を呈していた彼らは
反民族主義、反ファシズムから、鉤十字歴史持つ国を代表するドイツチームにも背を向けました
現代におけるドイツ人の存在意義と責任を強く感じればこそ、自己に甘く他人に厳しいのは許せなかったよう
40年あまり前、あるハリウッド女優が、ベトナム反戦女優を批判しました
「アメリカ人がアメリカ批判するなんておかしい」と、米軍慰問に精魂傾ける勢いでした
前者はスウェーデン生まれ移民なので、自分を受け入れた国への感謝と忠誠心が強く
米国上層中流まれの後者が生意気な世間知らず小娘に見えたのですね
後者はのちに、反戦運動に見られた誤りを在郷軍人会などに謝罪しましたが
自己批判精神は決して間違っていなかったと思います
ドイツは歴史教科書を作成する際、近隣諸国に意見を聞き、お互い持論譲らずで議論白熱あるとか
しかしながら、自国の過去と向き合い、未来に禍根を残さないようにという姿勢は建設的です
外国による自国批判は、発言権認めない、無意味で受け入れらないというのであれば
それじゃ、一体誰が、自国の是非を判断し、批判すべき点は追及、許されるというのですかね?