微小量を考える | Project Medicus

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いろいろ。

今回のネタは次の設問。

Project Medicus-12慶大・医

(1)はともかく(2)で手が止まった受験生が多かったのではないだろうか。この年度は確率も図形も比較的解きやすく、やや難易度は高いが数学で差をつけるなら本問を完答したい。

(2)の文章誘導に従えば、先にdV(α)/dαを求めてから、それを積分してV(α)を求めろという話になる。典型的な微積の問題とは逆の順番で関数とその導関数を求めることには誰もが一瞬違和感を感じるだろう。

完答への条件は、まずこのタイプの設問を解いた経験があること、そしてdV(α)/dαの持つ2つの意味に気付くこと。前者を満たさない受験生はそもそも準備が不十分だと言わざるを得ない。重要なのは後者である。

dV(α)/dαを見てまず思い浮かべるのは「関数をルールに従って微分したもの」であり、これは当然のこと。だが、これが「微小量の比」であることに気付く受験生はそう多くないのだろう。微小部分dαは微分の記号というだけでなく、同時にれっきとした数量でもある。だから与式の両辺にdαをかけて右辺へ移行させることも可能なのだ。

これを思い出した時に活きてくるのが完答への条件のうちの前者である。すなわち、「図形のα≦θ≦α+dαの部分を考えると微小体積dV(α)が求まる」という有名事実を知っていること。これで方針が定まる。

dV(α)を具体的に計算する方法が分からないと疑問に思うかもしれないが、それを解決するのが(1)だ。「dαは十分小さいから、θがα≦θ≦α+dαをみたすとき、r≒f(α)である」。これより(1)を誘導として用いることができ、後はただ計算するだけの問題になる。

極座標というあまりお目にかかれない題材の背景に微積の基本的な考え方を隠した良問である。

最後に考え方のおさらい。
先に導関数を求めるのはなぜだろうか?
→そういえば、dV(α)/dαには「微小量の比」という意味もこめられている
→dαを用いてdV(α)を近似しろということではないだろうか?
→確かに(1)が誘導として使える