Kōshirō_Matsumoto_VI_as_Sōroku

三代目歌川豐國 画、

役者絵『東都高名會席盡』より『惣ろく ー 六代目松本幸四郎』

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「『紅毛人の小説大騒動』との言葉をどこかで目にし、

派手な調子、芝居がかった物言い、

物事を切り取る鮮やかな角度、凛冽する気合い。

石川淳のものに決まってる」と

丸谷才一先生がお書きになっていらしたのですが、

出典探し出せん(涙)


石川淳先生はカッコいいのです。

派手で、明るくて、気力充実しまくり。

「だれそれとだれそれが出会った。うまくいかなくて悶々とした」

の類の読物に慣れていた私には、

新鮮でした~。


歌舞伎で、「荒事」ってありますよね。

男性の勇猛さを見せ場とする演目。


めるめる造語で、石川淳先生は、「華麗事」です。

男性の、華やかな男っぽさを見せつけられてしまうんですの♪


文体を自在に使い分ける超大物。

(祖父漢学者。仏文ながら江戸文学に傾倒。

 永井荷風先生も同じなんですが、

 個性違えばここまで違ってくる、のお手本のような~)


このお話は読みやすく、王朝文学の系譜を踏まえながら、

源氏とも平家とも違う、

魔や妖が跋扈する

幻想文学を超えた危険な叙事詩。

超現実派でございますの♪


文字でそんなことできるんですかって?

出来るんですよ(^-^)v

石川淳先生なら。



時代は王朝末期。

都の歌の勅撰の選となるべき家に生まれた宗頼。

幼い頃から抜群の才をしめすものの、

「生まれる前から上手く作れるに決まっている歌を、

 なぜつづけなければならぬのか」

と弓に傾倒。

こちらも都にかくれもないつわものどもと比べて

劣らぬ実力を身につける。


忌み嫌う父は、息子を遠い国の守に追いやる。

18才の宗頼は、鄙の地へ。

守りのすることは何もない。

ほとんど流謫である。


若き守は狩を好む。

弓は百発百中獲物を捕えるが、

獲物は常に宙に消える。


刷毛で払ったように黄の影がかすめる。

守の放った矢は草に光る。

初めて捕えた獲物は…。


鄙の白皙の貴公子。


狩りにかけめぐる山々。


太腿を射抜かれ歩くのも不自由な

矢の名手の野獣にも似た存在感。


狩りを求め、吠え盛る黒犬。


うつろ姫の赤黒く醜く、ぬくぬくと権門の家に育った生きものの威令。


うまれ里を追われ、算の術をもって守に仕え、

その座を取って代わらんとする男。


野よりあらわれ守の寵を受ける手弱女。


「行くな」と止められた地で出会った

岩に仏を掘り続ける若い男。



月光を浴び、守は矢を放つ。

「確かに射たぞ。」との叫び。

轟く雷鳴。

廃墟と化した守の館には

紫苑の花が咲き乱れて…。




ああ、映像化されなくて良かった…。無理です。絶対。