数学的思考に目覚める会話 1

 こんにちは。ヨッシーです。私は長年数学教師をしておりました。

現在はフィリピンで日本語を教えております。

 

  ヨッシー 

 

数学の魅力に魅せられたモノですが、何でもないごく普通の人間です。

このブログでは、多くの人に数学の魅力を伝えたいと思い書いています。

特別な知識はいりません。気楽にお付き合いください。

 

 数学の魅力がわかれば世界が変わって見えます。一生の財産となると思います。

AIの台頭する時代であるからこそ、数学的思考はより重要になると思います。

入試で得点が取れるかどうかとは次元の違うお話です。

 

 数学的思考に目覚めた人々が多くなることを夢みています。

 

 今回は図形の問題。図形と言えば辺、角があります。

  

   

【今回の課題】

・角と辺はどのような関係があるのでしょうか。

 

 登場人物はヨッシー先生(Y先生)、努力家のM君、直観のするどいH君、冷静なSさん。

 

この3人とヨッシー先生の会話で構成されています。

 

 

ヨッシー先生 「みなさん、こんにちは」

M「ヨッシー先生、数学的思考が本当に分かるんですか」

ヨッシー先生「まかしてください。簡単です」

H「自信満々の先生は、少しあやしいです」

S「確かにそれは言えますね」

ヨッシー先生「最初から手厳しいね。まあ、いいとしましょう」

ヨッシー先生「図形は辺と角から出来ている」

H「当たり前です。それがどうしたんですか」

ヨッシー「辺と角はどんな関係がありますか」

M「よく分からないです。具体的に問題にしてください」

 

ヨッシー先生「それでは次の図を見てください」

M「角の二等分線ですね」

 

ヨッシー先生「この図から辺と角の関係を考えよう」

M「もう少し、問題を具体的にしてください」

ヨッシー先生「では次の図を見てください」

ヨッシー先生「∠AOE=∠EOBとします。このとき、AEとEBは等しくなりますか。

M「二つ目の図ではAEとEBは等しくありません。いったいどうなっているんですか」

ヨッシー先生「今回はこの問題を考えてみましょう。角と辺の比の関係の考察です」

 

M「どう考えるのですか」

ヨッシー先生「元に戻ります。二等分線の性質を考えましょう。まず、二等分線とは何ですか」

H「角の等しい線分ですよね」

ヨッシー先生「角が等しいと何が言えるでしょうか」

ヨッシー先生「説明できますか」

M「二等分線上に点Eをとります」

S「点Eから垂線を引き交点を点C、点Dとします」

M「そうするとEC=EDとなる」

 

  数学者パスカル(1623年~1662年)

    (数学で人生が救われたと述べている)

 

ヨッシー先生「そうです。これが二等分線の性質です」

ヨッシー先生「この性質から先ほどの問題を考えてみましょう」

 

実は④の関係式 OA/OB=AE/EB が分かっています」

S「比の関係式なんですね。証明を考えてみます」

 

H「AE/EBは三角形の面積比ではないですか」

ヨッシー先生「よいことに気がついたね」

M「なんか、出来そうですね」

 

S「AE/EB=△OAE/△OEBです」

H「あとは面積を辺と高さで表せば良い」

M「△OAE:△OEB=(1/2)OAEC:(1/2)OBED

S「これからAE/EB=OA/OB」

  (EC=EDを使っている)

H「角が倍になっても辺の長さは二倍にならないわけだ」

 

ヨッシー先生「数学の勉強というと、公式を覚えて使うと思われています。

                   でも、数学的思考は公式にいたる思考を大切にします

                   どうしてその思考に至ったのか。他の説明はないのか。

                   そこから数学の原理が分かるのです」

 

S「それが、数学的思考なんですね。他の証明も考えてみます」

                           

               今回はこれで終了です。皆さん、是非、別解を考えてくださいね。