ある日、女性が友人からもらった口紅を使っていた。その口紅は美しい赤色で、彼女の唇にぴったりと馴染んでいた。
しかし、使い始めてから数日後、彼女は不思議なことに気付いた。毎晩寝る前に口紅をきちんと落としているはずなのに、朝起きるとなぜか唇に口紅が残っているのだ。
最初はただの偶然かと思っていたが、日に日にその現象は頻繁に起こるようになった。彼女は口紅を落とすために何度も何度も洗顔を繰り返し、唇を擦り続けたが、どんなに頑張っても口紅は完全には取れなかった。
そして、ある晩、彼女は夢の中で口紅の製造工場に迷い込んでしまった。そこには不気味な雰囲気が漂っており、作業員たちが黙々と口紅を作っている様子が目に入った。
彼女は恐怖に震えながらも、工場の奥にある巨大な鏡に引き寄せられるように進んでいった。鏡の中には自分の姿が映っているはずだったが、そこに映し出されたのは彼女の顔ではなく、何者かの邪悪な笑みだった。
彼女は悲鳴を上げながら目を覚ました。しかし、目を開けると、鏡の中には自分の顔が映っているはずなのに、再びあの邪悪な笑みが浮かんでいた。
彼女は恐怖に襲われ、口紅を使うことをやめることにした。しかし、それでも口紅の痕跡は消えず、彼女の唇はいつも赤く染まったままだった。
そして、ある日、彼女は自分の唇がどんどん腫れ上がっていくのに気付いた。痛みと共に、口紅の色が彼女の肌に浸透していくような感覚があった。
彼女は絶望の中で、口紅の呪いに取り憑かれたのだと悟った。彼女の唇は次第に膨れ上がり、最終的には彼女の顔全体が赤く染まってしまった。
数日間顔は赤く腫れ上がってしまったが、口紅を神社に持って行き、お焚き上げをしてもらうと2,3日経つと腫れが治った。
神主曰く、口紅の製造工場で働いていた女性が、過労で亡くなってしまい、その怨念が口紅に宿っていたのだそうだ。