(伊坂幸太郎さんの「3652」を読んで、読みたくなったので)


 犯人が双子であることは、はじめの「挑戦状」で分かるので、犯人は2人(以上)と決め付けて読んでいたが、1人は割りに序盤に見当がつくと思う。明らかに好青年すぎて怪しい。根拠のなさ過ぎる予想だけれど、こういう勘は結構当たるもの。死体の発見時の状態をみて、確信に変わる。

 もう一人についても、違和感を感じる人物が出てくる。なんでこいつをフィーチャーするのか、前へ出てくるのか。何かしら本筋に絡んでくると予想してしまう。とはいえ、どこで「双生児であることを利用した」のかは、とても自然に読み流していて、種を明かされてから悔しい思いをした。

 

 自分勝手なようにみえる、犯人たちの動機には共感してしまった。みんな見て見ぬ振りが得意だから。一番大切な人をこんな形で失えば、恨む対象はそこになるだろう。

 社会的地位があっても、優先座席で携帯いじってる人間より、収入が少なくても、おばあちゃんに席を譲れる人間でいたいなあ。