【(あなたの夢は)フィリピン滞在記223】
38年間は日本で高校数学教師でした。
数学教師が日本語教師としてフィリピンに渡り、早くも1年。
日本に行く技能実習生に日本語を教えています。
いろいろなことがあり驚きの毎日です。
もの凄く可能性の多いフィリピンですが問題もあります。
日本から近いようで遠いフィリピンの滞在記です。
「あなたの夢は何ですか」
フィリピン人生徒に聞く。
定番の答えがある。
「家を買いたいです」
「車を買いたいです」
車と家はお金持ちの証だ。
若者たちの憧れだ。
次に多い答え。
「ビジネスを始めたいです」
お金を貯めるためだ。
ではどんなビジネスか。
「レストランを始めたいです」
確かに飲食店の可能性は大きい。
いい食材が多い。
特に野菜は安くて美味しい。
果物も安くて美味しい。
マンゴなどは安くてとても美味しい。
料理の素材に活かせるはずだ。
次に多いのはお店。
お店はパン屋と米屋。
いずれも消費量は莫大だ。
甘いパンが多い。
甘すぎて私は苦手だ。
日本のパンは甘すぎない。
季節の素材を上手く使う。
体にやさしいパンも増えている。
フィリピンのお米は主食。
フィリピンのお米消費量は多い。
世界一のお米輸入国だ。
お米もまだまだ美味しくなる。
日本のお米は品種改良が進む。
温暖化の影響だ。
暑い地域の美味しいお米。
日本と協力すれば良い。
フィリピンにとってはチャンスだ。
日本と協力すれば良い。
次に多いのがアパート経営。
人口が増え続けている国。
働き手の若い人が増え続けている。
当然、住居も必要だ。
マニラ近郊の渋滞はひどい。
職場に行く時間がもったいない。
職場の近くに住みたい。
そんな人たちがいくらでもいる。
実際、コンドミニアムの建築ラッシュ。
日本では見られない光景だ。
生徒たちもよく知っている。
現実の生活からくる夢だ。
日本の若者の夢はどうだろうか。
日本の高校生によく聞いていた。
「あなたの夢は何ですか」
多い答えが以下のモノであった。
「夢がありません」
「夢がなくて困っています」
受験の目的が大きすぎるためか。
(2024/05/06 名古屋)
フィリピンの生徒にはない答えだ。
確かに置かれた環境が異なる。
単純な比較は出来ない。
フィリピンは圧倒的に貧困だ。
まず豊かな生活を望む。
貧困は命の危険につながる。
食べられない。
病院に行けないなど。
そのためにお金を貯める。
迷っている暇はない。
まずお金を貯める。
生きるための安心だ。
次にお金を増やす。
ビジネスを始める。
資金がないと始まらない。
資金が貯まってから実際の行動に移る。
夢の実現に動く。
日本人は恵まれすぎているのか。
大人も含めていえること。
恵まれていることを知らない。
日本人がいかに恵まれているか。
日本とフィリピン。
置かれている環境は異なる。
しかし、今後、あまり変わらなくなりつつある。
現在でも情報格差はほぼない。
やる気さえあれば可能性は無限大。
挑戦する勇気があればよい。
これは日本もフィリピンも同じだ。