数学的思考に目覚める会話5-7
2点からの距離(最短経路)❼
こんにちは。ヨッシーです。私は長年数学教師をしておりました。
現在はフィリピンで日本語を教えております。
中学校のとき、三平方の定理を習いました。
この定理にはいろいろな証明があります。
これに驚きました。結果は一つでも考え方は無数にある。
自由に考えてよいのだ。
数学的思考の魅力に触れた瞬間でした。
三平方の定理(ピタゴラスの定理)は世界で最も知られている定理です。
図形の距離の問題は、三平方の定理(距離の公式)に由来します。
このシリーズは距離について考察します。
目には見えにくいが世界の背景にあるのが数学です。
最先端の人工知能もその背景は数学なのです。
数学の世界はとても美しくあります。
美しいモノは、なぜか役にも立つようです。
数学の魅力がわかれば世界が変わって見えるでしょう。
あなたもそのような数学の魅力に触れてみませんか。
数学的思考は公式を覚えるモノではありません。公式を導き出す思考です。
数学的思考に目覚めた人々が未来の世界を創造していきます。
【今回の課題】
2点からの距離の和❼
登場人物はヨッシー先生(Y先生)、努力家のM君、直観のするどいH君、
冷静なSさん。この3人とヨッシー先生の会話で構成されています。
ヨッシー先生「みなさん、こんにちは」
M「今回は何ですか」
ヨッシー先生「前回まで、2点からの距離の和について考察しました。
今回は別の観点で考察します」
M「別の観点とは何ですか」
ヨッシー先生「前に点と曲線の距離を考えました。図形の意味で考えました」
H「円が曲線に接する、その接点で距離が最小となる」1

M「上の例は、原点と直線の距離ですね」2

M「上の例は4次関数のグラフと原点の距離です」
ヨッシー先生「では、2点から直線上の点までの距離の和の問題。
図形的に考えてみましょう」3

H「何か、図形が接するのですか」
ヨッシー先生「次の図形を見てください」4

M「楕円が直線に接する時?」
H「楕円?どんな図形ですか」
S「2定点からの距離の和が一定となる点の集合」
ヨッシー先生「楕円について考えてみます」5

H「x軸上の2つの定点A、Bからの距離の和PA+PBが一定(=2a)
となる点の集合(軌跡)ですね」
M「楕円の式を求めます」6

ヨッシー先生「点A、Bを楕円の焦点といいます。
定数aの値が大きくなると、楕円が膨らんでいきます」
H「だから、楕円が接する時に距離の和が最小になるんだ!」
M「グラフソフトで描いてみます」7
H「確かに接点PでAP+BPが最小になっています」
S「y=AP+BPのグラフで確認できます」
M「グラフソフトは強力ですね」
グラフソフトで確認する。
テクノロジーを利用して数学をする。
これも数学的思考力の一つだ。
【問題】 2定点A(-c,0)、B(c,0)、直線y=mx+c
直線上の点Pに対しAP+BPの最小値を求めよ。8

M「重解条件で最小距離を求めたわけだ」
H「発想を変えたわけですね。面白いです」
ヨッシー先生「公式を確認してみましょう」9
H「確かにaの値はあっていますね」
M「自由に考えて答えが確認できる」
H「グラフソフトを使いとても面白いですね」
直線から放物線に変える。
問題を拡張する。
これは数学的思考です。
ヨッシー先生「放物線上の点と2定点までの距離の和について考えてみます。
グラフソフトで図を描いてみます」10

H「楕円を描いてみます」11

H「確かに楕円の接点PでAP+BPが最小となります」
今回は以上です。