フィリピン人のJ先生。
30代の先生で日本に5年ほどいた。
日本滞在時にバイクで大けがをした。
さらにフィリピンの家族が病気になった。
「ほとんどのお金を入院費で使いました」
J先生が話してくれた。
「私の日本人上司はとても優しい人でした」
「日本人を尊敬しています」
J先生にたずねる。「どうしてですか」
「いろいろ親身になって助けて頂きました」
「日本人はとても親切で真面目です」
謙虚で真面目なフィリピン人のJ先生。
感謝を忘れない。
日本語を教えるのは初めてで緊張していたようだ。
本当に一生懸命に教えていた。
クラスの生徒たちもよく分かっていた。
J先生は生徒と一緒に私の授業に参加する。
とにかく真剣で勉強家なのだ。
「日本語は難しいです。勉強になりました」
授業後に必ず私に声をかける。
フィリピン人のA先生。
熱血先生だ。
11年目のベテラン。
その雰囲気からA社長と呼ばれている。
授業の50分間、大声で話し続ける。
真剣さが教室中に伝わる。
しかも丁寧で腰が低い。
A先生に聞いてみた。
「先生は教えることについてどう考えていますか」
「日本語を教えることはとても楽しいです」
A先生ご本人は教えることを楽しんでいる。
楽しさは生徒に伝わる。
生徒の先輩であるフィリピン人先生が真剣に教えている。
楽しみながら教えている。
お二人のような先生が学校を支えている。
私も大きな影響を受けている。
彼らには感謝している。
日本語を話すことは生徒たちにとって仕事だ。
仕事をしっかりこなす。
日本でいろいろ学んでもらいたい。
そして、日本での生活も楽しんでもらいたい。
そのためには、実用日本語会話能力が必須だ。
自然な日本語を話してもらいたい。
日本語教師全ての願いだ。