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夏の嵐(1954・伊)
監督:ルキノ・ヴィスコンティ

ヴィスコンティの女はいつも哀れなのね。
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」も哀れだし
「ベリッシマ」もそうでしょう。
「夏の嵐」も哀れだし、「若者のすべて」も哀れでしょう。
「熊座の淡き影」も可哀そうでしょう。
ヴィスコンティはあんまり女いじめてないね。
「地獄に堕ちた勇者ども」の
あの女、哀れでよかったなあ。あの母親……。
(談:淀川長治)


はじめ、ヴィスコンティ監督は、
イングリッド・バーグマンを主役にと願われた。
しかし夫であるロッセリーニ監督が離さず、
アリダ・ヴァリ起用となったそうです。

アリダ・ヴァリと言えば、

チターの調べ、
オーソン・ウェルズの傲岸不遜の笑顔が浮かび上がり、
落葉散る一直線の並木道、
待ち受けるジョセフ・コットン、一顧だにしないアリダ・ヴァリ。

不朽の名作「第三の男」。
と、この「夏の嵐」が決定打。

イングリット・バーグマンの柔らかさとは違う、硬質な美しさがあります。
(バーグマン、良かったでしょうね~。
 2本作ってくれれば良かったのに♪
 しかしこの場合、アリダ・ヴァリの起用は大大大成功。)
イタリアの女優さんで、
ソフィア・ローレン、モニカ・ベルッチともまた違う、
独特の存在感。

決して若くはない、
気高く高貴な伯爵夫人の燃えさかり、翻弄される恋の激しさ。


と、
画面は豪華絢爛、テクニカラーとのテロップが入るものの、
色調は暗め。重厚感あり。
映し出されるセット衣装小道具、全てイタリア貴族の使う本物。
決して妥協を許さない、
こだわりぬいた映像美で、
イタリア芸術の底力に圧倒されっぱなし。

以上2つがこの映画の、見どころです。

原題は「Senso(官能)」。でも邦題「夏の嵐」も、良いですね^^


19世紀半ば。イタリアはヴェネチア。
オペラ「イル・トロヴァーレ」の歌声が映画の始まりを告げます。
オーストリア軍占領下のヴェネチア、
やがて天井桟敷から、イタリア独立を訴える
赤・緑・白のビラが紙吹雪をなり、降ってくる。

あわや決闘。のイタリア貴族とオーストリア軍士官フランツ。
従兄弟を救おうと、
伯爵夫人リヴィアは、オーストリア軍士官を桟敷に呼びます。
これが2人の恋の始まり。
シシィの愛称で知られる、
オーストリア帝国皇后、エリザベート妃を彷彿させる、
白い花を挿した豊かな髪。黒のドレス、
大きく開いた胸元を飾る縁取りは白のレース。
オーストリア軍士官の目は、
その気品と美貌に、目を奪われます。

フランツの手練手管は、手馴れたもの。
誘惑に抗いきれず、リヴィアは年下の美貌の男に溺れていきます。
会えない日々が続けば、「淫売か」なんて言われても、
会いにいかずにいられない。
部屋を借り、人目につかぬよう逢瀬を重ねる二人。

しかしある日、部屋はもぬけの殻となっていた。
折りしも普墺戦争勃発。リヴィアは郊外の別荘へ。
そこに忍び込むフランツ。再び燃え上がる恋の炎。
戦争はイヤだ、と訴える彼に、
従兄弟から預かった金品を、
リヴィアは、渡してしまうのです。

全てを捨て、フランツの元に向かうリヴィア。
しかしそこで見たものは、酒と女に溺れる彼の姿。
罵声を浴びせられ、
絶望の果てに、リヴィアはフランツを密告。

フランツは引き立てられ、壁に向かい、銃殺刑となります。

響き渡る銃声。
崩れ落ちる男。
鳴り響く軍隊ラッパ。
軍靴の音を立て、去っていく兵隊たち。

で、エンドロールです。

男を愛し、狂気にとらわれる映画といえば
「アデルの恋の物語」なんかも思い浮かぶ。
良いんですが、
演じるイザベル・アジャーニは、ま、ネンネちゃんです。

こちらの映画のアリダ・ヴァリは若くないだけに、
まさに、鬼気迫る迫力に後ずさってしまいたくなる素晴らしさ。
(イザベル・アジャーニが悪いって言ってるんじゃないですよ~。
 どちらも堪能させていただきます☆彡)

激しさ、迫力。
若い男の美貌と肉体に溺れていく。
祖国を愛する心。貴族としての誇り。
欲望に屈し、暴走する心。
激しい恋の喜びと愛した男の裏切りの果て…。


機会があれば是非、観てくださいませ。





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予告編、張っときます。







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【めるめるPariの旅 2014.11.3~9】①
20141110
行きの機内にて。ツンドラを越えて飛んでいきます♪