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-神様に許してもらえ!



今埋めてやる。やつは信者として死んだんだ。
ミサをあげてもらってやろう。
婿にこっちに来て、

一緒に暮らすように、そう言ってやれ。



      ~「マテオ・ファルコネ」(1829・仏)プロスペル・メリメ~


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Source: Paul K


鉄槌を脳天にくだされたがごとく、
読み進み、読み終え、
圧倒され、呆然とする。


「風と共に去りぬ」
なんかも、みなさま、
感動されましたでしょ?



あれは大河小説。


「マテオ・ファルコネ」は短い。


手元にある文庫本の
薄いこと。


あっという間に読み終わり、


文章は簡潔。


余計なことは書かない。


叙情感皆無。



そしてその読後感たるや
わしづかみに揺さぶられ、
一生消えることはない。。。


めるめるにとって
「マテオ・ファルコネ」は
そんな1冊。




舞台は19世紀、コルシカ。


ここはお尋ね者が逃げ込む
辺鄙な地であり、


島民は自分たちの正義の信念のもと、


彼らをかくまう

硬骨漢を良しとする
反骨・荒くれの土地柄です。



マテオ・ファルコネは
射撃の名手。


野羊を120歩のところから
一発で仕止める。


恋敵を倒し、
娶った妻は立て続けに3人の娘を産み、
待ちに待った4人目の男の子の誕生は
いたく彼を喜ばせる。



マテオ・ファルコネは10才の息子を残し、
妻とともに家畜を見回りに出かけた。


そこに傷を負ったお尋ね者が
逃げ込んでくる。



お前はマテオ・ファルコネの息子だろう、
助けてくれ。


息子はお尋ね者を干し草の中に隠す。



官憲がお尋ね者を探しにやってくる。


こんな奴が来なかったか。



-知らない。


僕の父は、マテオ・ファルコネだ。



家捜しをする。いない。



子どもを責め立てる。



口を割らない。



しかし
官憲は執拗です。



教えてくれるなら、
懐中時計をあげよう。




子どもの目の前に
懐中時計が揺れ、、、、




子どもの右手は、
少しずつせり上がり、、、



視線を干し草にやり、
お尋ね者は捕らえられ
引っ立てられていきます。




戻ったマテオ・ファルコネは
俺の血筋で裏切り者はこいつが初めてだ、
と吐き捨て、



わが子を穴を掘るに足る場所に連れて行き、


立たせ、祈らせ、
泣き叫び許しを乞い
もうしないから、と
命乞いをする子を





撃ち殺すのです。





むかしめるめる父親が
「日経ビジネス」購読してまして、


経済記事とかはちんぷんかんぷんだったのですが


コラムなど、
柔らかいとこだけ選んで読んでました。



伊藤肇さんという若くして亡くなられた(享年54才)
評論家の方が


当時の錚々たる財界人に
「人生の一冊」」ありますか、と
たずねたところ、


この「マテオ・ファルコネ」を
真っ先にあげたそうです。



読んでみたい。
と早速本屋さんに行って、



はー、、、

雷名の如く鳴り響く一冊、でした。。。



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