こんにちは。今回は原点と放物線の最短距離を求める解法を考えます。
この解法から点と直線の距離公式を求めてみましょう。
「高い次元の解法から低い次元の解法を求めてみます」
B男「どういうことですか」
「放物線と点の最短距離を求めます。放物線は2次関数ですね」
「この解法から1次関数の点と直線の距離公式を考えるのです」
B男「次数を上げてから下げると言うことですね」
「そうです。それでは具体的に問題を考えてみましょう」
「原点中心の円を考えてみましょう。原点と放物線の最短距離を考えます」
B男「図の様に原点中心の円が放物線に接する時、原点と接点Aの距離が最短距離です」
「そうですね。接する時の円の半径が最短距離です。半径はどのように求めますか」
B男「円と放物線が接するので、連立方程式を解いてできる式が重解になればよいです」
「具体的に計算してみましょう」
B男「➂式が重解になればよいですが、3次式です」
「そうですね。2次式なら判別式が使えますが3次式の場合は微分を使います」
「次の(公式A)を使います」
B男「3次方程式④を解く必要があります」
「そうですね。3次方程式なのでこのままでは解けません」
「この点は後で考えるとして別解を考えてみましょう」
B男「接線とOAが垂直ということから④式は出ませんか」
「なかなかいいですね。やってみましょう」
B男「④式が出ました。αから距離dが求まります」
「αはグラフから読み取って見ましょう」
B男「極小値をとるα=1.621、最短距離d=r=2.687となります」
「原点から曲線上の点までの距離を表す関数dに対して、その極小値(最小値)の時のαを使えばよいわけです」
B男「距離を表す関数が極小値をとるときのαですね」
「整理してみましょう。次の(公式B)から最短距離dが求まります」
「この(公式B)を直線の場合に当てはめてみましょう」
「➄式になります。ここから➅式が導かれます」
B男「2次関数の解法を1次関数の解法に適用したわけですね」
「一般に次数が高い方が複雑になりますが、下げると簡単になり見通しがよくなります」
「公式の拡張ともいえます」
今回はここまで。次回をお楽しみに。