今回はちょっと題名から攻めていますが、これは将来の夢を持って頑張っている人を非難するものではありません。

これは、最初に申し上げておきますね。

 

それに夢は早い時期から持つ方がいいのは真実です。

それは単に、その夢が叶う確率が早ければ早いほど高くなるから。

 

これにはある明確な理由があるのです。

 

例えば、10歳のころからパイロットを夢見る男の子と、15歳からパイロットを夢見る男の子の二人がいたとします。

 

この二人の違いはなんでしょうか?

専門的な勉強は大学に行ってからがメインになるでしょうからあまり変わりありませんが、圧倒的な違いが両者には生まれます。

 

それは、”無意識の中における”情報収集の量なのです。

 

人はある物を意識しながら生活すると、普段の生活の中から”無意識的に”情報を収集する生き物なのです。

 

例えば、ミスチルの歌が大好きな彼氏と別れてしまった女の子が、街の有線から流れるミスチルの楽曲に自然と反応するようなものです。

 

ミスチルの歌になんの興味もない人からすれば、有線から彼らの音楽が流れていようと気にも留めません。

しかし、その女の子が”たとえミスチルそれ自体に興味がなかったとしても”、彼らの音楽を”無意識的に”拾ってしまうのです。

 

このように、人は意識している対象に対して、無意識的に反応し情報を収集してしまう生き物なのですね。

 

10歳からパイロットを夢見ていた場合、このパイロットを夢見るという意識が、普段の生活から無意識にあらゆる情報を入手させるのです。

 

この差はとっても大きいですよ~。

普段からそのことを考えていますから、ビジョンも沸きますし、意志も強くなりますし、アイディアも浮かぶしでいいことづくめです。

 

ですから、将来の夢は早いうちから持った方がいいのは厳然たる事実なのです。

 

ですが!!!

 

私は中学生諸君にあえて言いたいのです!

将来の夢なんてなくたっていい!と。

 

私はね、正直腹が立っているんですよ。

やりたいことを見つけるのが善で、やりたいことが無いのは悪のような現代日本の風潮にですよ。

 

書店に行けば、そんな類の本がズラ~っと並んでいますしね。

 

「君たちはどう生きるか」

「夢をかなえるゾウ」

「君が働く理由」

これらは昔、私が「やりたいこと見つけなきゃ病」にかかっていた時に読んだ本です。

 

言いたいことは分かりますよ。

自分がやりたいこと(=将来の夢)を見つけて、それに向かって邁進する日々が素晴らしいってことでしょう。

 

それ自体は否定しませんし、そのような側面もあるとは思います。

 

ただね、中学生くらいの人生経験で見つかるやりたいことなんていうのは、ホント限られてくるのです。

だって、世の中のことなんて何にも分からないんだもん。(中学生批判じゃないですよ、単なる事実です)

 

もう30も見えてる私だって、分からないことだらけですし。

 

実際、中学生の男子にとったなりたい職業アンケートの結果がどうなのかお見せしますね。

 

1位 サッカー選手・監督など

2位 野球選手・監督など

3位 医師

4位 ゲーム制作会社関連

5位 建築士

6位 バスケットボール選手

7位 教師

8位 警察官

9位 水泳選手・コーチ

10位 テニス選手・コーチ

 

これ、中学生の彼らでも知っているくらい”認知度が高い(又は身近な)”職業と言わざるを得ません。

何度も言いますが、この中に本気で目指している中学生が居ることも十分わかっていますし、それを批判はしていません。

 

ここで言いたいのは、中学生の経験量では、将来の夢と言われてもこの範囲でしか思いつくことができないのです。

 

しかし、実際には世の中にはありとあらゆる仕事がたくさんあります。

身の回りにあるものは、全て誰かの”仕事”によって創られています。

 

この記事を打ち込んでいるPCだって、その横に置いてあるコップだって、そこに注ぐオレンジジュースだって、そのジュースのパックだって、ぜ~んぶ、仕事なのです。

 

そしてそれぞれの人が、しっかりと自分の仕事をこなしているからこそ、私たちの生活が成り立っているのです。

必要のない仕事なんてないし、どんな仕事だって世の中に必要だから存在しているのです。

 

そんな無数にある仕事がある中で、たかだか15年生きただけで将来の夢を決めろなんて無茶ですよ。

 

どこに”やりがい”を見つけられるかなんて、誰にも分からないのです。

中学・高校と楽しく学校生活を送り、大学に行き、たくさんの人と交流し、経験を増やすことで見えてくる世界だってあるのです。

 

そのような長い目で人生を捉えるキッカケを壊してしまうのが、この将来の夢を持てという言葉なのです。

 

それに、将来の夢なんて言葉を聞くと、何か大きなものをイメージしてしまいませんか?

大きなものをイメージしないと”いけない”って思っちゃっていませんか?

 

将来の夢が大きくないといけないなんてことはありません。

それに、どんな夢だって、自分の中ではそれは大きなことになるはずです。

 

さきほどのなりたい職業ランキングでも出てくるような職業は、認知度が高い故、客観的に大きなもの見えるだけなのです。

なりたい本人からすれば、どんな職業だって、大きな夢となりうるのですよ。

 

だからね、今は毎日の学校生活を充実したものにすることが最優先です。

その充実した毎日が、あなたの子どもに活力を与え、様々な人との交流を経て、「俺、こんなことをしてみたい」と自然に思えるような人生を創り上げると思うのです。

 

だから、将来の夢がないという人も、なんにも気にする必要がありませんよ。

まずは目の前の毎日を楽しく生きる。それがすべてのスタート地点なのです。

 

<続きはこちら>

「中学数学を正しく解く手順」無料プレゼント!

”自分の頭で考える子どもに育てるため”の方法を徹底解説