いつもご覧いただき、ありがとうございます。

 

昨日も帰って来て爆睡でした。

毎日映像で更新講習を受講することにも慣れてきました。

 

さて、昨日記事にしようと思ったのは、

 

「履修主義」と「習得主義」

 

についてです。

 

 

↑【参考】文部科学省 「義務教育制度の改革の方向」

 

 

日本の学校教育は「履修主義」が主です。

履修主義は、1年間で教科書のどこからどこまでの

授業を受ける、というものです。

 

この観点だと、切り口は教科書の進んだ量になります。

生徒が理解しているかどうかではなく、とにかく教科書を進めることに

主眼が置かれます。

 

生徒の理解定着が図られないといけないので、定期的に試験を行うことで、

理解度を点数づけし、評価の対象とします。

 

これだと、何をどこまでやればいいかが明確で、1年間のビジョンもよく見えるのですが、

一度置いていかれると、取り戻すのが大変であるというデメリットもあります。

しかし、それであっても進級ができてしまう場合が多いことが学校の現状です。

 

数学に置き換えて言えば、この手法で、最初から最後までついてこられるのは

全体の何%なのでしょうか?

 

高校生で正負の計算ができない生徒を見ると、これでいいのだろうか、と思います。

 

 

習得主義とは、ある一定の理解度を達成した生徒を進級の対象とするものです。

授業の中でも、生徒がどれだけ理解をしたかを重視するため、振り返りをさせたり、

グループワークで理解を深めたのちに、レポートを仕上げたりします。

担当の教員はそれを確認することで、評価とします。

 

現在の授業時数では、振り返りの時間をとると教科書を進めるスピードを落とすことに

なるため、「反転学習」が取り上げられています。言い換えれば、予習です。

授業中は予習の振り返りやさらに深掘りすることような展開がされます。

 

問題は、教員がそのような授業を受けた経験が多くないため、なかなか展開が進まない

ことです。

 

アクティブラーニングやPBL(Project Based Learning)などは、習得主義が根幹にあります。

自分で主体的に考え、表現することで、1つの内容を深いところまで理解することが

求められており、今後の授業改革の主となるでしょう。

 

しかし、履修主義の授業の方が圧倒的にやりやすい上に、まだ新しい授業については

抵抗があるようです。これからは習得主義にしていかないと、これからの時代に求められる

学力を身に付けた生徒は出てこないかもしれません。

 

私は今、習得主義で授業を進めています。

普通の授業なのですが、みんなを巻き込んでハイパースローに授業を進めています。

教科書のスピードは圧倒的に遅いのですが、生徒はある程度やる気になってきています。

これを見ると、教科書をただ進めるだけでは、勉強嫌いをつくるだけだと思います。

そうではなく、目の前の生徒が授業を通じてどうなってほしいかをイメージし、

そのイメージに合わせた授業をすることが必要だと感じます。