Laura Ingalls Wilder



「大草原の小さな家」シリーズの

(ローラ・インガルス・ワイルダー作)


エバーグリーンの魅力は、


まず家族愛。


逞しくも包容力に満ちたとうさんと。


荒野を進み、

苦難の中西部への旅を続けてもなお、

レディとしての誇りを持ち続けるかあさんと。


両親の大きな愛を受け、

娘たちは、

自らの頭で物事を考え、

自らの判断で各々の道を選び、

巣立っていく…。



そして幼いめるめるが夢中になったのは、


アメリカ開拓時代の

暮らしの描写。


ワクワクしましたね~。



ブタを大事に飼っている。

1年に1度、豚をしめるのは大仕事。

手伝いの人がやってきて、


ちいちゃいローラが

耳をふさいで待って、、そーっと指をはずして、

豚の声がしないのを確かめてからの

作業の楽しいこと。


もも肉、肩肉、脇腹肉、肋骨肉、腹肉、はハム。


心臓と肝臓と舌と

頭肉チーズにしる頭肉、

ソーセージにする小さい肉が平鍋一杯。


もも肉と肩肉は塩水につける。

洞の丸太でいぶすから。


豚の膀胱は膨らませて、

白い風船のようになると

口をしっかり縛ってローラとメアリイのおもちゃに。


ブタのしっぽは

とがった棒を突き刺して

メアリイと交代で石炭の上であぶって

(どっちも相手に渡すまいと必死!)


ジュージュー焼けたしっぽに


塩をふってひとかけらの肉も残さないように食べて、

骨は犬のジャックにあげます。



豚も飼うけど、

妻と幼い娘たちに食べさせるため、

とうさんは大きな森へ猟にいく。


ライフルの球を、

自分で作るのです。


大きな匙に鉛を置き、

石炭にかざして、鉛がとけると、


型の小さな丸い穴にそうっとながしこみます。


鉛の熱が冷めてから取り出し

弾丸のまわりについた

鉛の小っちゃな固まりをけずりおとします。


ライフルの球は、

ピカピカ光って、

とてもきれい。


もちろん、このけずりくずも、

つぎに弾丸をつくるときのために、

だいじにとっておく。



冬の終わり、寒さが緩み、

またぶり返して雪が降る。

樹液の流れが最高潮になるころに、

森に出かけて

メープルシロップをとる。



幌馬車ひとつで西部開拓へ。


なに一つない平原で、

とうさんとかあさんは力をあわせて

家を建て、畑を切り拓き、

娘たちを育てる。



お料理の描写や、


コルセットドレスの時代で、

女性はお店で布を買い、

自分でドレスを縫います。


何色のこんな模様のこんな形のドレス。

と丁寧な記述が続く。



見知らぬ世界の昔の暮らし。

夢のような物語でした。



しかし、今になり、

ローラの生涯を別の目で見れば、


晩年こそ作家としての栄光はあったものの、

その生涯は多難でありました。


東部では暮らしていけなかったからこそ、

流浪の旅を続けたのでしょうし、


結婚後ほどなく

農場経営を夢見ていた

夫は病に倒れ、


安住の地を求めて

またもさすらい、

その日の暮らしにも事欠いた。


娘は聡明でも、

(ローズ・ワイルダー・レイン。

 のちのジャーナリスト・作家)

上の学校にあげることなど

夢のまた夢だった。



なのに、

ひとりの女性の成長を描いた

この一代記は


どこまでもどこまでも

生きる喜びと楽しさと満足に彩られ、

人々の憧れを掻き立ててやみません。



社会に出て、声をあげ、

戦い抜く女性にも、

もちろん惹かれます。


そして、ローラの大きさは、


知れば知るほど、

私が大きくなればなるほど、


胸に迫ってくるのです。