【(真剣なフィリピン人先生)フィリピン滞在記63】

フィリピン人のJ先生。

30代の先生で日本に5年ほどいた。

日本滞在時にバイクで大けがをした。

さらにフィリピンの家族が病気になった。

「ほとんどのお金を入院費で使いました」

 

J先生が話してくれた。

「私の日本人上司はとても優しい人でした」

「日本人を尊敬しています」

J先生にたずねる。「どうしてですか」

「いろいろ親身になって助けて頂きました」

「日本人はとても親切で真面目です」

 

謙虚で真面目なフィリピン人のJ先生。

感謝を忘れない。

日本語を教えるのは初めてで緊張していたようだ。

本当に一生懸命に教えていた。

クラスの生徒たちもよく分かっていた。

 

J先生は生徒と一緒に私の授業に参加する。

とにかく真剣で勉強家なのだ。

「日本語は難しいです。勉強になりました」

授業後に必ず私に声をかける。

 

フィリピン人のA先生。

熱血先生だ。

11年目のベテラン。

その雰囲気からA社長と呼ばれている。

授業の50分間、大声で話し続ける。

真剣さが教室中に伝わる。

しかも丁寧で腰が低い。

 

A先生に聞いてみた。

「先生は教えることについてどう考えていますか」

「日本語を教えることはとても楽しいです」

A先生ご本人は教えることを楽しんでいる。

 

楽しさは生徒に伝わる。

生徒の先輩であるフィリピン人先生が真剣に教えている。

楽しみながら教えている。

お二人のような先生が学校を支えている。

私も大きな影響を受けている。

彼らには感謝している。

 

日本語を話すことは生徒たちにとって仕事だ。

仕事をしっかりこなす。

日本でいろいろ学んでもらいたい。

そして、日本での生活も楽しんでもらいたい。

そのためには、実用日本語会話能力が必須だ。

自然な日本語を話してもらいたい。

日本語教師全ての願いだ。