【(イジメがある))フィリピン滞在記181】

S先生はフィリピン人先生。

16年間日本にいた。

これだけ長く日本にいた先生はいない。

いろいろな地域にいたらしい。

大阪、名古屋、東京など。

 

いろいろ聞いてみた。

「どうして帰ってきたんですか」

「日本は給料が安いからね」

「生活が苦しいよ」

 

「でも、日本はきれいで良い国だよ」

「食べ物も美味しいし」

     (日本料理は人気だ)

「だから長くいたよ」

仕事はどうでしたか。

 

「仕事に不満はない。ただ……」

何か言いたげだ。

「どうしたんですか」

 

「イジメがあってね」

詳しくは語ってくれない。

集団でいじめがあったらしい。

 

外国の方に閉鎖的な社会。

よそ者に冷たい。

日本の評判だ。

このことは他の先生からも聞いた。

 

奈良に10年いたフィリピン人のJ先生。

やはりイジメがあったそうだ。

「フィリピン人は笑ってすます」

「しかもとてもフレンドリー」

「でも日本人はそうはならないね」

 

介護施設にいた知人からも聞いた。

知人は中国人。

やはり、先輩からイジメにあったらしい。

少し話せないとバカにする。

 

この知人から次の話も聞いた。

フィリピン人介護士が働いていた。

彼女は日本語が少し不自由だった。

そのため先輩からイジメがあったらしい。

結果として仕事をやめたらしい。

 

言葉が少し分からないといじめられる。

肌の色が違うといじめられる。

能力が低いと考える人がいるらしい。

 

彼らの能力は日本人と変わらない。

日本に行くフィリピン人は意欲が高い。

技能実習生をみていると強く感じる。

 

自分たちは特別だというおごりか。

もう、日本はそんな時代ではない。

経済だけではない。

人間性の問題が大きいと思う。

 

フィリピン人からよく聞かれる。

「先生はどうしてフィリピンに来たのですか」

「先生はお金持ちではないですか」

 

彼らが日本に行く目的はお金だ。

昔は3年間日本で働く。

貯めたお金で家が建った。

しかし、今は違う。

 

円安でベトナム人の留学生が急減している。

次はネパールやミャンマーと言われている。

その国の経済状況で来る国が変わる。

フィリピンはどうなるのだろうか。