(静かになる)フィリピン滞在記226】

 

 

38年間は日本で高校数学教師でした。

数学教師が日本語教師としてフィリピンに渡り、早くも1年。

日本に行く技能実習生に日本語を教えています。

いろいろなことがあり驚きの毎日です。

もの凄く可能性の多いフィリピンですが問題もあります。

日本から近いようで遠いフィリピンの滞在記です。

 

いつも賑やかなクラス。

仕事は建築土木系。

元気のいい男ばかりだ。

 

声も大きい。

発音がおかしいと大笑い。

笑い飛ばしている。

 

楽しい若者ばかりだ。

フレンドリーで面白い。

イジメとはほど遠い雰囲気。

 

ところが静かになる時もある。

五重塔の話。

木造建で地震に強い。

長い期間立っている。

 

地震の多い国で驚きだ。

構造上、頑丈に出来ている。

最初の創建は千年以上前だ。

 

この構造は現在も活かされている。

これも驚きだ。

現在の最先端のタワー。

東京スカイツリーだ。

 

この時、静かになる。

驚きの表情だ。

しかも美しい建物だ。

日本の技術力の一端だ。

 

彼らの目が輝く。

日本の技術への憧れ。

日本へ行きたい理由の一つだ。

 

会話練習での質問。

「日本のどこに行きたいですか」

「東京です」

「北海道です」

 

いろいろな場所が出る。

広島の話になる。

広島平和記念公園。

 

原爆ドームの写真。

一瞬で静かになる。

「何人亡くなったのですか」

 

いつも騒がしい。

それでも学びは真剣だ。

重い話で雰囲気が変わる。

 

戦争で多くの人が亡くなっている。

フィリピン人も同じだ。

彼らはどう思っているのか。

 

若い人に戦争のイメージはあまりない。

日本アニメの影響が大きい。

これも会話の練習。

 

「どんなアニメが好きですか」

「ドラえもんです」

生徒が次のように答えた。

 

「ドラえもんは美味しいですから」

「ええっ」

教室中、大笑いだ。

「面白い」の言い間違いだ。

 

今年のフィリピン。

もの凄く暑い。

暑さで公立学校はオンライン授業だ。

                     (必死で日本語を学ぶ)

外は大変な環境。

でも私の通っている教室。

静かになったり、大笑いしたり。

とても生き生きとした雰囲気だ。

この雰囲気で学べることに感謝している。