夢の世界の中に入ってしまった自分。

見知らぬアパートの一室にあったニ体の骸骨。

突然消えたお嫁さんと骸骨に、謎に包まれた年配のおばさん。

その家は、過去にその年配の夫婦が住んでいた所。


自分はだんだんと訳が解らなくなってきた。


「薬があるからなんとか大丈夫さ」


「良かった~どうなるかと思いましたよ。」


「あの~、ここには現在誰が住んでいたのですか?」


「判らないな、ここを離れてから長いから」


「そうですか、でも娘さん夫婦とかは」


「家は子供がいなかったんだ、悲しいけど子供を授かる事はなかった」


「奥さんは大丈夫ですか?」


「ああ、まだこれくらいならまだ大丈夫だよ」


二人はしばらくその家を懐かしそうに見つめて、思い出を語り合った。


自分は気が気でない様子でまた、二階に上がっていった。


(確かにここに女の人と骸骨がいたはずなのに、しかもあのおばさんも突然ここから消えた。)


(あれは一体何? しかも自分は生きている。)


もう一度あの部屋の扉を開けて中に入ってみた。

部屋の中に入ると、今度は生きている自分とあの女性が座っていた。


仲良さそうに語り合う二人だが、何故か声が聞こえない。


そこに3、4人の男達が入ってきて、二人を刺し殺してしまった。


自分が止めろという言葉すら、アイツらには届かなかった。


被害者の男性の体に刺さった包丁。


確かに見覚えがある。


しかし、コイツらを自分は知らない。


しかも、死んだ男性は自分には似ているが、もう少し老けた感じがする。

考える間もなく二人は殺されてしまった。


男達は薄ら笑いを浮かべて部屋から出て行った。

「チクショー、なんなんだ!」


「待てよ、なんでこんなにあっさりと、自分ならもう少し抵抗したって…」


そう思ったが、男達への怒りが修まらず部屋の外に飛び出した。


また、居ない…。


慌てて台所に駆け下りたが、やはり誰もいない。

あの年配の夫婦もいない。


外を見渡しても、誰一人いやしない。


ふと我に帰った自分は、台所の包丁を確かめた。

見慣れない包丁が3本そこにあった。


あの刺さった包丁はかなり年期が入っていて古いものだった。


ここには鍋一つすら古いものはない。


あの包丁はアイツらがどこから持ってきたのか?

つづく