(去年ダ・ヴィンチかなんかで紹介されてるのを見て読もうと心に決めていて、やっと購入したので)


 現状が不満なのだれど、どうにも出来なくて、不平を言ったり、人を貶すことしかできないのであれば、死ぬしかない。死ねばいいのに。自分に言われているようで、読んでいくうちにどんどん追い詰められていく。現状に納得がいかない、楽しくない、自分はもっと出来るのに…不満をどっさり抱えながらも、結局同じ毎日を過ごしている。結局、文句を垂れながら、今の状況から抜け出す努力が出来ない。みんな。みんな同じ。


 不満を言って、変えようがないと言い訳して、人を貶すことでバランスを取って。それは、ある意味ではうまく生きていく方法なのだろう。みんなそうだし。そんなことで死ぬ必要はない。その状態で保っていられるうちは、現状でいいと思う部分があるのだろうから。でも、満足しているわけではない。


 現状に完全に満足している、今まで過ごしてきた時間を1秒も後悔していない状態では、生きていくことはできないのだろう。今の状況から抜け出したい、もっと良い方向に変えたい、と思うから、生きていたいと思うのだろう。当たり前だけれど。


 ただ、なんとなくの希望だけで、毎日を過ごすのはもうやめたい、と最近思う。もっとこうだったらいいのに、と思ったり、言ったりするだけではなくて、一歩踏み出そうと思う。今の自分の嫌な部分を変えていくプランを立てていると、まだまだ死にたくないなと思う。

 

 生きてるじゃん!byテリー

 仁星の男、シュウ。「仁」とは、いつくしみ、思いやりと辞書には書いてある。自己抑制と他人への思いやり、と。自分自身の、野望や信念のためではなくて、完全に、他人のために戦った者は、このシュウだけではないか。自分の光を失って、今より輝こうとする子供たちの光を守る。誰が何と言おうとシュウが一番格好いい。十字陵に聖碑を積み、ケンシロウに息子の面影を見て死んでいった最期は、レイやファルコやラオウよりも格好いい。


 これも仁星…未来への希望に生きる宿命!


(図書館でジャケ借りしてしまったので)


 自分が何なのか、自分の存在するこの世界は何なのか、考えても答えは出ないし、考えなくても何の支障もなく生きていける。むしろ、そんなことを考えてしまう方が行きづらくなってしまう。自分が、その特定の一人である必要性はない。自分にしかできないことなんて、ほぼ無くて、大抵のことは、自分が自分でなくても、同じように進んでいく。でも、「いま、この瞬間の、さとうゆうだけが、あたし。」意味のない現実。


 話が進むほど、現実がぶれて、読んでいると混乱してしまう。「ここはまだ夢の中」現実はどこなのだろうか、今までの世界は何だったのか、と一瞬考えるが、意味ないな、と思う。ドラえもんの映画の夢幻三剣士の中で、夢の中では、現実の世界で起こっていることを「夢」として話している(夢と現実を逆にするボタンを玉子さんが間違って押してからの話かもしれないけれど)。客観的に見れば、夢の世界でも、今自分が存在している現実であり、場所が、自分にとって必死になるべき場所であるのでは。的外れな、関係のないことを、だらだら書いているようだが、人は自分の都合のいいように誤読するもの。文章はかならず誤読されるから。


 とりあえず、ビールが旨い。

(これも伊坂幸太郎さんのエッセイ集を読んで、読みたくなったので)


 突然、別の世界に放り出される、という話では、みんな必死に生き抜こうとするが、もしも自分自身が同じ状況になったら、すぐに生き続けることをあきらめてしまうだろうな、といつも思う。大切な人たちと切り離された世界で、生きていたいと強く思える自信がないから。今までのつながりがあって、これからも続いていくからこそ、生きる意味があるのだと感じているからだ。力強くはないが、新しい世界にそれなりに適応して、生き抜いていく様子を見ていると、なんだかんだで逞しいな、と思った。

 

 自分の感情が主観的に感じ取れないまま、言葉やぎこちない表情でそとに出てしまう、いまいち感覚が想像できない。普段、自分の感情(と思っているもの)も、その瞬間瞬間で変わっていくし、いちいちそれを自分のものとして認識しない。ただ、自分の感情や考えに、腹が立ったり、恥ずかしくなったりという二次災害がないのだろうから、楽ではあるだろう。


ラストは漂流教室的でよかった。本を読んだり、ゲームをしたり、映画を観たりするときに、エンディングであっさり現実世界に戻されるのが怖かったりする。だからRPGでは、ラスボス寸前で放置してしまうことが多々あるし、小説も気に入ったシーンに何度も戻って読んでしまう。こういう終わり方をしてくれると、自分の中で、この世界が続いていくので、ありがたい。


 主人公が、子供だから、幼稚だ、などと、自分のことを表すたびに、キングオブコメディの「まだ子供なのだから」を思い出す。