無事おじいちゃんの骨をおさめて、再び葬儀場へと戻る。


場内へ入ろうとすると再びオオタ主任がやってきた。


「結局、お別れの言葉がどなたになったか、とか、お決まりですか?」


私「ええええ!?(そうか決まってなかったのか!)いやー昨日うやむやになってしまって~~・・・」


オオタ「どうしますか?今決められますか?」


「じゃあ、私言います!(どーん)」


オオタ「おお!では早速立ち位置などの打ち合わせをするので、こちらへ!」



文章も何も書いてないので、残り30分のうちで書き上げることに。


オオタ主任「いやー、度胸ありますねー。普通の人はやりたがりませんよー。」

母親「いや、がめついというか・・・w」


でもお母さんは内心うれしかったみたいで、オオタ主任のこのセリフを何度も周りの人に言っていた


このこと聞きつけてミドリさんとミコトくんもやってきた。


私「なに書けばいいかわからない・・・ていうかおじいちゃんとの思い出・・・無い。。。」


ミドリさん「ミコトならなんかあるんじゃないの?」


ミコトくん「なんかなーおじいちゃんに怒られたことしかないw」


私「そうなの?wwおじいちゃんが怒るなんて知らなかったわw」


ミコトくん「一回ねー、間違ってトイレの電気消しちゃったらねー、めっちゃ怒ってきてぶん殴られたw」


私「マジでwww知らなかったwww」


ミドリさん「おじいちゃんねー、子供が大人になったような人だったよー。そういう感じで書くさー。」


ミコトくん「うちのお父さんと性格同じだもーん。てかお父さんもベルトでしょっちゅう頭叩かれたって言ってたーー」


私「そういう人だったの・・・・マジで初めて知った・・・wwwwすげーー。よし、これで書こう!」


  『おじいちゃんは孫がトイレの電気を間違って消したり、ペットがうるさかったりすると、

  いやおうなしに怒りました。』


ミドリさん「いやいやいやwwwそれちょっと危険ラインwwwもっと文章オブラートに包んでwww」


  『おじいちゃんは穏やかな印象がありましたが~~~いやおうなしに叱りました。

   お父さんたちには厳しくて、ベルトで頭をたたいたり』


ミドリさん「それもだめwwwだめよwwww」

私「もっとマイルドにして・・・」


  『でもお父さん、おじさんたち、孫たちに対して明るく楽しく接してくれました。』


ミドリさん「よし!いい調子!そんな感じの文章で。」


 『おじいちゃんが死んで悲しいけれど』


ミドリさん「実はねーおじいちゃん死んだって実感が、まだうちの家ないんだけん。」


ミコトくん「いっつも前通る時 よっす! って挨拶するぐらいだしさー、最近ずっと部屋の中にいたし~~」


 『おじいちゃんが死んだ実感がまだわかないけれど、これからだんだん悲しくなっていくと思います。

 おじいちゃんありがとう、さようなら。』


オオタ主任「そろそろお時間が・・・」


「ああ!はい、いきます!」


なんとか速攻で完成させた文章を、緊張しながらも、読みました。

昔っから音読は得意だったので、結構うまく行きました。



葬式がやっと終わり、またみんなで食事。一日四食www


おじいちゃん「いやースズキちゃんよかったよー。落ち着いてた(真顔で)。」


ミドリさんのお父さん「お別れの言葉ね、まさにあの通りだよおじさんは!」


私「はぁ」


ミドリさんのお父さん「よかったよかった素晴らしかった!」


私「へぃっ」


私「おじいちゃんってそんな軍人気質だったんだね、知らなかったんだけどw

パパもそんな殴られたの?」


父親「いや、覚えてないwww」


私「なんだそれwwww」

マジで父親は子供時代を覚えてないらしい。


みんなでワイワイ食事を楽しんだのち、解散。

私とお母さんでおじいちゃんおばあちゃんを送っていく。


すると葬儀の片づけをしていた父親から連絡が。


父親「今実家にいるんだけど、親父持って帰るの忘れてきたwww




またかよ!!



<完>