悪魔と天使の黙契が交わされし地 | mathichenの徒然なるままに

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mathichenの酔いどれ日記【Hatena版】
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ココに常駐中

8月に入ると、NHKでよく戦争関連のドキュメンタリー番組が放送されますね

映画にゆかりあるドイツの戦争秘話を2題


Edelweiss - The Sound of Music (1965)

大賢者様の‘サウンド・オブ・ミュージック’(1965年)トラップ大佐を参照でわかる通り
映画は史実とかなり異なっております
結婚式の場面でメデタシメデタシならば、ドイツ人は堪忍出来るそうな
その後の展開は典型的なハリウッド公式、『鉤十字ドイツ=極悪非道』ですからね

~1938年、オーストリアがナチス政権下のドイツに併合(アンシュルス)される。ゲオルクはナチスの旗を家に飾ることを拒否し、ドイツ海軍省からの召集も拒否した。また、アドルフ・ヒトラーの誕生日にミュンヘンで行われるパーティーで、一家が祝福の歌を歌うことを要求され激怒しつつも、これ以上ナチスに抵抗すれば家族に危険が伴うことを恐れ、一家でオーストリアを離れることにした。~

( Wikipedia:『ゲオルク・フォン・トラップ』より引用 )

数年前、トラップ家の娘の1人が語った所によれば
鉤十字党員であった執事が陰で尽力により国外脱出に成功したそう

執事は恐らく世渡りのため入党、で、大佐も黙認していた
執事はある日、大佐にそっと忠告を
「私は党より、ご主人様の監視報告を命じられております。言動にはくれぐれもご注意を」
大佐が友人との食卓でお上批判を繰り広げているのを見かねたため
国境封鎖の情報を知るや、反体制一家が逃げ遅れる事無きように、日時を伝えた

長年お仕えするご主人様への忠誠心は、主義信条や公的立場が対立でも変わらぬ証


YOU EXPECT ME TO TALK?

‘007 ゴールドフィンガー(1964年) ’、怖すぎるってば~

『ユダヤ人への援助』

~ナチス党政権下のドイツにおいては、ナチス党員であったが、その党員の肩書きを隠れ蓑に、第二次世界大戦中はドイツ国内のユダヤ人の国外脱出を援助し、ウィーンでユダヤ人をかくまっていた。

戦後になり、あるユダヤ人家族がフレーベに救助されたことを明らかにするまで、イスラエルでは「元ナチス党員の俳優」とされていたために、『007 ゴールドフィンガー』の上映は禁止されていた。~

( Wikipedia:『ゲルト・フレーベ』より引用 )

鉤十字えらいさん制服役をよく演じるだけでなく
鉤十字党員の経歴を早くよりカミングアウトしていたのですね

‘バンクジャック’(1971年)では、人の好いオメメ可愛い銀行幹部爺さんを演じておりました
人柄はサイコーに良かったといいます
戦時中、衛生兵として後方支援に赴いた際なんて
目の前に負傷者が転がれば、連合軍兵士であっても救いの手を伸ばして優しく治療したくらい

…何が言いたいか?

鉤十字占領下のオランダやフランスなどで逮捕されたユダヤ人の中には
占領や戦争の前に移住や亡命が多数
たまたま運が悪くだけでなく、お上のくれるカネ目当てや保身による裏切りや密告からもわんさか

‘ベルリンは夜’(1985年)、これは創作ですけど
誤解を恐れずに書けば、鉤十字下のドイツが最もユダヤ人にとって安心な国の側面ありました
アーリア人が匿っていたケースは少なからずの模様
ユダヤ人的風貌で無ければ、偽のアーリア人身分証明証を手配したりも
(ちなみに、ポーランドには、アーリア人としてアウシュヴィッツ収容されたユダヤ人女性の例あり)
何しろ…金髪碧眼の鉤十字将校として生き延びた、そんなユダヤ人男性が実在した国ですから!