この絵のモデル、ゴートロー夫人は、
銀行家の奥様。
美貌で有名なこの女性の絵を
描かせてほしい、と熱望した
ジョン・シンガー・サージェント。
サロンに出品されたこの絵は、
あまりになまめかしく、
センセーションを巻き起こし、
もしかして画家と夫人は怪しいのではとの
疑惑を避けるため、
画家はパリを離れざるを得なかった…。
とのいわくつきの美人画です。
ジョン・シンガー・サージェント(John Singer Sargent;1856-1925)。
19世紀後半から20世紀前半のアメリカ人の画家。
フランスで美術教育を受け、おもにロンドンとパリで活動した。
上流社交界の人々を描いた優雅な肖像画で知られる。
(「Wikipedia」より)
高く結い上げた髪。
コルセットで締め上げたS字型のシルエット。
張り出した袖。
19世紀末から20世紀初頭にかけての
このシルエットは、
「ギブソン・ガール」と
呼ばれています。
アメリカ人のイラストレーター
チャールズ・ダナ・ギブソン(Charles Dana Gibson 1867-1944)が
好んで描いた女性像だったため、
この名称が残っています。
時代をさかのぼって、
マリーアントワネットとか
ポンパドゥール夫人とかの
ドレスにくらべて、
シルエットはよりほっそりと。
そしてシンプルに向かっていますね。
こんな絵だったら、
描いてほしくなっちゃいますよね~。
ハイソな依頼人を喜ばせる、売れっ子画家。
縦長の美人画ばかり集めてきまたが
手がけるジャンルは幅広く、
代表作の1つでもある
「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」には
日本の盆提灯や山百合が描かれ、
エンヤはミュージックビデオ『On My Way Home』にて
サージェントにオマージュを捧げています。
ボストン美術館の天井画も手がけました。
母国アメリカにも、多くの作品が
所蔵されています。
虫も殺さぬたおやかな女性に描かれています。が。
レディ・アスターは
英国初の女性国会議員。
あの。
ウィンストン・チャーチルとの有名な掛け合い。
「私があなたと結婚していたら、私、コーヒーに毒を入れますわ^^」
「私があなたの夫なら、そのコーヒー、喜んで飲みます」
の女性なのです。
次の絵は、
ギブソン・ガールのシルエットではないのですが。
オーラ&迫力全開だったので、つい。
(昔はモノクロ写真しかなかったんだし。
こんな色使いで壁いっぱいの絵では
度胆を抜かれそう)
エレン・テリーはイギリスの女優さん。
シェイクスピア女優として君臨し、
男性の「サー」の上、「ナイト」に相当する
女性に授けられる「デイム」の称号とともに
英国演劇史にその名を刻む女優さんです。
最後の2枚は、
すがすがしい美しさ。
ね、今までの絵と雰囲気が大きく変わってるでしょう。
新たな時代の幕開けを、感じませんか。
サージェントは、描き分けた。
絵にも古代・中世・近代・現代があって。
表現のありかたは変わっていく。
女性のたたずまいも変わっていきます。
仰々しいポーズを取らず、自然体。
装いはシンプル。
次の絵も、好きなんだな~。
コルセットラインは残るものの、
この若き大富豪夫人の
(幼なじみ同志の結婚でした)
活動的なこと。
モノトーンで統一。
パリッと糊のきいたクレリックシャツ。
蝶ネクタイ。
黒のジャケット。
カンカン帽。
み~んなもともとは
男性のアイテムです。
麻の無地の白のスカート。
メンズファッションを取り入れた、
最先端のユニセックスファッション。
(女性が社会に出るための
ファッションの誕生の息吹♪)
若妻の活き活きした表情と、
後ろに控える依頼主であろう夫。
若き国アメリカの
新たなタイプのカップルの誕生を告げます。









