琴奨菊が魁皇にがぶり寄りで圧勝/初場所
(日刊スポーツ - 01月12日 10:00)

魁皇(左)を寄り切りで撃破した琴奨菊(撮影・鈴木豊)


<大相撲初場所>◇5日目◇11日◇東京・両国国技館
 東前頭筆頭の琴奨菊(22=佐渡ケ嶽)が、大関魁皇(34)に得意のがぶり寄りで圧勝した。
序盤を終えて2大関に勝っての3勝2敗。針金さえ通さないというきつくしめた締め込みを武器に、念願の3役昇進へまい進している。栃東(30)は、琴光喜(30)に敗れて3敗目。
横綱朝青龍(26)は、平幕時天空(27)を危なげなく下して1敗を守った。
玉春日(35)がただ1人全勝をキープしている。
 琴奨菊が12歳上の魁皇に何もさせなかった。
左の相四つで、右上手を取られるとやっかいだったが、もろ差しを決めた。自分の形になるや、得意のがぶり寄り。
わずか3秒8で、同じ故郷福岡が生んだ大関を土俵の外へ追いやった。
「本当にうれしいです。今場所で一番いい相撲でした」。感情表現も相撲同様に小気味いい。
 初日の栃東戦に続く大関食いには、理由がある。
まわしだ。「実はぎっちぎっちに締めているんです。
針金も通さないほど。これだけ締めれば指は入らないし、簡単にまわしを取られませんから」。2日目は朝青龍にまわしを許したものの、取組直後に横綱は両手の爪を見つめ「割れるかと思った」とつぶやいていた。

 新十両に昇進した04年名古屋場所から着けるこの締め込みは、2年半でぴったりフィットしている。新しいものに変えた先場所は6日目まで1勝5敗。7日目に元に戻し、千秋楽まで9連勝を飾った。
これが武器になると感じてからは、水分を大量に含ませ、2人の付け人に綱引きのように引っ張らせて着けている。

 顔立ちは優しいが、負けん気は人一倍強い。
先場所は東前頭2枚目で10勝しながら、小結昇進を見送られると即座に言った。

「早く3役に昇進して、定着したいです。先に上がった稀勢の里を引きずり降ろしてでも、自分が上に行きたい」。

 けいこ場では、大関琴欧洲、関脇琴光喜と申し合いを重ねている。
「正直、負けてばっかりで気がめいることもあります。でも、こうして場所で勝つとけいこのありがたさを感じます」。まだ22歳。大学進学よりも角界入りを選んだ高卒のホープは、相手にまわしを取らせず、がぶり寄るスタイルで番付を駆け上がる。



朝青龍(あさしょうりゅう)の部屋
若松部屋初のモンゴル出身力士。お父さんはモンゴル相撲の元関脇、男兄弟4人がみんなモンゴル相撲をやっていて、特に次男は レスリングでもオリンピック選手で、1998年のアジア大会での銀メダルをとった。
モンゴルでは有名なスポーツエリート一家。21世紀の 日本相撲協会期待の星である。




本名 ドルゴルスレン ダグワドルジ
生年月日 昭和55年9月27日
出身地 モンゴル国ウランバートル
出身校 明徳義塾高校修了
身長 184cm
体重 145kg
初土俵 平成11年1月場所
得意技 突き、寄り、上手投げ
最高位 横綱
愛称 ドルジ
趣味 TV(映画)、ラジコン





本場所の成績
平成11年1月   前相撲   3勝0敗 182cm,106kg
平成11年3月 序の口34枚目 6勝1敗
平成11年5月 序二段85枚目 7勝0敗(優勝)
平成11年7月 三段目75枚目 7勝0敗(優勝)
平成11年9月 幕 下53枚目 6勝1敗
平成11年11月 幕 下27枚目 6勝1敗
平成12年1月 幕 下12枚目 3勝4敗
平成12年3月 幕 下19枚目 5勝2敗
平成12年5月 幕 下 9枚目 6勝1敗
平成12年7月 幕 下 2枚目 7勝0敗(優勝)
平成12年9月 十 両 7枚目 9勝6敗
平成12年11月 十 両 3枚目 11勝4敗

平成13年1月 前頭12枚目 9勝6敗
平成13年3月 前頭 6枚目 9勝6敗
平成13年5月   小結   8勝7敗(殊勲賞)
平成13年7月   小結   7勝8敗
平成13年9月 前頭 筆頭  10勝5敗(敢闘賞)
平成13年11月   小結   10勝5敗(敢闘賞)
平成14年1月 関脇   8勝7敗
平成14年3月 関脇   11勝4敗
平成14年5月 関脇   11勝4敗(敢闘賞)
平成14年7月 関脇   12勝3敗(殊勲賞)
平成14年9月 大関 10勝5敗 184cm,136kg
平成14年11月 大関   14勝1敗(優勝)

平成15年1月   大関   14勝1敗(優勝)
平成15年3月  西正横綱  10勝5敗
平成15年5月  東正横綱  13勝2敗(優勝③)
平成15年7月  東正横綱   5勝5敗5休
平成15年9月  東正横綱  13勝2敗(優勝④)
平成15年11月  東正横綱  12勝3敗
平成16年1月  東正横綱  15戦全勝(優勝⑤)
平成16年3月  東正横綱  15戦全勝 (優勝⑥)
平成16年5月  東正横綱  13勝2敗(優勝⑦)
平成16年7月  東正横綱  13勝2敗(優勝⑧)
平成16年9月  東正横綱  9勝6敗
平成16年11月  東正横綱  13勝2敗(優勝⑨)

平成17年1月  東正横綱  15戦全勝(優勝⑩)
平成17年3月  東正横綱  14勝1敗(優勝⑪)
平成17年5月  東正横綱  15戦全勝(優勝⑫)
平成17年7月  東正横綱  13勝2敗(優勝⑬)
平成17年9月  東正横綱  13勝2敗(優勝⑭)
平成17年11月  東正横綱  14勝1敗 (優勝⑮)
平成18年1月  東正横綱  11勝4敗
平成18年3月  東正横綱  13勝2敗(優勝⑯)
平成18年5月  東正横綱  1勝2敗12休
平成18年7月  東正横綱  14勝1敗(優勝⑰)
平成18年9月  東正横綱 13勝2敗(優勝⑱)
平成18年11月  東正横綱  15戦全勝(優勝⑲)