少し前のニュース記事を整理していたら
【EU発!Breaking News】「バイバイ」。自殺をFacebookに書き込んだ女性と、無視した1000人以上の『友達』。(英)
2011年01月08日10時00分
提供:Techinsight Japan
イギリス南部に住む42歳の女性が自殺した。彼女は自殺前、ソーシャルネットワーキングサービス『Facebook』でそのことをほのめかしたのだが、それに対する1000人以上もの『友達』からの反応は、冷たいものばかりであったという。
発端は、この女性がFacebook上の自分のページに、『私はもう、睡眠薬を全部飲み干したの。もうすぐ死ぬよ。バイバイ、みんな』と、自殺をほのめかすコメントを書いたことだった。
彼女のFacebookには1048人もの『友達』が登録されていたのだが、この書き込みに対し、誰一人として彼女を心配したり、自殺を思いとどまらせようとコメントする者はいなかった。
それどころか、彼女のことを嘘つき呼ばわりしたり、意地の悪いコメントを返す『友達』ばかりであったという。
書き込みから17時間後、女性の書き込みを見た誰かにそのことを伝えられた女性の母親が、警察に通報した。
だが警察が女性の家を訪ねた時には、女性は既に自殺していた。
Facebook上の彼女の『友達』の内、非常に離れた所に住んでいる何人かは、彼女を助けるために住所や電話番号探し出そうと行動していたという。
実際、彼女の母親に通報したのは『友達』の中の誰かであったのだから、彼女の書き込みに対してページ上で表現しなかっただけで、心配している人も多かったということである。
だが逆に、彼女の近くに住んでいた『友達』は、彼女の書き込みに対し行動を起こしたり反応を示すことは全くなかった。
彼女の死後、母親は娘のFacebookに「娘は自殺しました。皆さんどうぞ、私達をそっとしておいて下さい」と書き込んだという。
女性を非難した『友達』は、このメッセージを目にして一体どう思ったのであろうか。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)
( 出典先:livedoorニュース )
これを読んで思い出したのは
The Slender Thread (1965) - 10/10
6月の夕暮れ。シアトル市立自殺防止協会に1人の女性から電話がかかってきた。そして、電話を受けた宿直のアルバイト学生、ニューウェル(シドニー・ポワチエ)の顔はみるみるうちに蒼白となった。女はインガ(アン・バンクロフト)という中年の女性で、夫マーク(スティーヴン・ヒル)との不和から、睡眠剤の致死量を飲んだというだけで、住所やその他一切のことははっきり聞きとれぬ状態だったからだ。この瞬間から、1本の電話線が女の命をつなぎとめるかぼそい糸になった。ニューウェルはインガと話を続けて、なんとかして住所を聞き出そうとつとめながら、一方では彼女の生命を救う手配をしなければならなかった。大ぜいの人間がニューウェルに加わって、インガの生命を救う戦いが始まった。すでに帰宅していたコバーン博士(テリー・サヴァラス)が協会に戻ってきた。さらに電話会社と警察が逆探知で、広い地図の中から女の居場所をしぼっていった。彼らの必死の努力にもかかわらず刻々と時間は迫り、ニューウェルにとって残された唯一の手段は、インガに勇気をふるいおこして、生きることの尊さを訴えることしかなかった。しかしながらニューウェルの声が大きくなればなる程インガの声は細く弱くなっていった。コバーン博士の後8分しかないという声をニューウェルが耳にした時、インガの声が聞こえなくなった。受話器を片手に、がっくりひざまずくニューウェルの側にいつしかマークの途方にくれた姿があった。その時、別の声が電話から聞こえてきた。警察からだった。インガがみつかり、まだ呼吸があるというのだった。インガは救われた。ニューウェルは喜んでいる人々のあいだで、複雑な感情を抱きながら、静かに彼の受持ちの電話に戻って、次の電話の受話器をとりあげた。
( Movie Walker:『いのちの紐』より引用 )
「Facebook上の彼女の『友達』の内、非常に離れた所に住んでいる何人かは、
彼女を助けるために住所や電話番号探し出そうと行動していたという。
実際、彼女の母親に通報したのは『友達』の中の誰かであったのだから、
彼女の書き込みに対してページ上で表現しなかっただけで、
心配している人も多かったということである。
だが逆に、彼女の近くに住んでいた『友達』は、
彼女の書き込みに対し行動を起こしたり反応を示すことは全くなかった。」
本当に自殺する気か、狂言か、いずれにせよ
非常に離れた所に住んでいる何人かは、飛んで行けないので電話で確かめようとしたのでしょう
姿は見えないけれど、声の調子から判断、自殺が本気であれば思い止まらせるべく説得するため
彼女の近くに住んでいた『友達』は
現実の友達という、目の前にいても実は何を考えているか掴み切れない者だけにしか信頼置けない
見かけ倒しの相手と楽しく会食しながら、自殺予告を「バカじゃねえの」と笑っていたのでしょう
誰が本当に自分を心配し、必要な時には駆け付けてくれるか、考えたり判断したりとは無縁
生涯に渡って皮相な人間関係のまま、誰からも本当には信頼されず朽ち果てていくのでしょうね