ブラジル音楽の巨匠セルジオ・メンデスが亡くなった。

享年83歳。

1966年(日本国内盤は1967年3月)、セルジオ・メンデス&ブラジル66のファーストアルバム「Herb Alpert Presents SERGIO MENDES&BRASIL’66」がリリースされ、「マシュケ・ナ・ダ」が大ヒットになった。その2年ほど前からボサノヴァを創ったといわれているアントニオ・カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルトを好んでよく聴いていましたが、セルジオ・メンデス&ブラジル66の出現でボサノヴァ、ブラジル音楽がポピュラーミュージックになり、飛躍的に世界に広がった。

 

 

「マシュケ・ナ・ダ」はサンバやファンク、ロックに影響を受けたブラジル人ミュージシャン、ジョルジ・ベンのオリジナル曲でセルジオの曲ではない。ブラジル66はジョビンやジョアンら白人が創ったボサノヴァにアフリカ由来のサンバやロック、ジャズをミックスしたボサロックというか、ラテンロック、アフロサンバ的なサウンドが特徴だ。ビートの効いたパーカッシヴなグルーヴがホットだが、そこにラニ・ホールのクールなヴォーカルが加わりカッコよく新しいポップミュージックに仕上がっている。そして、「おいしい水」などジョビンのヒット曲はもちろんだがビートルズの「デイ・トリッパー」「フール・オン・ザ・ヒル」「ノルウェイジャン・ウッド」サイモン&ガーファンクルの「スカボロフェア」バート・バカラックの「THE LOOK OF LOVE」コール・ポーターの「ナイト&デイ」等を始め古いサンバやミュージカル曲など、アルバムのほとんどがカヴァー曲で構成されているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これらを選曲したセルジオのセンス、そしてボサロックなポップミュージックにアレンジしヒットさせた才能は天才的ですね。カヴァーなのにセルジオ・メンデスのオリジナル曲かと思えるほど消化されはまっています。「フール・オン・ザ・ヒル」はブラジル66で先に聴いたような気がします。セルジオ・メンデスは「So Many Stars」という美しい曲を残していて、多くのミュージシャンがカヴァーしています。